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ローマ②[2024.2.15]

一日ぶりにベッドで寝られる喜びを噛み締めたにもかかわらず、昨夜はあまり寝られなかった。ローマに来てすっかり体が興奮しているようだ。乾燥で喉はカラカラだが、そのくせに洗った下着はまだ乾ききっていない。ドライヤーで乾かし、持ってきたカロリーメイトを食べ、身支度をした。今からテルミニ駅に向かう。ローマ中心部への入口は、テルミニである。

7時前にホテルを出た。外はまだ真っ暗で、空気は冷え込んでいる。道路を渡るとすぐにパルコ・レオナルド駅の入口がある。鉄格子の緑色の門だ。

向かいのプラットフォームに座っていると、ぽつぽつと人が増えてきた。やがて電車がやってきた。

2人席に座り、ぼーっと外の風景を眺める。東の方からかすかにあかい光が見えている。線路の両側は葉を枯らした背の低い木が生い茂っていて、ローマ中心部へ路線を切り開いたことを伺わせる。前の4人席に目を向けると、親子とみられる女性2人が向かい合って座っている。お母さんは髪の毛先をいじり、娘はノートを見ている。小テストでもあるのだろうか。

トラステヴェレ駅で乗り換え。すでに外は明るくなっている。電車を降りるも、次はどのプラットフォームに行けばよいのかわからない。とりあえず階段を降りてみた。すると、狭い通路に電光掲示板が付いていて、1番乗り場に行けばよいことがわかった。

電車は出発間際だった。7時14分発と15分発があるようだが、どちらに乗ればよいのかわからない。とりあえず乗り込んで、近くにいた人に確認すると、テルミニ駅まで行くという。安心して壁にもたれかかった。

7時36分頃、テルミニ駅に到着。まずはスーツケースを駅構内に預けよう。ヨーロッパの多くの国では、テロ対策のためコインロッカーは設置していないようだ。代わりに、荷物を預かってくれる店がある。

改札で駅員(というよりもアルバイトのような服装だった)に確認すると、降りてきた階段を登って左に(右だったかも)曲がると案内が見えるとのこと。もう一度階段を登り、行き先表示にしたがって進むとKIipointという店にたどり着いた。

店員のおじさんが何時に戻ってくるのかと聞いてくる。16時ぐらいと答えると、じゃあ12ユーロだというので、お金を支払った。どうも適当に価格を決められた感じも否めないが、預かってくれるのでそれ以上にありがたいことはない。

ポーチだけで身軽になったので、どこかに行ってみよう。今日の予定はまだ決めていない。ネットで調べると、コロッセオまで歩いて行く方法が載っている。これに従って進むことにした。外はまだ肌寒く、ダウンコートとマフラーで丁度よい。

街を歩いて気づいたのは、とにかくタバコ臭いということ。老若男女問わずタバコを吸っている。街全体にタバコの香りが充満している。そして、石畳の道路にはゴミが多く落ちている。人々は信号が赤でも平気で渡る。信号を守るという概念はあまりないようだ。

サンタ・マリア・マジョーレ教会が見えてきた。手前は広場になっている。なんとも異国情緒を感じさせる。感心していたが、こちらは建物の裏側。

表はこんな感じ。

入場無料なので、中に入ってみた。内部は天井が高く、飾りで覆われている。入口上部のステンドグラスからは光が差し込んでおり、壁はフレスコ画で敷き詰められている。

ぐるっと内部を一周して、外に出た。建物の裏側の広場を再び通過し、横断歩道を左に曲がった。

ローマの街並みの様子。建物の高さに驚く。どの建物も平気で5、6階建てで、そのせいか通りが細く見える。路肩は車で埋め尽くされている。おそらく、本来は停めてはいけないのだろう。

途中で、良い感じの店を発見。クロワッサンとコーヒーで2ユーロ。悪くないので入ってみた。クロワッサンをくださいというと、チョコレートか、フルーツか選べという。フルーツをお願いした。

フルーツと言うか、ジャムだ。ブルーベリージャムが入っている。驚いたことにコーヒーカップはとても小さく、しかもほとんどコーヒーは入っていない。だが、飲んでみるととても濃い。僕は濃いコーヒーよりもむしろカフェオレのほうが好きだが、ここまで濃いと逆に好きになれる。

コーヒーを飲み干して、外に出た。たとえ量は少なくても、店に入ることで心が落ち着くというのは旅行ではよくあることだ。

しばらく歩くと、左手にコロッセオが見えてきた。道を左に曲がり、やや登り坂の道を真っすぐ進む。

世界史の資料集で見るより、ずっとかっこいい色だ。白でもなく、クリーム色でもなく、その間の色をしている。大理石を使って作られているから、なかなか日本の建物にはない色なのかもしれない。質感もたまらない。規則正しくごつごつした感じと、積年の汚れがいっそうかっこよくしている。

チケットを買った。コロッセオ・パラティーノの丘・フォロ・ロマーノの3点セットで22ユーロ。

コロッセオは入場時間が決められている。自分のチケットには10時5分と書いている。30分ほど時間があるので、近くの聖堂に入ってみた。

イコンが飾られている。モザイク壁画というやつだ。しばらく眺めていると、アヴェ・マリアが流れてきた。聖母子像の前で聞くと、さすがにうっとりしてしまう。

いい頃合いなので、再びコロッセオ前まで戻った。1階はよくわからないが、2階は博物館のようになっており、とても興味深い。続きは次のノートで。

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