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ひろゆきと考える竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?

日本のみなさん、そして竹中平蔵さんが嫌いなみなさんこんにちは!

成田悠輔さんにあこがれる偏差値48の凡人です。

今回は、「日本政治界の黒幕竹中平蔵さん」とその竹中平蔵さんの悪を暴いて「今後の政界を牛耳ろうと目論むひろゆきさん」との対談本
「ひろゆきと考える竹中平蔵はなぜ嫌われるのか?」の本書について記事を書いていきたいと思います。

対談本形式で、竹中さんのコメント、ひろゆきさんのコメントに分けて要約してきます。

1.日本経済を牛耳った男?

[竹中] 私はよく新自由主義者とかアメリカ原理主義者とか呼ばれます。
ですが、私が提唱していることというのは、「エコノミクス101」と呼ばれる、経済学の本当に基本的な部分なんです。
経済全体を良くするということと、経済に関わる全員が良くなることは違います。
経済全体を良くするのは<成長>であり、全員を良くするために一つの工夫が<分配>なのです。

[ひろゆき] 多くの企業が利益を上げたら全体として経済成長しますよね、っていうのは、正しいと思うんですよ。
ただそのように成長した後に、欠点・短所として、派遣労働のような形で、給料が安い人やちょっとしたことで即クビを切られる人が残ったじゃないですか。それについてはセーフティネットとして社会保障でやるべきだったのではないですか?

[竹中] 日本では、1979年の東京高裁の判例によって正規雇用がものすごく強く守られているからで、「これでは人を雇えない」という理由で結果的に企業は非正規雇用を増やしていったわけです。
ただ選択肢は増やせたけれど、その間の制度的な不公平が残っている。
ですが、派遣労働など新しい働き方を認めたことが悪い、というのとは全く別です。
貧困層の現状は、別の政策で対応しなくちゃいけない問題だと考えています。
そういった対応策として、私は何年も前からベーシックインカム的な考え方で、特定の業界や地方にではなく、個人に直接給付される分配政策がいいだろうと主張しています。

金持ちになった経済学者は2人しかいない

[ひろゆき] ベーシックインカムはじめ竹中先生は今でも様々な提言をしていますけど、これまでの実績で言うと「経済を豊かにするために非正規雇用を認めました。同時に社会保障も充実させるべきです」の後者の主張は捨てられて実現しなかったじゃないですか?
ベーシックインカムとかの政策についても、「竹中平蔵がベーシックインカムを良いといった。ということは本当に大切な社会保障がまた疎かになる」って国民が思うのは当然ですよね。

[竹中] それは政権の信頼感の問題ですよね。
私は今政権の中にいませんからー

[ひろゆき] えーと、僕は今「政権の信頼感」の話ではなく、「竹中平蔵さんの信頼感」の話をしています。(笑)
僕金儲けしてない経済学者信用してないですから。(笑)

[竹中] 参考までにお伝えすると、歴史的に経済学者でお金儲けた人は2人しかいないって言われてるんですよ。

[竹中] ケインズとー

[ひろゆき] 竹中平蔵。/(同時に)[竹中] リカード。

[ひろゆき] 竹中先生はパソナという会社の株主で、パソナが利益を上げているわけですよ。
要は竹中さんは派遣のシステムというのを、小泉政権時代につくりました。
それってー

[竹中] つくってない!!!
派遣のシステムをつくったのは小泉政権じゃないですから。
それはちゃんと認識して発言してください。
派遣のシステムというのは、80年代からずっとあって、90年代に橋本行革(橋本龍太郎首相の行政改革会議)で一気に伸びて、それを小泉政権が引き継ぎ、さらにそのあと福田内閣も引き継いでいる。

2.嫌われて何が悪い


[竹中] 日本は1960年代に高度成長しました。
なぜ高度成長できるのかということを説いたのは、下村治さんという人なんです。
設備投資すると新しい工場ができるわけだから、翌年にはそれが生産力になると。生産すると、それによって価値が増えて、またその分、設備投資が増えるだろうー
つまり投資が投資をん呼んで高度成長できるという理論を下村さんは打ち立てたわけです。

[ひろゆき] 今の日本も増税なんかしないで設備投資に向ければいいのに、なんで増税してるんですか?

