【邦画】「おくりびと」

2008年公開の、滝田洋二郎監督の「おくりびと」。YouTubeにて。

「死ぬまでに観たい邦画50選」に入ってるだけあって、シミジミと良い映画だった。

この映画、モッくんが自ら企画を持ち込み、主役も務めたんだなぁ。各賞を受けている。

親が死んだ時に、直接は見てないけど、多分、納棺師のような仕事をする人にお世話になってるから、映画を観ながら、いろいろと思い出して、涙が出て来たよ。

プロのチェロ奏者だった青年が、楽団が解散することになり、とりあえず田舎に帰って、職を探す。
求人案内を見て、得た職が納棺師だったという話だ。
最初は、奥さんをはじめ、友人らにも反対されるが、経験を重ねる中で、死者を送る納棺師の仕事に大きな意味を見出していくのだ。
最後は、幼少時に青年を捨てて出て行った父親を送る。

奥さんの役を演じたのはまだ若いヒロスエで、夫が真剣に優しく丁寧に仕事をするのを見てて、遺族にも感謝されることから理解を示していく。もちろんモッくんもピッタリハマっており、良い味出している。

途中、あまり上品とはいえない食事の場面があるが、食は生を表しているのか?

死んでから、火葬にされるまでの短い間だけど、遺族の意向も聞きつつ、死者に最大限の化粧などを施して、棺に収める。

燃やされて灰となるので意味はないかもしれないが、それこそ概念を重んじる宗教の世界で、生前のように整えて死路の旅に送るということで、遺族の心の安定に繋がるのであるから、決して無駄ではないはず。これは死者を弔う立派な文化なのだ。俺はそこにやっぱり無常感を感じた。

忌み嫌われやすい死を扱う仕事ではあるが、死者の歴史と人生をまとめあげて、次の世代に繋げるための重要な仕事であると思う。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。