【古典邦画】「風立ちぬ」

1954(昭和29)年の、島耕二監督の作品「風立ちぬ」。YouTubeにて。前にも観たかなぁ。忘れちまった。

ジブリのアニメではなくて、原作は堀辰雄の名小説だが、映画用に脚色したとしても、肺病で死にゆく薄幸の女の子を中心に描いて、生の幸福と死の不幸を感傷的に対比させた点では同じだ。

肺病を患ったヒロイン節子は久我美子、学生の弘は石濱朗、画家である父は山村聰、父がプロポーズする弘の叔母が山根寿子。

弘「この松はどうです。艶があって光があって生き生きとしてるでしょう。山の上には風も吹くし、雪にだって埋めれらることがある。しかし、生きたいという信念だけで、こんなにイキイキとしてるのですよ」、
節子「でも、ロウソクの火は風には耐えられないわ…」。

“病は気から”ということで、節子は、弘の懸命な看病のおかげで一時は快方に向かうものの、いきなりの火山の噴火と目の前で不意に飛立った雉に激しいショックを受けて患った心臓が止まることに。「弘さん、お願い、接吻して…」とお願いしつつ。

ひゃー。でも、この時代にしては父親が不気味なほど理解があり過ぎるし、なんか余韻がないというか、サクサクと早い展開で、堀辰雄独特の叙情性が薄れて、単なるメロドラマと化してるように思えるのだが。


脳出血により右片麻痺の二級身体障害者となりました。なんでも書きます。よろしくお願いします。