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教育の未来への挑戦:生成系AIと学生との対話を促すレポート課題

前にこんな記事を書きました。今回はその実践編です。


生成系AIを教育の現場でどう生かすか?

AI技術が社会のあらゆる側面に浸透してきている現在、教育の現場でもその影響は否応なく感じられます。特に、生成系AIのインパクトとポテンシャルは凄まじいものがあります。
生成系AIは、人間のような自然なテキストを生成する能力を持つAIの一種です。これは、問題解決からエッセイの作成、さらには詩の創作まで、様々なタスクを高い品質で行う能力があります。

一方、大学をはじめとする教育機関の中では、生成系AIの利用に対して慎重な姿勢を崩さないところが多いです。
これは、AIの使用が学生たちの自己学習能力を低下させる可能性があるため、またAIが学生の認識を歪めるリスクをはらんでいるからです。
しかし、これらの潜在的な問題を適切に管理しつつ、生成系AIを教育に積極的に適用することで、新たな価値を提案したいものです。

そこで私は、大学教員として生成系AIを教育に組み入れた実験的な取り組みを行いました。その内容をお伝えします。

生成系AIを使ったアプローチ

私が担当する「経営組織論」の学生に、少し変わった課題を出してみました。それは「生成系AIを活用して課題解決の提案を行う」というものです。

【課題A】
ご自身が現在あるいは過去に所属したことがある組織の課題と解決策を、生成系AIを活用して提案してください。

【課題B】
課題Aで生成系AIをどのように活用したか、使った生成系AIの名称、手順、工夫したポイントを解説してください。

注:細かい注意事項などは省いています。

「経営組織論」の特別課題(主要部分)

この課題は全員必須ではなく、意欲がある学生のみ取り組めばよい「任意ボーナス課題」として出しました。レポートを提出した学生には、成績に特別加算点が付きます。

学生には予め、私の出題意図とこのレポートに求める期待値を提示してから課題に取り組んでもらいました。

出題意図は、生成系AIを活用して皆さんの思考を深めていただくことです。 したがって、生成系AIに単純に問いかけて出て来る作文以上の内容を期待しています。

「経営組織論」の特別課題注意書き(一部)

学生の反応と結果

学生の反応は様々でした。
多くの学生は「初めて生成系AIを使う」という状況に戸惑いながらも果敢に挑戦してくれました。既にChatGPT等を使い慣れている学生もいました。
レポートの内容は、各々の学生の生成系AIへの理解度や利用方法によって室にバラつきがありました。

自分の考えをまとめる前に生成系AIに問いかけた場合、返ってくる「尤もらしい浅い答え」に引っ張られて、自分が本来持っている思考力を出し切れていない例が散見されました。
「生成系AIを使う」ということに注力し過ぎて、「自分自身の頭でしっかり考える」という最も大事なことを二の次にしてしまったからかもしれません。これは、私の出題の仕方も悪かったと思います。

「XXの課題に対しては〇〇するべき」と一般論で言うのは簡単ですが、
「自分たちのケースにどう応用するのか」や「具体的にどうやって実行まで持って行くのか」の方がはるかに重要です。
正直、「これなら生成系AIを使わずに最初から最後まで自分で考えた方が良い回答ができたのでは?」と勿体なく思う回答も多数ありました。

生成系AIの利用に当たっては、自分の考えをある程度まとめてから内容を深めたり、最初から答えを聞くのではなくリサーチを手伝ってもらったりする方が、一般論に留まらないリアリティを伴う説得力のある提案ができる(回答の質が上がる)と思いました。
これは、今後の学生指導に生かしていきたい発見です。

よかった点は、「これをきっかけに初めて生成系AIを使ってみた」という学生が予想以上に多かったことです。
生成系AIを使ったことがない人からすると今回の課題はかなりハードルが高かったかもしれません。しかし、そんな中でも腰を上げて挑戦したこと自体が素晴らしいです。

教育現場の役割

今回の取り組みから、私たち教育者が学生に対して伝えるべき重要なメッセージが見えてきます。それは、生成系AIはあくまで道具であり、それ自体が答えを持っているわけではないということです。
AIの結果に依存せず、自身の思考力を鍛え、それをAIと組み合わせることが求められます。

教育現場でAIの活用を積極的に促すことは、単に技術を使うだけというではなく、AIを適切かつ倫理的に使用することを学ぶ重要な機会でもあります。
これは今後の社会で必要とされるスキルの一つであり、それを学生に教えることは、我々教育者の重要な役割と言えるのではないでしょうか?

一方的な知識の伝達ではなく、学生自身が思考を深め、問題解決のためにAIを活用する教育は、彼らが21世紀の社会で生き抜くために必要なスキルを育てる重要なアプローチになるでしょう。

まとめ

今回の実験的な取り組みは、教育現場における生成系AIの利用の可能性を探る大きなきっかけになりました。生成系AIを教育現場に導入するのは難しい側面もある一方、新しい教育方法を模索する大きな機会を与えてくれます。

生成系AIを教育に適用することで、教育の未来はさらに開かれたものになることでしょう。
そして、その中で学生たちは、新しい道具を使いこなす力と、それによって得られる知識を活用する力を身につけるでしょう。
私たち教育者は、そのプロセスをサポートし、学生たちが自身の可能性を最大限に引き出せるような環境を提供することが求められます。

最後に、生成系AIにキャッチアップしたい人向けの資料をご紹介します。
わかりやすくまとまっていましたので、よかったらご覧になってください。

(この文章はChatGPTを使って作成しました。)


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