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【息子のサッカーを見て、見えてきたこと Vol.87】中盤のサイドに逆足の選手を置くことの意味

こんにちは!

いつの頃からはっきりとは覚えていませんが、サッカーの戦術において、中盤のサイドに利き足とは逆の足を選手を置くことが主流になりました。

それ以前は右サイドであれば、右利きの選手、左サイドであれば、左利きの選手を置いていましたが、これとは反対のことが多いように感じます。

日本代表で言うと、右サイドに久保建英選手を置き、左サイドに三笘選手を置く感じですね。

これにより、中にカットインして、得意な利き足でシュートを打つことができますし、縦に突破して逆足でクロスを上げられます。

最近、これが育成に良い影響を与えるのではと考えたので、本日はこの点を深堀りしたいと思います。

なぜこれが育成に良いのか。

①得意な利き足でのシュートに持って行ける

同サイド(例:右利きの選手を右サイドに置く)の場合、巻いて蹴るにはニアを狙うことになり、ファーサイドのシュートはストレート系が多くなります。

一方で、逆サイドの場合(例:右利きの選手を左サイドに置く)、ファーサイドにシュートを打つ際に、ストレートと巻いて蹴るという選択肢が生まれます。

今年のアジアカップでも中村敬斗選手がベトナム戦で巻いて蹴るシュートを決めていました。

育成年代においては、ファーサイドに蹴るシュートが重要だと考えています。ファーサイドに蹴るためには、ニアよりも体の使い方に工夫が必要となります。

また、ファーサイドに蹴ることによって、味方が詰める可能性が高まります。これを感覚的に身につけることによって戦術の幅を広げることにも繋がります。

②突破の選択肢が増える

同サイドですと、突破は縦の傾向が増えます。伊東純也選手は非常に速いので、右サイドであっても、縦への突破が可能ですが、足の速さ(特に初速)がカギとなります。

逆サイドの場合、中への突破の選択肢が第一となった上で、縦への突破という選択も持った状態をキープできます。また体が自陣に開いた状態が多いので、横や後ろとのコンビネーションという選択肢も持てます。

同サイドでは、体が敵陣に向いてないと縦に突破できません。ただ、縦はオフサイドのルールによりパスの選択肢になりにくく、限定的です。

三笘選手は縦に速いのですが、その際にフェイントとして、味方とのコンビネーションを使う振りをしています。

振りだけでなく、実際に使うので、相手ディフェンダーは迷いがある状態となり、膝や踵の重心が一瞬ずれ、その時点で1対1の勝負が決まります。

③逆足でのクロスの練習となる

同サイドであれば、得意な利き足でクロスを上げられるという利点がある一方で、シュートは逆足であるというデメリットとなります。

強いキックや正確なキックを逆足で行うのは非常に難易度が高いですし、利き足で行うことの特訓がまず重要となります。

特に小学生(特に低学年)の子どもたちにこの点は困難と言えます。まずは利き足での練習が最優先です。

ただ、逆足でのキックも無視してはいけません。個人的にはパスやトラップ、ドリブルは利き足がメインですが、シュートやクロスは逆足もある程度使える状態が望ましいと捉えています。

逆サイドの場合(例:右利きの選手を左サイドに置く)、縦に突破した後は、クロスの際に逆足を使うか、利き足のアウトサイド(三笘選手がやる様な)を使うのが一般的です。

息子(小3)のチームメイトを見ていると、チームメイト15~16人のうち、左右の抵抗なく蹴れる選手は2人くらいです。10%くらいですが、それでも高い方だとも感じます。

逆足の成功体験はシュートよりもクロスの方が積みやすいと考えており、苦手意識の克服に繋げられるのではないでしょうか。

私が見えているのは上記の3点ですが、他にもメリットがあるかも知れません。

最近、YouTubeの「RONDS」チャンネルにはまっており、動画を見ています。その際に主宰の方がしきりに言っているのが「中心線」。5レーンで言うところのセンターレーンでプレーすることを意識するという点です。

サイドラインに向かって走ってしまうと、相手のプレスのパワーを受けやすくなるため、中心線を意識してプレーするというのを説かれています。

この時に、逆足をサイドに配置することにより、中心線に向かっていきやすいということを再認識できました。

ただし、小学校低学年では左サイドにボールが行かない傾向があるとも感じます。それは、ディフェンダーやセンターハーフ(ボランチ)の選手に右利きが多く、左足でのボール保持が少ないからだと仮説しました。

どうしても、右足でボールを持つと右の方が出しやすくなります。両サイドを上手く使うには指導者の助けが重要となります。

この辺を指導者が意識した上で、選手の育成が行われると良いなと思います。

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