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黒澤友貴の日報

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マーケティングの仕事をしたり、NPOの仕事をしたり、北欧に視察へ行ったり…領域を越境しながら生きている中での学び・発見を書いたことのまとめマガジン
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#COMEMO

100人全員がマーケティング思考を持っている組織は強い

この2つの組織はどちらがマーケティングの成果が出やすいだろうか? 自分の考えです。 成果を出しやすいのは、 2. 100人全員がマーケティング思考を持っている組織 だと考えています。 10年以上マーケティングの世界に関わってきていて、一番成果が出た組織はこのような特徴がありました。 ちなみに、その組織にマーケティング部はありませんでした。 マーケティングという言葉を使わなくても、全員がマーケティング思考をもっている。 全員が顧客の課題を解決することに当事者意識をも

デンマークから学ぶ、大きな変化をつくるためのボトムアップとトップダウンの両立について

デンマークは「対話が重視され、ボトムアップの考え方が浸透している」とよく耳にします。 一度は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか? 社会の仕組みづくりも市民参加型でつくっていくスタイルが有名で、投票率の圧倒的な高さは、そのスタイルを象徴する結果だと話題に上がります。 一方で、デンマークのことを調べている中で不思議に感じたことがあります。 デンマークはトップダウンも強くないか?大きな方針はトップダウンでバサッと決めているのです。 面白かったのが、政府の電子化(

MAYA原則を意識してヒット作品を読み解くこと

MAYA原則「Most Advanced Yet Acceptable」 MAYA原則とは「インダストリアル・デザインの父」と呼ばれるレイモンド・ローウィーが、「Most Advanced Yet Acceptable」と表現をした言葉です。 最近、自分の中で仕事の中でいつも意識している言葉になっています。 1. 先進的だけど受け入れられるものを企画すること 2. 先進的なことを受けれてもらう体験をつくること この2つはマーケターの重要な仕事だと思っています。 レイ

戦略的に学ぶ領域を定めるヒント

最近、マーケティングに関わる人のスキルセット体系化に取り組んでいます。 こちらは、先日のツイートです。 曖昧になりやすいマーケティングという仕事・スキルセットを定義するための考え方をまとめてみたのですが、このスキルマップを発信したところ、このような質問を頂きました。 たしかに、学ぶ領域を戦略的に考える方法ってあまり体系化されていないですよね。 今日は、学ぶ領域を戦略的に定めるために、どんな視点をもつと良いかを書いていきます。 キーワードはタグ付けです。 未来の自分

誰のためのマーケティング?ウェルビーイングをキーワードに考え直してみる

最近は、顧客体験を最適化するとは何か?をよく考えるようになりました。 なぜ何か?と改めて考えているか。 マーケティングの世界で「顧客体験」という言葉を使うと、どうしても効率良く顧客を動かす…という発想になり、どこか違和感を覚えるようになってきまして… 「種を巻いて刈り取る」発想で良いのか?先日にマーケティングの相談をもらった時に、いかに効率良く「種を巻いて刈り取るかについてアドバイスをもらいたい」という言葉が使われていました。 何か悪気があってこの言葉を使われていたわ

バック・トゥ・ザ・パスト思考と面白い企画

良い企画に共通する思考とは何か? この問いを最近よく考えています。 "良い"という意義は曖昧なので、 良い =多くの人が面白い、意味があると感じる と自分の中で定義をしています。 良い企画には「普遍性」がある多くの人が面白い、意味があると感じる企画に共通する要素は何かを考えたときに「普遍性」があるという答えに行き着きました。 普遍性とは? 辞書の定義を確認しておきます。 普遍性とは違うのは、 ・今だから面白い(トレンド) ・一部の人だけが面白い(身内ネタ) など、

競合との圧倒的な違いをストレートに伝えること-DeepL,Notion,BASE FOODからの学び

競合との"圧倒的な"違いをストレートに伝えることができるブランドは強いと最近感じています。 圧倒的な違い=価値(バリュープロポジションと言われたりすること) とくに競合ブランドやカテゴリーが明確になっている場合、違いは何なの?がユーザーが最も気にすることです。 Google、Amazon、Microsoftとの違いをストレートに伝えるDeepL例えば、最近話題になっているDeepLは、翻訳精度の圧倒的な差を申し込みサイトの中で示しています。 メディアが取り上げる時も、