[竹中] 設備投資や成長だけが目的だったらそれでいいわけですが、社会保障や年金が必要ですよね。

[ひろゆき] 設備投資を10年やった場合と10年ほとんどやらなかった場合、10年後の税収金額と経済力はこれぐらいですよって数字で出るじゃないですか?
それを比較したら簡単にわかる気がするんですけど。

[竹中] 経済というのは、朝に連立方程式みたいなもので、ここを改善すれば良いというのがわかっていても、同時に副作用のようなものが出てきてしまうんです。
全体としてどのようになるのかを、その時々にきちんと議論をする必要があるんですね。

大衆から嫌われる理由

[ひろゆき] 学者だけではなく、竹中さんが大衆からも嫌われている原因があるとしたら、それはどういうところにあると分析していますか?

[竹中] 土建会社や農業の既得権益をもっている人たちには、私は徹底的に嫌われています。
「このくそ野郎」と思っている人は大勢いますよ。
僕でもね、他の人にどう思われても関係ないと思っているんです。
別に人によく思われようと思って生きているわけじゃないですから。
残された人生そんなに長くないなと思ってて、それなのに人の目を気にして生きるなんてバカバカしい。
自分が正しいと思っていることを言って、それで嫌っている人がたくさんいるっていうのもわかるけど、その分評価してくれている人もいる。
それでいいじゃない、って。

[ひろゆき] よくわかります。
どんなコミュニティにも人が集まれば、一定数には絶対に嫌われますよね。

[竹中] 小泉総理が大臣の家族を呼んで昼食会をやってくれたときに、ある大臣の奥さんが総理に「自分が最高権力者になったと思うのはどういう瞬間ですか?」と聞いたんです。
小泉総理は「そうだな、何をやっても何を言っても批判されるときかな」って答えたそうです。
何を言っても批判される。
それなら1000人中10人にいいと思われたら、それでいい。
ひろゆきさんもポリティカリー・インコレクトな発言が多いと思いますが。(笑)

[ひろゆき] 竹中さんはダメージを受けた時の対処法を言っていましたけど、僕はそもそもダメージを受けない方法で生きてるんですね。

[竹中] どういう?

[ひろゆき] 犬がわめいてもショック受けないじゃないですか?
例えば小学生に「バーカ!」とか「不細工!」とか言われても「うん、そうだよ、お兄ちゃん馬鹿だし不細工だよ」で終わりじゃないですか。
そこでダメージ、いちいち受ける必要ないと思うんですね。

[竹中] ひろゆきさんは向かい風を避けて、風に当たらないように自由に発言しているかもしれないけど、ここまで有名人になったんだから、向かい風に立ち向かうのはどうですか?

[ひろゆき] 本気で世の中をよくしようとしていたのに、結果として手に入ったのは自己満足だけって形になってしまったように思えるんですが、それでもやってよかったと今でも思います?

[竹中] やってよかったと心から思います。
自分が満足しない人生なんて最悪じゃないですか。人に褒められるけど自分が満足していない人生と、人に褒められないけど自分が満足している人生。当然、後者ですよ。
自分がやったことは正しいと思うし、間違っていないと思う。
評価しない人が多数いるけれども、全力でやったつもりだから、これはこれでいいんじゃないですかね。

3.ベーシックインカムという希望

改革のセンターピン

[竹中] 世の中に、変えなきゃいけないことってたくさんあるわけですよね。
大切なのは、最初に何をやるべきかということ。
これはボウリングのセンターピンみたいな話です。
センターピンが倒れない限り、他のものは倒れない。
センターピンが倒れると波及効果があるわけです。
こういうのを「戦略的アジェンダ」と呼びます。
何をセンターピンとして位置付けるかが戦略的アジェンダで、まさにリーダーの一番センスが問われるところなんです。

[ひろゆき] なるほど。

[竹中] ひろゆきさんがもしリーダーだったら戦略的アジェンダはなんですか?

