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映画「すばらしき世界」を観て。(ネタバレ含む)

今年はなるべくいろんなレビューを残していきたいなと思っています。

めずらしい火曜日の祝日。

前日に夫と話していて「早い時間で合えば映画を観ようか」とのことで、夫たっての希望でこちらを(私としては、菅田くんと有村架純ちゃんの映画を観たかったのだが)。

下町で暮らす短気な性格の三上(役所広司)は、強面の外見とは裏腹に、困っている人を放っておけない優しい一面も持っていた。過去に殺人を犯し、人生のほとんどを刑務所の中で過ごしてきた彼は、何とかまっとうに生きようともがき苦しむ。そんな三上に目をつけた、テレビマンの津乃田(仲野太賀)とプロデューサーの吉澤(長澤まさみ)は、彼に取り入って彼をネタにしようと考えていた。(Yahoo!映画/解説・あらすじより)

以下、ネタバレ含む私の感想。

たっぷり「良い映画」を堪能した!と感じられる2時間でした。

ラストは悲しかった。

理不尽な職場環境の中でも、なんとか堪えて、葛藤して、自分をある意味で律して、乗り越えたその矢先だった。元妻から連絡が来て、もしかすると「あなた変わったわね」「良い顔してる」なんてやり取りが、彼にはこの後待っていたのかもしれない。津乃田にしたってそうだ。ようはくシャバでの立て直し人生を描いていこう、そんな希望にあふれたタイミングだったんじゃないだろうか。

だけどある意味、三上は幸せだったのかもしれないな。そんな、これまで味わったことのない“ すばらしき世界 ” へと足を踏み入れて、苦しみながら葛藤しながらも未来に向かっている最中、逝くことができたのだから。

三上が養護施設の元給仕のおばあちゃんと園歌を歌うシーン、津乃田に背中を洗ってもらいながら「もう戻っちゃダメですよ、戻らないでください」と優しく声をかけるシーン。六角さん演じるスーパーの店長が、三上の就職祝いに(あらかじめ用意してくれていたであろう)ご祝儀をお店の裏で渡してあげるシーンなどなど、後から振り返ってジーンとなる箇所が沢山ある。

私は津乃田や店長みたいに、目の前の人にたとえ裏切られそうになっても、「もうコイツ何度言ってもダメやん」という状況になっても、一度信じると決めた人を覚悟をもって一緒に歩けているかな。ダメなところも全部受け入れて、付き合っていけるかな。あなたはどうなんだ?私たちはどうなんだ?三上のような男に対して、どんな社会なら良いのだろう。先日観た「ヤクザと家族 TheFamily」に続いて、グサグサと問いかけられているような気がする映画だったように思う。

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