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社会的擁護を必要としている子どもたちⅢ

こんにちは。「私の会社は久保友宏です。」の久保友宏です。

寒さが厳しくなってきましたが、皆さん風邪など引いていらっしゃいませんか?

お互い体調には十分気を付けていきましょうね!(^ ^)

さて今日は、前回のブログでもお伝えした通り、施設の小規模化及び家庭的養育についてお話ししていこうと思います。

まずは施設の小規模化と家庭的養育とはなんなのか、簡単に説明しますね。

これは現在厚生労働省が推進している児童養護の新しいカタチで、”施設に入っている子どもたちをより一般の家庭環境に近い形で育てましょう”という試みです。

実際に現在の中・大規模な児童養護施設よりも少人数になりますから、様々なメリットが考えられます。

僕は基本的に、子どもは両親と一緒に暮らすべきだと考えています。

実際、僕も大人になって色んな人と知り合いますが、家庭がきちんと”家庭として”、家族がきちんと”家族として”機能していた家庭出身の方とそうでない方は、やはり簡単に見分けがつきます。

言動や行動、精神的に不安定だったり他人への依存の度合いだったり、そういったところがやはり違うんですよね…。

もちろんいわゆる”機能不全だった家庭”(この言い方は本当は好きじゃないんですけど…他に言葉が見つかりませんので、使わせてもらいます。)出身の方が悪い人だとか、変な人だとかそういう事ではありません。

しかし、そういう家庭出身の方は全員とっても”生きにくそうに”この社会を生きていらっしゃいます。

『自分が子どもの頃の家庭が普通じゃなかったことは分かっているが、何が普通かが分からない。だから将来本当に大切な人ができても家庭を持つ自信がない』

『家族の具合が悪くなっても病院に連れていかなかったら人でなし呼ばわりされた…。自分が子どもの時は市販薬を飲まされて一人で寝かされていたから、それが家族としておかしいとは全く思わなかった…』

などは、僕が実際に聞いた声です。

そして”普通の家庭が分からない”という点では、児童養護施設出身の方々も例外ではありません。

そこで今施設にいる子どもたちが将来外の世界に出て、これまでの子どもたちの様に『普通の家庭というものが分からない!』と嘆くことのないように考案されたのが、施設の小規模化及び家庭的養育です!

実際にはこれ以外にも、下のメリットがあると厚生省は発表しています。

・子どもの生活に目が届きやすく、個別の状況にあ わせた対応をとりやすい。

・生活の中で子どもたちに家事や身の回りの暮らし 方を普通に教えやすい。

・調理をすることにより、食を通じたかかわりが豊 かに持てる。

・近所とのコミュニケーションのとりかたを自然に 学べる。

・集団生活によるストレスが少なく、子どもの生活 が落ち着きやすい。

・日課や規則など管理的になりやすい大舎制と異な り、柔軟に運営できる。

・安心感のある場所で、大切にされる体験を提供し、自己肯定感を育める。

・子どもたちが我が家という意識で生活でき、それ が生活の主体性につながり、自立の力が日常生活 を通じて身についていく。

・家庭や我が家のイメージを持ち、将来家庭を持ったときのイメージができる。

・自立を意識し、意図的に子どもにかかわれる。

・少人数のため行動しやすい。

・地域の中にグループホームを分散配置することに より、地域での社会的養護の理解が深まる。

・地域の子ども会、自治会、学校区の関係者との交流が深まる。

実際に小規模施設で家庭的養育を受けている子どもたちや、そこで働く職員の方への聞き取り調査でも、様々なプラスの変化があったと報告されているんです(^ ^)

例を挙げると、

入所している子ども目線からの報告:

・自分の服くらい洗うし、自分の部屋の掃除なんかは人にやってほしくない。自分でやることでで きることが増える。

・子ども同士の関わりがある。年長の子に色々教えてもらえる。

・疲れたときとか、怒っているとき一人になれる。

・職員と話せる時間はある。何かのついでにスタッフルームに行ってそこに居座って話す。

・私は寝るときに担当職員にトントンしてもらったりする。

職員の目線からの報告:

・職員と子どもの距離が近いことでよく見えるようになった。ちょっと問題を抱えた子どもとも、 毎日話すので顔色や様子のちょっとした違いも気づきやすくなった。

・少人数になり講習や研修に行くようになり職員も愛着を意識できるようになりつつある。

・ユニットでは暴力は減っている。職員が共有スペースにいるだけで子どもたちの様子が見える。 死角が減ったと思う。

いかがですか?!僕はこのアイディアは本当に素晴らしいと思っています!

様々な事情で不幸にも家庭を失ってしまった子どもたちですが、小規模化された家庭的養育でなら、実際の家庭環境に近いものを体験することができるんです!

ですがもちろん、どんなにすばらしいシステムにもデメリットはあります。

次回のブログでは、このシステムのデメリットについてお話しできればと思います。

本日も最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます。

久保友宏

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