[ひろゆき] 僕はベーシックインカムに賛成派なので、国民に月7万円ずつ配るっていう。
とりあえず絶対的貧困層はなくすということ。

[竹中] ベーシックインカムみたいなことができれば、すごくいいなと私も思います。
ですが、国民すべてに配るとなると80兆円の予算が必要になります。
そうするとたぶん、消費税を35%くらいにしなきゃいけなくなるんですよね。
私はまずベーシックインカムの原則を明確にすべきだと思うんです。
所得の低い人にはマイナス税率で一定のお金がいくようにしましょうと。
加えて「医療体制の困窮者には十分な措置を講じる」というのも必要な原則かと思います。

[ひろゆき] 素人ながらベーシックインカムの案について昔考えてみたことがあって、ネットの人たちとわちゃわちゃ言い合いながら考えたやつなんですけど。

ひろゆきのベーシックインカム案(2017年作成)

[竹中] すごいね。

[ひろゆき] 93兆円をどうやって集めるかっていう。
まず、生活保護自体はいらなくなりますよ、と。
なぜなら、みんな月7万円もらえるようになるから。
他にも相続税を増やしますとか、固定資産税をめっちゃ高くしますとか、雇用規制をなくすことで法人税が増えるっていうのとかは、ちょっと未知数ではあるんですが。
いまの日本って、都内の狭いところにみんな住みたがるじゃないですか。
でも家を買ったら生活コストが安くなりますよってことになれば、もうちょっと地方や郊外で暮らす人の割合が増えるんじゃないかなと思っていて。

[竹中] 僕は、日本の税制の最大の問題は所得税だと実は思うんです。
中間所得層に対して、日本の所得税はいま、ものすごく低いんですよ。
高額所得者に対しては、地方税も含めると高いです。
日本の、住民税も加算した所得税の最高税率は55%で、世界でもトップクラスです。
月額7万円払うから、中間所得層の人が所得税を払ってねていうのが、母数が大きいですし、税収に最も影響するんですよ。


少子化対策という副次効果

[ひろゆき] ベーシックインカムにすると、20代の男女のカップルが同棲すると、月14万円入るようになります。
18歳未満は3割なので、子供が生まれたら約2万円はいります、と。
そうすると、毎月16万円~17万円ぐらいで3人暮らすってなりますが、20代の人であれば全然問題なく生活できるレベルだと思うんすよね。
しかも男女が一緒に住んだら、子供が生まれる確率、高いじゃないですか。

[竹中] ひろゆきさんのベーシックインカムのアイデア面白いですね。
そういう案や試算を野党がもっと出せばいいんですけどね。
ひろゆきさんと一緒に声を張り上げていったら、少しは社会を動かすチャンスがあるかもしれません。

官僚主導の問題点

[竹中] ワシントンの場合は、政権が変わったら、官僚のトップ約3000人が入れ替わるわけです。

[ひろゆき] 日本の場合って、官僚は一度就職したらずっと同じ省庁に勤めて、政権がどう変わろうとずっと同じ省庁で情報を持ち続ける。

[竹中] 官僚が終身雇用・年功序列だから、国民のために本当にやるべき政策よりも、官僚組織の為に何をやったらいいか、自分の先輩が天下りするための仕組みをどう作ったらいいかを考えてしまうわけです。
でも官僚がころころ入れ替わったらそんなことは考えませんよね。

[竹中] 加えてこの国の司法の問題として、裁判所が判決を出したがらないことがあります。
判決が出ないから、判例が少ない。
そのため一度判例が出てしまうと、それがものすごく強い効果をもってしまう。
労働市場でも、業績が悪くなってもレイオフ(解雇)できないのは、1979年の東京高裁の判例が今でもものすごい影響力を持っているからなんですね。

[ひろゆき] 司法にもいろいろ問題がありますね。
特にデジタルの世界においてめちゃくちゃな判断になってしまう。
例えば、いまみんなGoogleの検索エンジンを使ってますけど、もともと日本にはNTTがつくったgooみたいな日本発の検索エンジンがあったんですよ。
でも著作権上の問題があって日本の検索エンジンは使えないけど、アメリカのGoogleやYahoo!がつくったエンジンを使うんだったら合法、って形で日本の検索エンジン産業を潰しちゃったんすよ。
こういう風に司法が経済の目をつぶすっていうのもよくある。

4.日本人の給料を上げる方法

なぜ日本は低賃金から抜け出せないのか

[竹中] 過去30年くらいの間に、日本は5%しか実質賃金が上がっていなくて、その期間にアメリカは40%以上も上がっているというのが2021年11月の「新しい資本主義実現会議」でもデータが出ています。

