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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#戦略

デンマークの強さの裏側を探る

最近よくフィールドワークで訪れている国デンマーク。 2022年11月、2023年6月、2024年1月と3回訪れました。 デンマーク🇩🇰フィールドワークの学びを文章にまとめておきたいと思います。 デンマークはどんな国?・16時にみんな帰宅する ・幸福度が高い ・産業競争力ランキングでも1位 など、すごい国だと日本でも紹介されることが増えてきています。 最近、こちらの書籍「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」が話題になっていますね。 デンマークの何がすご

良いKGI・KPI・KSF設計をするために工夫していること

KGI(ビジネスゴール)・KPI(指標)・KSF(重要成功要因)を決めることは、ビジネスの基本であり、最も実力が試される仕事だと感じています。 とくに、KSF(重要成功要因)とKPI(指標)は毎月のレポートで報告され、みんなが見て、議論して、解釈して、行動を決めます。 戦略を考えること =KSF(重要成功要因)とKPI(指標)を決めること と捉えても良いと思っています。 KGI・KPI・KSF設計のよくある課題 ・フレームワークを活用して戦略議論はたくさんしている ・

良い戦略をつくるために、トレードオフ解消視点をもつ

トレードオフを解消すること、そのために捨てることを決めることは、良い戦略をつくるための鍵だと言われます。 さて、この言葉はよく聞きますが、どういうことなのか、どうやって仕事に活かすのかが捉えにくいと考えてます。 かなり重要な概念だと思っており、考え方を整理してみました。 ぜひ、ご自身の事業で戦略を考える上で、トレードオフ解消を持ち込み良い戦略をつくるヒントにして頂けたら嬉しいです。 トレードオフとは?トレードオフのイメージを図解します。 世の中の活動の大半には、何か

Ankerから学ぶ、マーケティング戦略における選択と集中とは何かについて

Ankerの成功要因を読み解くと、よく使われる「選択と集中」とは何かを理解することができます。 それにしても、Ankerの成長率凄まじい… Ankerは何に選択と集中して急成長を遂げてきているのでしょうか。 日々のマーケティングの仕事に活かしやすいよう整理していきます。 Ankerが選択と集中をしたこと・初期フェーズはAmazonのチャネルに集中 ・Amazonのレビュー評価をKPIにおく ・モバイルバッテリーの機能と顧客が求める中での最高の体験を実現することに集中

コンセプトで勝負は決まる

コンセプトが重要だと言われることは多いですが、仕事の中でコンセプトに立ち戻って考える機会少なくないでしょうか? 最近、コンセプトレベルで勝負が決まっているなと感じることが多く、改めてコンセプトを考えるとは何をすることなのかを整理していきます。 まずは身近な事例からコンセプト設計と事業成長の関係性を整理していきます。 HERPはコンセプトを「スクラム採用」に変更して成長採用支援SaaSのHERPは、コンセプト変更がきっかけとなり成長を遂げた事例として有名です。 名刺とい

強いブランドの裏側にある非合理性を考える

優れたビジネスモデルや戦略のトレースをして、共通項を考えていくと、非合理性の大切さに気づきます。 非合理な打ち手は、ストーリーとしての競争戦略の中でも、良い戦略ストーリーに共通する要素としてが触れられています。 戦略ストーリーを考える上で、一番最初にくるものがクリティカル・コア=一見非合理な打ち手となっています。 こちらの記事がわかりやすいので、ぜひ読んでみてください。 非合理な打ち手が重要だと概念だけだとわかりにくいので、直近でマーケティングトレースした事例をご紹介

戦略を描く人に必要な、批評するスキルとフィードバックループの考え方について

これは最近感じていることで、自分も気をつけようと思っていることです。 自分がそれなりに立場(役職)がある中で戦略を描く時、戦略を描くサポートをする時、どちらでも気をつけたいと思っています。 戦略の良し悪しは判断基準が曖昧になりやすいです。 なので、立場が上の人の意見に引っ張られやすい。 戦略は何のために?戦略は何のために描くのか?を考えると、当たり前ですが下記のような目的があります。 顧客に価値を届けて、良い体験を提供して、組織のビジョンを達成して、持続的に収益が得ら

