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夏の風になれたら

夏の風が君のシャツをふくらませる。

背中へと抜けていく風になれたら、
君の髪を少しだけ撫でて通り過ぎる。

汗を乾かし、僅かな涼を注ぐ。
吸い込んだシャツが靡いては覗いて、

ほんの少し香りを風に乗せて、
誰にも届かない場所へ飛んで行く。

風になれない私をいつか届けて。

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