ウッディ・アレン監督の、1979年のモノクロ作品「マンハッタン（Manhattan）」(アメリカ)。Amazonプライムにて。

監督お得意のキャラ、コンプレックスだらけのチビで貧相な中年男アイザック。
彼は脚本家だが、小説を書こうと悪戦苦闘している。
そして、結婚には失敗しているが、なんと17歳の女子高校生トレーシーと付き合ってる。
トレーシーの方が夢中で、アイザックは、これ以上深みにハマるのを恐れている。
前の奥さんとの間には子供がいるが、奥さんがレズビアンとなり別れた。
その彼女は、アイザックとの性生活を暴露する小説を書こうとして恐れている。
また、友人とその奥さん、もしくは友人の不倫相手と食事などしたりするが、友人の不倫相手とパーティで再会したことを機に、アイザックは彼女に恋をする。
アイザックと彼女は燃え上がるが、結局、彼女は友人の元に帰ってしまう。
トレーシーとの関係を精算したアイザックだが、再びトレーシーの元に行く。しかし、彼女はイギリスへの留学が決まっていた…。

なんとも複雑というか、カオスというか、欲望に素直というか、無茶苦茶な関係ばかりだけど、ニューヨーカーのセンシティブな生活を揶揄したコメディなのだろうか？

フツーに考えると、アレンのような冴えない中年男に、例え人間的魅力があったとしても、女子高生が夢中になる訳がない。2人で同棲しつつ、性生活も楽しんでいるし。常識や道徳を超えるアレン監督の願望か表現なのだろうか？

ウッディ・アレン監督演じるキャラは、とにかくよく喋る。セックスのことも全て包み隠さずにだ。なんでこんなに喋るのだろう。チビ・ハゲ・メガネ・貧相とコンプレックスの塊のようなキャラを逆に武器にしてるかように。コンプレックスを独特の話術で隠しているのだろうか？

失って初めて気付く…野郎の恋愛の失敗は、中年であっても、やっぱり一緒なんだねぇ。インテリと豪語する女よりも、実は、純粋無垢な少女が好きだったということに。変わらねぇ。

けっこう面白い作品であった。