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ローマ④[2024.2.15]

ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世記念堂の前で写真を撮った。ぼちぼちホテルに向かおう。来た道を引き換えし、30分ほどかけてテルミニ駅まで戻った。

どの電車に乗ればよいかよく分からなかったので係員に尋ねると、メトロのA線に乗り、サン・ジョバンニ駅でC線に乗り換えだと教えてくれた。礼を言ってメトロの方に向かった。

メトロの入口を発見し、階段を降りていった。地下鉄の駅校舎内は薄暗くて汚い。決して気持ちの良い空間ではない。

みんな駆け足で階段を降りていく。電車の発車が近いのだろうか。エスカレーターを降りると、ちょうど電車が発車した。あとから来た人たちは、悔しそうなリアクション。イタリア人らしさが垣間見えるところだ。

次の電車に乗り込んだ。車内は満員だ。近くの人から好奇の目線を感じる。不快感を感じながらも、無視を決め込んだ。

サン・ジョバンニ駅でC線に乗換えた。こちらはA線ほど混んでいない。ドアの上方に路線図が載っている。確認すると、ホテルのあるトッレ・アンジェラ駅までだいぶんある。ローマ中心部から少し離れたホテルを予約してしまったようだ。

少し不安な気持ちに包まれながら、トッレ・アンジェラ駅に到着。こじんまりとした駅だ。最低限の設備しか備えていない。駅を出ると、かすかにオレンジがかった空と住宅街が目に入ってきた。ローマの喧騒とは対象的に、静けさが漂っている。もう少しで日が沈みそうだ。

ホテルに着くためには、どうやら少し気味の悪い細い道を通らなければならないようだ。男の人が立ち小便をしている。無事にホテルに着けるか不安になった。壁の落書きをほんやりと眺めている人もおり、それも不可解でいっそう不安にさせる。

逃げるように細い道を出て坂を登ると、小高いところに出た。ホテルの看板が見える。これで一安心だ。

少し回り道をしたものの、ホテルのフロントでチェックインをすませることができた。フロントのお姉さんはとても親切だった。部屋に入ると、僕はベッドにドサりと座り込んだ。とんでもないところに来たと思った。ローマは刺激が強すぎる。去年訪れた韓国や台湾とは、全く違う。世界中の観光客であふれかえる街の賑わいといい、歩行者に一切配慮しない車といい、充満するタバコの煙といい、見るものに畏怖の念をもたらす古代遺跡といい…。とにかくローマという街に圧倒されてしまった。早くローマを出たいとさえ思った。

昼とはうってかわり、疲れで食欲が湧いてこない。でも、何か食べておかなければ。比較的規則正しい人間なので、食事を抜くということはポリシーに反している。

近くにピザ屋があることがわかったので、赴いた。
ドアを開けるとカウンターがあったので座った。ビアンカをお願いした。

カウンターの奥の方では、中国人らしき男性が2人座って話している。だが、しばらく耳を傾けていると、日本語だとわかった。日本の方ですか?と聞くと、そうだという。安堵感に包まれる。ローマに来て不安になっているところで、日本人に遭遇できたのは非常にありがたい。

どうやら親子のようだ。若いの方は自分と同じく学生だろう。仙台から来たという。旅行会社のツアーで来ていて、自分と同じホテルに泊まっているとのこと。他にも日本人客はそのホテルに泊まっているらしい。安心して、俄然、食欲が湧いてきた。このピザ屋に来て本当に良かった。

ビアンカ。言葉の通り、真っ白のピザが来た。その親子2人からは、盗みに気をつけるのと、水は必ず買って飲むように言われた。実際、旅行中にツアーのメンバーが盗まれかけたらしい。

ピザを食べ終え、親子とホテルに戻った。明日はゆっくりスタートしよう。

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