ジジイの呻き声
夜中に起こされちゃ、もうかなわん!事件になる!ということで、考慮の末、往診のドクターに電話して、睡眠導入剤を処方してもらうことにした。
ただ、もういっぱいいっぱいの薬を飲んでるため、体調を見ながらとなるが。
そういやコイツの病気は何だっけ?心不全だっけな、忘れた。
玄関の前でもう呻き声が聞こえて来る。施設のスタッフに聞くと、頻繁にスタッフを呼んで、俺が交通事故に遭ったからとか、弟が帰って来てるからとか言って、盛んに家に帰ると訴えてたらしい。
さっきは俺を呼んで、「玄関から誰かが来て、俺を蹴って行った。捕まえてくれ」だってさ。
認知症による不安から来る妄想だと思うが、まるで統合失調症じゃんか!
以前の妻のことを思い出したよ。警察沙汰まで起こした酷い幻覚・幻聴・妄想で、俺も同様にかなり疲弊した。ストレスからパニック障害になって長いこと安定剤を飲んでた。一緒にデイケアに通い、関連の講演・勉強会などにも顔を出して必死に支えたのだが、結局、抱えきれなくて離れて捨てた…。
俺はどうしてメンヘラはじめ、こういう特異な人間と縁があるのだろうか。引き寄せる何かがあるのか。
こうした醜い身内が近くにいると、自分自身の存在さえも疑ってしまう。「ババアめ!どうして、なんで俺を産んだのだよ!」なんて言いたくなる。
この世の中で不幸を一身に背負って、全てを諦めなきゃいけないという超バカな錯覚に陥ってしまいそうになる。挙げ句の果ての動けない無様な片麻痺のカラダ。コレが人生の結果だとしたら罰ゲームだね。
…ジジイの呻きがキリキリと頭に響く。こういう時は麻痺の右半身が異常に重い。リハビリしよっ。
脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。