サメ映画

サメ映画を観る…。

アメリカの雑誌「IndieWire」が選ぶベスト・サメ映画のうち、いくつかの作品を観た。

もちろん1位は、スピルバーグ監督の「ジョーズ」だが、以前にも1950年代から、サメを材料にした映画は作られている。しかし、必ずしもパニック映画ではない。やはりサメ映画の原点は「ジョーズ」である。

「ジョーズ2(Jaws 2)」(1978年、ジャノー・シュワーク監督)
「ディープ・ブルー(Deep Blue)」(2003年、レニー・ハーリン監督)
「オープン・ウォーター(Open Water)」(2004年、クリス・ケンティス監督)
「シャークネード(Sharknado)」(2013年、アンソニー・C・フェランテ監督)
「ロスト・バケーション(The Shallows)」(2016年、ジャウム・コレット=セラ監督)
「MEG ザ・モンスター(The Meg)」(2018年、ジョン・タートルトーブ監督)
「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(The Suicide Squad)」(2021年、ジェームズ・ガン監督)
「海底47m(47 Meters Down)」(2017年、ヨハネス・ロバーツ監督)

「ジョーズ2」
マトモに観れるのはコレまでで、後はトンデモだという。前作と同様、ブロディ(ロイ・シャイダー)署長が活躍、良質のパニック映画となっていると思う。パニックに陥った女の子の叫びがスゴイ。「悪魔のいけにえ」みたい。サメが助けに来たヘリコプターにまで噛みついちゃう。

「ディープ・ブルー」
サメの脳細胞を使ってアルツハイマー病の研究をしていた科学者が、遺伝子操作でサメの脳を大きくしてしまい、頭の良くなったサメに復讐される話。徐々に、サメがエイリアンみたくなって(トンデモになっていく)、CGを使ったサメの襲撃と人間の攻防は楽しめる。

「オープン・ウォーター」
ツアーでダイビング中に、手違いから海に取り残された夫婦の恐怖を描くもの。実話だって。コレはモンスターと化したサメぢゃなくて、実際のサメを実際の生態通りに描いており、リアルでメッチャ怖かった。夫婦のお互いの励まし合いから絶望、諍い、感情のぶつかり合いまで、ちゃんと描いており、動くものに興味を示すサメがぶつかって負傷、まずは夫がそれをもとに事切れて、さらに独り残された妻はボンベ等全てを外して自ら海へ沈む(つまり自死)。せっかく夫婦が残ってることに気付いて、急いで救助船で向かっていたのに。

「シャークネード」
もうコレはトンデモのSF映画だな。コメディの要素もある。デッカいハリケーンによって、海中のサメが吸い上げられて、地上に降り注ぎ、人間を襲うという、ありえない設定。ここまでスゴいと感動を覚えるね。主演が、「ビバリーヒルズ高校生白書」のイアン・ジーリングで、あの時のキャラからあまり変わってねえじゃん。チェーンソーを持って自らサメの口の中に入っていくのには驚いた。それで先に食べられた女の子も救うし。カルト映画化されてるようで、続編もいっぱい作られている。

“ロンバケ”ならぬ「ロスト・バケーション」
コレは、近年では最もサメ映画らしい映画だ。医学生の女の子が訪れた秘密のビーチで、サーフィンをしてたらサメに襲われて脚を負傷し、岩場に取り残されて、満潮までサメと闘う話。医学生だから冷静に判断して、最後まで諦めずに格闘し、ボロボロになりながらもやっつける。ハラハラドキドキの緊張感が続いて飽きさせない。

「MEG ザ・モンスター」
古代の巨大サメ、メガロドンに襲われる話だけど、主演がハゲマッチョのジェイソン・ステイサム。コレも真面目なトンデモ系。アメリカと中国の合作で、ヒロインが中国人の美女の他、日本人(の設定)も出てくる。舞台が香港の海。あの寡黙でカッチョイイ、ステイサムが、ちと喋り過ぎぢゃないかい?中華資本のチープで上級のB級サメパニックって感じかな。

「ザ・スーサイド・スクワッド」
コレは…サメ映画ぢゃねえよ。アメリカン・コミックスの、凶悪犯を集めた特殊部隊のメンバーにサメ男がいるのだ。笑っちゃう着ぐるみだけど、敵を喰ったりするのだ。映画自体は、ユーモラスなハチャメチャ・アクションで面白かったけど。特殊部隊のリーダーはウィル・スミスだけど、マンガだね。

「海底47m」
メキシコの海に来た2人の女の子が、ゲージに入ってサメを見物するが、ケーブルが切れてしまい、2人はそのまま海底47メートルへ。サメの恐怖はもとより、酸素欠乏に潜水病の危機も加わる中、決死の脱出劇を繰り広げる。コレも、極限状態のハラハラドキドキで面白かったが、ちっと船上の野郎どもがノンビリし過ぎてないかい。底に沈んだ女の子たちも、そんなにギャーギャー騒ぐと、すぐに酸素がなくなるよー、と要らぬ心配をしてしまう。急に上がってくると、潜水病に罹って、幻想幻覚を見たり、死ぬこともあるんだな。減圧症や窒素酔い、肺破裂のリスクもあるって初めて知った。

敵は巨大人喰いサメで、取り残されたりしてサメと対峙・格闘、ハラハラドキドキの演出と意外な展開、続編が作られる、そして、必ず水着美女の登場…サメ映画の特徴かな。とにかく、サメをモンスター化させたり、トンデモのアイデア勝負となってると思う。

サメ映画は、ちゃんとエクスプロイテーション・ムービーの1ジャンルとなっている。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。