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初版「勇気を持ちたい仲間への応援歌」 あらすじ連載【17】 再送


 皆様、いつも本当にありがとうございます。


 【17】ツーソン。


 ダウンタウンには10階建以上のビル3棟のみで、赤煉瓦の平屋建てが続くサボテンの町です。


 5日目、次の物件で無理矢理にでも決めることにして宿を出ます。家主さんは留守であるため外見になること、その家は地図上でも中心地からは少し離れているように見えること、それらを強引に気に留めぬようにして向かいますが、結果的に、バスと徒歩で約2時間を要す、町外れの小高い丘の上にある辺りには何もない一軒家だったのです。学校への遠さ、生活の不便さに天を仰ぎました。


 猛暑日、そこはいつもと変わりない丘の上、一人の日本人がただ立ちすくむ姿があるだけでした。


 帰り道、抜け殻のように歩いていました。暑さと落胆により、体力が奪われています。一台の車が止まり心配して乗車を促します。私は、警戒心も捨て去り、お礼を言い、躊躇せず車内に入り込みました。父、母、娘さんが乗る家族団欒のひと時への侵入者となります。


 「日中、ツーソンでは、飲物無しの長時間歩行をする者は誰もいない」


 ドライバーの父親から、「ツーソンの洗礼」を受けたことを知らされます。


 炎天下に魂を失うようにして歩いていた「謎の東洋人」。夕暮れ時、突然、非日常的な出来事に出くわした地元車。


 再び、日常の中へ戻って行きます。


 「非日常」を乗せて。



 つづく...


 どうかよろしくお願いいたします

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