[竹中] 労働生産性に合わせて賃金が支払わえるはずなので、やっぱり給料が上がらないのは生産性が上がっていないのが最大の要因だと私は思います。
日本でトップ企業は、いまだに昭和の初期にできたような会社です。
対してGAFAっていうのはほとんどが1990年代以降にできた新しい会社。
つまりアメリカでは新陳代謝が起きているわけです。
規制緩和ができていないから日本にはGAFAやUberのような世界的企業がないし、それに匹敵するような新しいものが育ってこない。
成長戦略が必要です。
成長戦略に必要なのは、規制緩和と減税ですよ。それが基本です。

霞が関を「同一賃金同一労働」特区に

[竹中] 公務員ていうのは、ストができないわけです。
そういう権利が制限されているからという理由で、降格処分ができない。
降格処分ができないから、だれか優秀な人を外部からあるポストに連れてこようとしても、今いる官僚を降格させることができない。
結局それで、既得権益の牙城になる。
今まで兼業とか副業がダメだったでしょ?あれ、どうして誰も訴えなかったと思うんです。

[ひろゆき] ドイツとかフランスだと、勤務時間以外に連絡されない権利っていうのが最近でき始めたようです。

[竹中] 日本の場合は、企業が労働者を守ってきたんですね。
企業の中に、社会保障がすごくあるわけです。
長期の雇用を保障し、社宅まで用意し、年金も企業が用意する。
しかしいま、これまで社会保障をやってきた企業が崩れてきているので、それを政府がやらなければいけない。
そのための抜本的な社会保障改革に、まだ全く手がついていないってことなんだと思いますね。

ロマンチスト、竹中平蔵

[ひろゆき] 竹中さんってすごい論理的な人なのにロマンチストじゃないですか?(笑)
僕は竹中さんと同じようなことを考えた結果、政治に関しては諦めるっていう結論に至ったんですよ。

[竹中] でもね、ひろゆきさんが何もやらないと、社会はもっと悪くなりますよ。
だから、「良くするのも難しいけれど、せめてこれ以上は悪くなるのは止めたい」という思いをひろゆきさんには持ってもらいたい。
ひろゆきさんみたいに、いろんなことがわかっていて弁が立つ人が必要なんですよ。

[ひろゆき] みんなに嫌われても誰に理解されなくても「自己満足でいきてるんだからいい」って言ってたじゃないですか。
どういう状態になったら、竹中さんの自己満足は達成されるんですか?

[竹中] やっぱり日本が「自由が貫徹される国」になったときだと思います。

[ひろゆき] アメリカで洗脳されて新自由主義者になったんではないんですね(笑)。

[竹中] それは違いますね。アメリカに行って、日本の良さと日本の問題点の両方がすごく見えたような気がします。

ひろゆき出馬する!?


[竹中] どうです、ひろゆきさん。
次の参議院議員選挙に出ませんか?

[ひろゆき] いやいやいやいや(笑)。
僕一人が国会議員になったとしても、日本は全く変わらないじゃないですか。

[竹中] いや、ひろゆきさん。国会議員一人でもすごいパワーを持つんですよ。
やはり「国会は、国権の最高機関」っていう憲法の一言がすごく効いて力を持ってるんですね。
ひろゆきさんが国会議員となって日本のかじ取りに本気で取り組んでほしいと思ったのです。
彼の国民的人気からすれば、選挙で当選することは難しくないでしょう。
だからこの本の中でも、本気で「選挙に立候補して政治家になったらどうですか」と訴えたし、今もそう望んでいます。

ネット上でクールなコメントをするひろゆきさんも魅力的ですが、国会の本会議場で熱っぽく政策を提唱するひろゆきさんも、なかなかイケてるのではないでしょうか。

まとめ

はじめは、竹中平蔵が新自由主義国を立国して、自分の利益に貢献させるための政策を打ち出したと、長い歳月をかけ安定的にパソナの株でキャピタルゲインを生み出しているというひろゆきさんの訴えから
一転、ひろゆきさんが竹中平蔵さんのロマンに惚れ込み、お互いの出馬を確信しあう対談話でした。

とても、面白い話が聞けたと思います。

こんなロマンあふれるリーダーたちが先頭に立ち引っ張って行ってくれる日本の姿を願っています。

終わり



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