テキサスへの道のり

私は今テキサスに住んでいる。東海岸のウエストバージニアから去年ここに越してきた。それは私達の離婚がやっと成立したから。

アメリカでの離婚は、子供がいる場合、裁判者の許可がないと州を簡単には変えられない。それは親権、面会権など色々はものが絡み合ってるからだと思うけど、私の場合もそうだった。

私は思い切って、友達が勧めてくれたカリフォルニアに移動予定だった。
それも豊かなお友達が一部屋空いてるからおいでと言ってくれた高級住宅地への移動予定を担当弁護士に告げ、公的書類も友達に頼んで用意した。

※公的書類というのは、仕事のオファー、年収の見込み、家賃の見込みなど。そこに行くのがいかに正当な理由かがわかるもの。
(私の場合は、お友達が夫婦で建築&デザイン会社をやっているので、そこで勤めるというテイで書類を作ってもらった。実際にお手伝い予定だった。)

担当弁護士さんには「州移動は難しい。特にこの裁判官は難しい人だから、成功した試しがない。」「せめて隣の州なら大丈夫のはず。」と私と似たようなケースの州移動失敗事例を伝えてきた。

コロナ禍で離婚は全然進まず、書類を提出してから、約一年。やっと最終公聴会(ヒアリング)が行われた。提出後、約一年、この公聴会で初めて夫の姿をみた。向こうはちょこちょこ覗き見してたのを感じながら、こっちはまっすぐ裁判官を見つめ、一切の揺るぎがないことを態度で示す。

いくらフレンドリーと言われるアメリカでも、裁判官は「とても偉い人」として位置づけされているのが担当弁護士さんの対応でもわかる。
ここではいい加減では通用しないのだ!と、さっき行ったばかりのトイレにまた行きたい衝動に駆られたりもした。

色々な生きていくための英語を体得してきたけど、ここへきて、まさか裁判所関係、それも離婚係争の普段聞かないような独特な英語を学ぶ時が来るなんて、思っても見なかった。

これもいつか役に立つ日が来るのでしょうか?ご先祖様?笑

弁護士さんは、以下を多用。(ググった!笑)  

↓↓↓
honor(オーナー)
市長や裁判官などに対して使われます。裁判官に対するhonorは映画の裁判のシーンなどで見かけるかもしれません。
例:『Your Honor! (裁判官)』
最初の発言や、最後の発言の締めに、必ずプラス!
↑↑↑

そして、それを裁判官自ら最初に口頭で説明し、ちゃんと出来るかの確認を求められる!笑

私はそんなの慣れていないので、
米軍でいつも使っていた、「sir」を多用することにした。
映画で見るように、質問されたら、「Yes, sir」「No, sir」と言った具合に。ここでの答えは間違いなく、もちろん「Yes,sir」だ!それも大きな声で!

そんでもって「sir」が付いてないと、裁判官自ら指摘してくる!してくる!
その場合、また「sir」を急いで大きな声で付け足したり。

まー、神聖な裁判所なので。という具合でしょうか?

夫は、離婚したくないと言ってたけど、事態が変わらないと踏んでからは、私が出ていくことで、自分の家を取り戻すことが出来るので、私たちの移動先に反対の理由がないのは明白だった。

夫が問題ないって言ってるのに、裁判官も「そりゃまずいよね。」とはならないわけで。で、カリフォルニア行きはあっさり承認された。

弁護士さんの心配は全くの杞憂に終わった。
→続く。


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