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キオクノート #16 開店と営業にまつわるお金

税金が最大の難関なんですよ、自営業では。
これは15、6年前で大変だったし、現在では消費税も上がって大変だろうなと思います。

当時の自分に現金を置いておけと言いたいです。

ぼくの場合(16年前)。だいたいの数字ですが開店資金が、保証金など物件取得費が400万円、外内装費が厨房機器含めて500万円、運転資金200万円、合計1100万円。

そのうち自己資金600万円をなんとか絞り出し、残り600万円を国民金融公庫で融資してもらいました。

20席の¥1000のランチ2回転、夜だいたい単価¥5000くらいで1回転していた満席の頃は月商350万円ほど。

月の支出として家賃が20万円、水道光熱費が15万円、スタッフの人件費が60万円、食材飲料の材料費が130万円、その他消耗品費15万円、返済金が10万円、で、残金を利益とするなら100万円手元に残ります。

だいたい飲食店の経営バランス割合としては、

売上高  100%
人件費    40% 
原材料費  30%   
家賃    10% 
消耗品備品販促  5% 
水道光熱費  5% 
利益    10% 

というのが目安となっています。

そう考えると利益が結構出ていたことになりますね。
ま、そのおかげで前回書いた通り借入金をまとめて繰上げ返済することができました。

ところがここに計上されていないお金があります。

問題の税金です。

残った利益をぼくみたいに
勘違いして生活費などに全部当ててしまうととんでもない事になります。貯金というわけではなく、後で払うから置いておくくらいの感覚、だいたい利益の3割くらいだとキオクしています。

開業2年は消費税が免除(例外あり)ですが、営業が落ち着いてくるその頃にどっと請求されるのです。

ウチの場合、
当時ランチは平均して売上をキープできるのですが、天井を越えることは滅多にありません。夜の営業に波が出てきて予想より落ち込む事も出てきます。

もちろんそれに比例して仕入れも減りますのでその辺の割合は変わらないのですが、固定費は変わらずかかり続けます。コレがじわりとボディに効き続ける事に。

年末商戦を潜り抜け、1月2月は売上が低く推移しがち、3月に確定申告をすると事業主本人の所得税、売上減少の中で、4月には固定資産税(償却資産税(150万円以上の償却資産や、取得価額が10万円以上の償却資産、業務用エアコンや電気工事、店内設備、厨房設備、パソコンなど)、5月には事業税、消費税の支払いという大量に現金が出ていく現実が控えています。

そして個人事業主の場合、6月からは新年度の国民健康保険と国民年金、住民税の支払い。従業員の所得税は半年に一回(従業員10人未満の場合)支払いもあります。つまり前年お店が繁盛すればするほど税金が増える。

(ちなみに会社の保険だと思われがちですが雇用保険と労災保険も1人以上の従業員を雇っている個人事業主にも加入義務があります。雇用しているのが正社員でなく、パートやアルバイトでも同じくです。ただし、雇用期間が30日以下、または1週間の労働時間が20時間未満のパートやアルバイトは除きます。小規模飲食業だとほとんどやってない人が多いんじゃないでしょうか。義務だけど。。。)

今まで何人も独立開業の相談を受けてきましたが、事業主本人の取り分(生活費など月いくら必要か)と税金の存在を考えていない場合が多々あります。単純に月々その取り分と税金を残して会計をしなければならないので、開業初期の頃は勘違いが発生しがち。そうぼくのように。

まさに飲食業は水のように不安定。波があり浮き沈みがあり溜めたり流したり。。。そんなこんなで3年目はフラつきつつも過ぎて行きました。


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