「山下清作品集」

母様が若い頃、鹿児島で見かけたことがあると言ってた“裸の大将”こと山下清。

幼少時に患った、重い消化不良により、知的・言語障害となったが、ちぎった色紙による貼り絵で、たくさんの作品を残している。

テレビドラマの影響で、山下清(演者は芦屋雁之助)といえば、坊主頭に白のランニングシャツと半ズボンで、「ボクは…なんだな」という朴訥な話し方と、全国を放浪する画家というイメージがあるが、実際には、旅先では絵を描いておらず、放浪から帰宅した後、驚異的な記憶力によって、放浪先で見た風物を描いていたのだ。

知能は遅れてても、風景を驚異的な記憶力で眼に焼き付けて、後にそれを作品化する…まさに山下清の作品はアウトサイダー・アートなのだ。

とにかく風景をデッカく描いた作品が多い。人は隅に小さく動きもなくただ立ってるだけで。ビートたけし氏の絵も似てるね。

花火が好きだったから、躊躇なく、夜空に大きく開いた円を乱れることなく描いてて、スカッと気持ちが良い。

山下清が放浪したのは、徴兵を恐れて逃げ出したからだが(食べ物は恵んでもらいながら)、戦争を描いた作品もある。でも、そこには悲劇を感じさせるような重いものはなくて、模型のジオラマのようだ。

1971年、脳出血により49歳で死去している。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。