アメリカ人文系PhD現地就活③ (OPT-ポスドク→就活)

以下ではまだ比較的記憶に新しい就活のメモを残しておこうと思います。


PhD取得後:現地就職か日本で就職か?

さて日本に帰りたいのはやまやまなのですが、もともと自分は歳食ってからアメリカのPhDに来たので卒業後すぐに日本に就職できるとは思っていませんでした。

余談ですが私は日本でも一般企業に就業経験があり、なんなら面接も担当したことがありますので、日本企業はとても年齢に拘るということも知っていますし、それが一概に悪いとも思っていません。例えばアメリカの大学教授は定年がないのでかつてはすばらしい研究成果を上げたがいまや完全にボケた教授がそのまま居座っていることがままあり(これは人文系ということもあるかもしれません)、日本の定年制度は個人的には正しいと思います。高齢になった自分の両親を見ても、老後になにかしたいなら手遅れになる前に仕事は辞めて新しいことを始めないといけないなというのは痛感します。

閑話休題。さて上記のように日本への直就職はもともと念頭に置いておらず、また修了時期からしても日本の大学の就活時期とアメリカの大学の就活時期は合わないので、アメリカの大学を修了したらアメリカの大学に就活するのが空白期間が生じないという意味でスムーズではあります。もちろん日本の大学にちゃんと就職できる見込みがあり、それを狙っているかたはまた別だと思います。いずれにせよ私は2023年秋の就職を目指して2022年秋から就活を始めるスケジュールになりました。

米アカデミア就活基本書類とスケジュール

就活に必要な書類とかはほかにいくらでも情報源があると思いますが、CV, cover letter, teaching statement, diversity statement, writing sample, proposed courses with sample syllabi, teaching evaluations などです。teaching 関係のをまとめてportfolioとして出せというところもあります。この辺りはググればいくらでも出てきます。キャリアセンターなどでも講習があります。あとは https://theprofessorisin.com/ こちらなどは賛否両論あるものの定番の情報源ですので適宜自分で取捨選択すればいいと思います。これを就活中何度も何度も直します。秋~冬頃はtenure track positionsの募集が中心で、冬~春頃はnon-tenure track positions, postdocsの募集がメインになります。もともとtenure trackにいきなり就くのは私の分野では稀なので、秋~冬頃のは練習になっていいとも言えます。以上はアメリカの話で、アメリカ以外は色々と違います。例えば日本の就活は秋ではなく春から本格的に始まると思います(今回時期が合わなくてやっていないのでよく知らないのですが)。役職名も英系(イギリス・オーストラリア)のlecturerは米系のassistant professorに相当するなど各国で色々と違いがあります。私は特にアメリカに拘ってはいないのですが(むしろメシがマズすぎて早く出たいのですが)あいにく英・ヨーロッパ・アジアでは応募できるちょうどいいポジションがなく、アメリカに偏った就活となりました。

Zoom面接

これらの書類を出して通るとzoom面接です。だいたい20分~30分くらいです。あちらのsearch committeeが3~5人くらい出てきて準備してきた質問をしてきます。sample questions みたいな感じでググればだいたいどんな質問来るか分かります。これは一件だけですが、search committeeの人が全員同じ部屋から一つのzoomでHi!みたいな感じで来たときは一番画面から遠い人の声が聞き取りづらくて困りました。まあでもあまり予期せぬ質問は来ないので勘で行きましょう笑。zoom面接では8割程度は練習していた質問しか来ませんでしたのでやればどんどんうまくなります。服は誰も気にしてない感じでしたので、とりあえず黒めの着てました。zoom面接に進んだ2件目で落ちたが全体のtop 3だったと言われ謎の自信がつき、3件目で次の駒 (campus visit)に進み、4件目は行けそうだったけど3件目に決めたのでお断りしました。5件目はいいとこまで行ったと思いましたが断られました。これで就活一旦終了となりました。

就活打率総括

私の場合分野が狭いのもあってそもそも書類応募できたのが結局約15件程度です。うちzoom面接まで進んだのが5件(tenure track2件 [university1件、college1件]、non-tenure track3件 [university1件、college2件])程度なので打率としてはけっこういいんじゃないでしょうか。アメリカの人は就活は大変だアカデミックは最近ほんとに厳しいみたいなことをしょっちゅう言いますし、私の指導教官もどうやら私が今期中の仕事は得られないことを予期してもう一年間私を養う準備をしてくれてたっぽい笑ので、アカデミックな就職だともしかしてもっと打率はよくてしかるべきなのかもしれません。しかし日本で新卒就活した時1件しか内定をもらえなかった(いい会社でした。就活はお見合いとはよく言ったもので)私としてはアカデミックなキャリアって当たりやすいんだなあ…PhD持ってると強いな~と思いました。次に就活市場に出るときはもっと強いcandidateになっていたいものですが、さて気力と体力が続くかどうか…笑。

次の記事ではビザ切替(F1→H1B)のことを書こうと思いますが、現在切替作業中なのでもう少し全体像が見えてから書こうと思います。


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