「アウトサイダー・アート入門」

長ったらしいけど、読み応えのある新書を読んだ。

「アウトサイダー・アート」とは障害者(主に精神)や変人、犯罪者などが自己流に表現したアート作品のことで、ちゃんとした美術教育など受けておらず、止むに止まれず描いてしまった、建ててしまったというもの。

アール・ブリュットとも言われ、前にノイズ・ミュージック等で触れてきたが、イっちゃってる人たちだから、変な異質な作品ができるのは当たり前だと思ってたけど、著者が丁寧にその価値を中心にアート論を示してくれて俄然興味が出て来た。

郵便配達人シュバルの理想宮(コレは有名)から、サイモン・ロディアの迷惑なワッツ・タワー、トンデモない長さの長編物語と挿絵を書いたヘンリー・ダーガー(俺も大好き!)とか、日本では山下清まで紹介するが、表現することによって、名声を得たいとか、金が欲しいとか、評価を受けたいとか、そういう欲がこれっぽっちもないので、見る側のことなんて全く考えてない自由奔放な発想と表現方法にいたく感動する。

見る側が、規範に沿った視点を持つことを、アートとは本来こういうものなんだと反省させられる。

「何かやるべきだと思った。だからやった」。正常な基地外は大好きである。

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脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。