業界の非効率を解決する視点をもつこと-エムスリー、モノタロウからの学び-

時価総額1兆円を超え、成長性が高い企業の共通項は、業界の非効率を解消する発想を取り入れているところが多いと考えています。 本日は、時価総額1兆円を超える企業の中でも、圧倒的な成長を遂げている企業2社に共通することを読み解き、戦略を考える際に大切にしたい視点を整理していきます。 医師とMRにとってのMust haveをつくったエムスリーエムスリーは知る人ぞ知る、超優良企業です。 エムスリーの凄さを要約すると下記の通りです。 エムスリーは、医師とMRの間にある圧倒的に非効

YOASOBIのマーケティングトレース

最近はYOASOBIにハマっていまして、夜に「夜に駆ける」を聴いて、朝は「もう少しだけ」を聴いて、気持ちを高めています。 何をきっかけでYOASOBIを知ったかは忘れてしまいましたが、YouTubeのPVの作り込みには感動したことを覚えています。 本題です。 これだけ爆発的にヒットしているYOASOBIなので、マーケティング視点で読み解くと学びが多いはず。 マーケティングトレースしてみたら、学びの宝庫でした。 ポイント要約 ・小説を音楽にする発想→若者に歌詞とストー

顧客ではなく社内を見てしまう問題の解決方法

顧客ではなく社内都合での判断が多くなってしまうがどうすれば良いか? 先日にウェビナー登壇した際に頂いた質問です。 社内都合=顧客の求めているもの < 上司が求めているもの 誰もが顧客中心に考えた方が良いことはわかっている。けれど、上司が求めているものを提出することを優先してしまう・・ このような課題を抱えている方は多いのだと再認識しました。 今日は、この社内の都合や視線を優先してしまう問題を打破するための方法について整理していきたいと思います。 対策①経営会議で顧

マーケティング成果が出ないのは、顧客セグメントを見誤っているから?

営業の行動量は増えている。マーケティング施策もやるべきことはやっている… それでも成約数や売上が伸びない。 このような課題の要因として、顧客セグメントの見極めができていない可能性が高いです。 成長率か高い組織の特徴ってなんだろう…と考えた時に、事業フェーズに合わせて、いま開拓するべき顧客セグメントの特定が上手だと感じています。 マーケティングや営業成果をあげるためには、優先順位高くアプローチする顧客セグメントを特定し、そのセグメントに組織の人、お金のリソースを集中させ

『マーケターの筋トレワークシート』を大公開! #マーケティングトレース

特に、新社会人の方や、マーケティングに関わることになった方々には、マーケティングトレースを最初に実践して頂きたいです。 マーケティングの仕事に関わっても、 どうしても… 広告運用やSEOなどテクニック的な要素に流されがちです。 マーケティングトレースを活用して、俯瞰的に考える、戦略→戦術→実行の順番で考えられる人を1人でも多く増やしていきたいと考えています。 ということで、誰でもマーケティングトレースを実践できるように、1枚に書き込むだけで完成する実践「マーケターの筋ト

戦略はシンプルであればあるほど良い-マーケティングステートメント作成のススメ-

良い戦略とは何か? 条件はたくさんあると思うのですが、一つの条件として『一言で語れること』があると考えています。 例えば、スカイマークは『空のユニクロ』と自社の戦略を表現しています。 戦略は共通認識をとって動かすものなので、なるべくシンプルに表現できることが理想です。 マーケティング戦略もシンプルに言語化することこれはよく頂く質問です。 マーケティング戦略を考える時も、ステートメントを描く=シンプルに文章で表現することをオススメしています。 あくまで土台なので、こ

自分の思考プロセスを社内チャットやSNSで垂れ流しにすることの意味

戦略を考える人は「思考プロセス共有量」を増やすことが大事だと最近考えています。 アルというマンガサービスを開発されている、けんすうさんが『プロセス・エコノミー』を提唱されています。 本当に面白いので、読んでいない方はぜひ。 プロセス・エコノミーは完全に僕の造語なのですが、プロセス・エコノミーとは「プロセスを共有するところがお金を稼ぐメインとなる」みたいな形のイメージです。 引用:「プロセス・エコノミー」が来そうな予感です けんすうさんが紹介されている「プロセス・エコ