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地球の賜物を、今日もいただきます

我々都市圏に住む人々の食を支えているのが、スーパーだとしたら。
我々の命を繋いでいるのが、スーパーだとしたら。
いや、というより、
我々の命を作ってくれるのは地方にいる生産者だけれど、それを販売し、消費者に1番近い距離にあるのがスーパーだったら。

導入が長くなりましたが、今回はスーパーの話を。
アルバイト3年目にして、ひしひしと思っていることです。


大学1年生の5月、結構希望を持ってスーパーアルバイトを始めました。
高校生の頃にその組織の人たちにお世話になったり本部の人に良くしてもらっていたりしたから、経営理念?目標?までをも知って、社会貢献活動とかも意識してる会社なんだな!ローカルなことも大切にしてくれてるんだ!わくわく!という気持ちで、奨学金もいただけるという素晴らしい環境の中、せっせと始めたの。
ちなみに未知の魚コーナーを担当。今は捌いてる。

まあ、わりとすぐ本部と現場の差を知った。1年目は、「えっ、こんな水出しっぱなしにするの」「ビニール手袋こんな変えるん??!」ともったいないマンになってはいたが、覚えることがいっぱいで余裕はなかった記憶が大半だけど
2.3年目からは会社のこと、物流の人のこと、管理する立場の人のこと、学生アルバイトのやるべき範囲、
なにより食に繋がることを考えながら働けているつもり。日々学び。


そこで、希望に満ち溢れていたからこそ、現場の現実を知り心が荒むわけですよ。周りが見れるようになると、わかる現実。現実は、現場で働いている人しかわからないのではないか。

「あなたはその届く食べ物の背景をどれだけ想像しているの??????」

あまりの現実に働きながら???がいっぱい。いったい何人の手にかかったかわからない食品を
最後に届けるのは
大半が現場の人なのです。
いくら生産者が想いを込めたって、いくら漁師が必死に取ったものだって。本部の人が販売戦略を考えたって。現場の人が、消費者に1番近い。

我々消費者に近ければ近いほど思いが遠くなってしまうこの作られたシステム
悪口大会にしたくないけど、本当にひどいときはひどい。

スーパーで働く社員は食の尊さをまるでわかっていなかった。びっくりするほどにね。
平気で物を捨て、仕事はパートに任せる。パートのおばちゃんはサービス残業が当たり前。なのに文句も言わず「今日やらないと腐っちゃうでしょ、だから売りたいの!」と。一方、社員は前日から作り置きし、腐らせる。そしてそれも捨てられる。店を埋めるためだけに使われる食材たち。そのために指示しパートを動かす。
プラスチックもゴミも毎日大量に出る。廃棄品をみるたびに心が痛む。あー、何のためにアルバイトやパートは働くんだ、廃棄を出したくって時間を割いて命をつなぐ食なんて作らない。
なにがSDGs?プラスチック戦略?
世に報告している活動は、現場にはまるで届いていない、なんでだって思うよ。
ただ言われたことをやるだけの現場の社員なんだもの。(全員が全員ではないと信じたい)
実際、お店を支えているのは
パートのおばあちゃんたちです。本当に。ただのパートじゃない。スーパーヒーローなのです。
彼女らがいなかったらお店はまわらん。絶対に。開店とともに店に並んでいるものは、毎朝のパートの準備のおかげ。
前におばちゃんが
「わっちらは社員の出世のためだけに働いてんのかね」
って言ってた。そんなことないよ、販売者として消費者に変わる最後の役割をもっている、とても素晴らしいお仕事なのだよ。
私は、おばちゃんほどばりばり魚捌けないし値付けの番号とかも覚えていないけど、おばちゃんたちのおかげでずっとバイトを続けられている。片道1時間半くらいかかるけど通っている。会うのが楽しみでもある。
給料だって明らかに社員より低い。
けど、どれだけものを大切にするか、
「もったいない」を意識しているか、
明らかにおばちゃんたちの方が、消費者のためを思って働いている。生産者の努力も、思っている。つい昨日のバイトでも、おばちゃんは「もったいない」と口にしていた。その心意気がほんっとに素敵。
仕事の立場じゃない
どれだけ、背景を想像できるか
で、繋がれるものがある。
都会に住んでたって、地方を思い浮かべれば、携帯ひとつですぐ会話ができる時代。

消費者とこんなに距離が近いけど食を粗末にする大手スーパー社員は、きっと背景を想像しない。この現状を知ったら、泣くよ。粗末にされるのが当たり前になって欲しくない、切実に。
作り手から遠くたって、ちょっと心の隅で、店に綺麗にパックされた商品を見て、たくさんの人の気持ちを想像したい。食育につながるね。
顔の見える○○は、私たちの心に少しでも生産者が近くなるようにするため。
生産者と消費者とが、近くなるのは私たちの「関心」なの。
どれだけ、考えることができるか。想像することができるか。
現場にいると、見失いがちな背景への考え。正直、現場で働く社員を見て、なりたいとはまっっっっったく思わない。反面教師ですね。
心の持ち方ひとつで、同じ仕事も「作業」じゃなくなる。
生き甲斐と同じように、仕事のやり甲斐は自分で生み出すのかもしれない。

まだバイトしかしてないからこんなことがいえるのかも。経験してないけど、今この時期に考えた学びを残していきたい。きっと何かのためになる。

食に関わり働く人のおかげで、地球の賜物を今日も私たちは手にできます。
直接全ての背景を知らなくても、粗末にしないで、丁寧にいただきますを言えるようになろう。
ちょっとだけ想像して命を頂こうって、パートのおばちゃんたちの働きっぷりを見て、今日も思う。

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