ファミリービジネスから学ぶ、継承と変革のバランス感覚について

戦略を考える上で、今までやってきたことを継続すること、新しく取り組むこと、この2つのバランスを取ることがとても重要です。 継承すること、変革すること、このバランスが取れたときに、ブランドは力を発揮するのだと思っています。 自分は、家族経営をされているクライアントと仕事をする機会が多く、ファミリービジネスから学ぶブランドづくりの視点について書いていきます。 ファミリービジネスについては、星野社長の「星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書」が、同族経営の強さ(だけでなく

市場シェアを意識すること、そして1位を獲得することの意味

今日は市場シェアとの向き合い方について書いていきます。 マーケティングの仕事をしていても、売上、利益、CPA、CVなどの数字を追っていても、市場シェアを意識できていないケースが多いのではと思っています。 市場シェアを意識しなくても、目の前の仕事はできます。 しかし、市場シェアの理解、獲得に関する考え方が甘いと、数年後には痛い目にあっている…ということがあります。 必ず理解しておきたい項目を整理してみたので、ぜひ戦略を考える参考にしてみてください。 市場シェア率によって

マーケターが身につけたい市場指標と組織指標をつなげて考える力

本日は、マーケターが身につけたい市場指標と組織指標をつなげて考える力について書いていきます。 市場指標とは何か?市場指標とは市場規模=市場の大きさのことを指しています。 マーケターは「マーケット=市場を動かす人」です(そのまま) なので、市場について数字で理解できている必要があります。 マーケターが整理したい視点×4 1. 対象市場はどこで 2. どれくらいの大きさなのか を把握する。 3. どのようにシェアを獲得するか 4. どのような順番で攻めていくか を考えるこ

競合を見て終わっていないか?「分析して違いをつくる」ための方法まとめ

競合は誰もが見ている。 しかし、ちゃんと分析している人は少ないのではないか? こちらのツイートをたまたま見かけて、大きく共感をしました。 仕事をしている中で、「他社がどうしているか知りたいですね…」という会話が繰り広げられ、競合分析ではなく他社を参照して「とりあえずアクションを起こす」状態になっていることは多いのではないでしょうか? 競合を"分析"して有効な動きに繋げられているか?こちらのツイートは競合分析に関して、よく見かける課題です。 なぜ、とりあえず真似してしま

成功の因果関係を考える・伝える力

本日は、マーケティング思考をもって考える、伝える力をテーマに書いていきます。 とくに伝える力について。 伝える力や作法は曖昧になっているのでは?ユーザー調査、フレームワーク分析、データ分析など、調査や分析はもちろん大切で方法論がたくさん出ています。 しかし、その分析結果を「どのように伝えるのか?」は、感覚的に行われていることが多いと感じています。 例えば、この3つを意識するだけでも変わります。 Googleデータポータル、Tableauのようなダッシュボードツールを

業界の非効率を解決する視点をもつこと-エムスリー、モノタロウからの学び-

時価総額1兆円を超え、成長性が高い企業の共通項は、業界の非効率を解消する発想を取り入れているところが多いと考えています。 本日は、時価総額1兆円を超える企業の中でも、圧倒的な成長を遂げている企業2社に共通することを読み解き、戦略を考える際に大切にしたい視点を整理していきます。 医師とMRにとってのMust haveをつくったエムスリーエムスリーは知る人ぞ知る、超優良企業です。 エムスリーの凄さを要約すると下記の通りです。 エムスリーは、医師とMRの間にある圧倒的に非効

戦略は"短期間"で考えること

戦略は数ヶ月もかけて綺麗に整えることは、実は非効率だよな…と思い、プロセスを考え直したいと思い読んでいた本で、2022年のTOP3に入るのが「戦略質問-短期間だからこそ優れた打ち手がひらめく」です。 戦略立案フローは 「調査→分析→企画→取りまとめ→社内調整→ドキュメンテーション」 を数ヶ月かけて行うのが一般的です。 戦略を考える基本プロセスを理解しておくことは大事ですが、教科書通りに戦略を描いても、使えないものができあがってしまう…と悩まれている方は多いのではないでしょ