見出し画像

【先週の生活者不満】(~2023/9/24)①ダンボール授乳室を活かすために、②「カレンダー難民」は多そう

こんにちは。Insight Tech CEO 伊藤です。「声が届く世の中を創る」の実現に向けて不満買取センターを運営しています。

このnoteでの連載として「先週の生活者不満」をお届けしています。

この企画は毎週月曜~木曜日に放送されているJ-WAVE TOKYO MORINING RADIOの毎週水曜日のコーナー「データから導く<Better Life>」と連動しております。毎週ナビゲータの別所哲也さんに先週の生活者不満からみえる「Better Life」をお届け頂いています。是非ラジオもお聴きください。


先週の生活者不満(~2023/9/24)

注目するのは「前の週と比較して増加が目立ったキーワード」。そのキーワードの出現件数を反映したワードクラウド(下図)をみると「先週はこんな不満が目立ったみたい」という理解ができます。

厚生労働省が19日に政府が保管する従来株や変異株オミクロン株に対応した米ファイザー製と米モデルナ製計約8630万回分を順次廃棄すると発表しました。これに対して、十分に確保することが先決だったことに理解を示す一方で無駄になった税金を憂う不満の声が多く寄せられました。

また、ワクチンの秋接種が始まることとあわせて、無料での接種が今回が最後の予定であることも周知され、有料化することへの不安の声も寄せられています。

行動制限のない日々が戻りましたが、そんな日々を安心して過ごすためにもワクチン接種のあり方に引き続き多きの生活者が関心を持っています。

そのような中、今週は①ダンボール、そして②カレンダーに注目します。早速どんな不満だったのか見ていきましょう。

①ダンボール授乳室を活かすために

松江市内の道の駅に寄贈されたダンボールで出来た授乳室がニュース等で取り上げられ、大きな話題となりました。

国土交通省では2025年までに全国にある道の駅での子育て関連のコーナーの設置率を50パーセント以上にする目標を掲げており、今回は寄付されたダンボール製の授乳室が設置されたものです。

この授乳室は手軽に設置できる反面、入り口に鍵をかけられず、仕切りのカーテンが1枚あるだけであるほか、天井に覆いがなく、上から覗きこめてしまう形状となっていました、とのことです。

これに関連して不満買取センターにも「ダンボール」という表現と共に多くの不満が寄せられました。

やはり「カギがかからない」「カーテンを開けられてしまう」「上から覗くことが出来てしまう」など利用に際しての「安心感」が得られにくい点を批判・心配する声が多いようです。

ダンボール授乳室の設置はやめて欲しい。鍵がかからず、カーテンを開ければ誰でも覗けてしまう。安心して使えないものを安いからと導入しないでほしい。(30代・愛知県)

災害時の避難所等なら価値がありそうですが常設用にしては心許ないように感じました。ショッピングモールの男性立ち入り禁止の授乳室にも不審者が入ってきたりして怖い思いをする人も多いのに、ダンボールはちょっと頼りないです。(30代・大阪府)

一方で、「十分な対策が取られているわけではないがアイデアとしてはマネしてもいいのでは」との意見も聞かれ、今回のような不満や批判によって新しい取り組みの芽が摘まれてしまうことを憂う不満も寄せられました。

授乳を軽くみてるとか批判の声があがってニュースになってる。
確かにカーテン一枚はさすがに怖いし、天井もほしい。松江市のように天井つけたりスタッフの付き添いは良い案だと思うので他の自治体もマネしてほしい。私は授乳室を設置してもらえることがありがたいと思うので、どんなことでもすぐに不満や批判の声があがることに対して、世間てわがままで心狭いなと思ってしまう。(40代・大阪府)

実際、多くの生活者からは「設置前の意見を聞けばよかったのに」「当事者の声を聞いてほしかった」との意見も寄せられました。

ダンボール授乳室、問題になってから改善しようとしているけれどダンボールはダンボール。設置以前に計画の時点で女性の意見を入れておけばこんな授乳室は出来なかったのに。(40代・埼玉県)

島根県松江市の道の駅に設置されたダンボール授乳室が入り口がカーテンだけ、天井が空いていて、安心安全とは程遠い作りであること。善意の寄贈のつもりだろうが残念。制作段階から妊婦の声を取り入れてほしかった。(50代・愛知県)

道の駅などの公共空間に授乳室が必要、との点はほとんど人が反対はしないはずです。様々な制約の中ですぐには解決しにくい課題に対して、「できることからはじめよう」という観点でなされた挑戦はある意味では大きな一歩と言えます。

この一歩はまだ完全なものではなく、足りない部分があるのも事実です。足りない部分を批判して一歩を後退させるのではなく、皆で磨き上げていくような対話や段階的な取り組みが必要とされています。

システム開発では段階的に声を聞き入れながら素早く柔軟に開発を進めることを【アジャイル開発】と呼びます。

社会課題に関しても、当事者の声を聞き入れながら対話を通じて課題を解決していく【アジャイル】型アプローチが求められていると考えます。


②「カレンダー難民」は多そう

先週は「カレンダー」が言及された不満が増加しました。10月が近くなり2024年のカレンダーが店頭に並ぶことが増えたことに起因するようです。

「一年が早いなあ」と時の経過の早さに驚く声に加え目立ったのが「自分が欲しいカレンダーが見つからない」という声です。まさに「カレンダー難民」からの声です。

来年のカレンダーがもう売っている。一年早いなぁ(30代・埼玉県)

来年のカレンダーを探しているけれどピンとこなくてほしいものがみつからない。(30代・兵庫県)

写真や絵柄が好みのものが見つからないという不満に加え、子供向けのひらがな表記だけのカレンダーが欲しい、家族それぞれの予定が書き込める予定が欲しい、などまさに「クレーム」ではなく「未充足(満たされない気持ち)」が記された不満が多く寄せられています。

ダイソーの2024年卓上カレンダーは猫柄に偏りすぎてる。(40代・兵庫県)

犬や猫のカレンダーはたくさん売っているのにうさぎのカレンダーはなかなか売ってなくて悲しい。(20代・茨城県)

100均のカレンダーが売り出される時期ですが全て【ひらがな】のカレンダーがなく困っています、、どのカレンダーも英語や漢字が使われています。
年長さんや、小学生、発達障がいの子ども向けにシンプルで分かりやすい
大きさも2.3パターンあるととても良いと思います。(20代・大阪府)

もう来年のカレンダーが発売になっていて早速いろいろと探してみたが、家族の予定が家族ごとに記入できるカレンダーが見つからない。結局自分用のカレンダーと家族用のカレンダーを別々に買わなければいけない。(40代・東京都)

カレンダーの好みや使い道は人それぞれ。世帯やライフコース、ライフスタイルが多様化するなかで、それにカレンダーというモノが追い付いていないようです。

まさにスモールマスに対応したマーケティングが求められている典型例と言えそうです。例えば、家族構成や働き方・暮らし方あるいは嗜好にあったカレンダーがオーダーメイド出来るようなサービスがあれば、「カレンダー難民」の「不(ペイン)」が「ビジネスチャンス」に変換できるかもしれません。

すでにフォトサービス業界などでは同様のサービスがありますが、絵柄や写真の選択に留まっているケースがほとんどではないでしょうか。カレンダー自体のデザイン・構成から選択できる「私だけのカレンダー」。時代に合ったサービスになりそうです。


不満をいつでも分析「不満ファインダー」

不満ファインダーは、あらゆる業務のユーザーファースト化を実現します。ご関心ありましたらお声がけください。


そして宜しければマガジン登録もお願いします!

Insight Tech 伊藤

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?