見出し画像

団地で幸福度が上がった一番の理由


団地に引っ越してから、確実に幸福度があがった。
築古団地だから住まいのデメリットによるストレスも多々多々ある。でも今のところ、毎日のように「引っ越してきてよかった」と思い、「あーしあわせー」と、心の中で静かに思っている。

条件の悪い古い建物に引っ越してきただけなのに、なぜか?
これまで団地で見てきたコミュニティについて記してきた。

私の住んでいるような巨大団地は、人口的にもひとつの村みたいなものだ。ひとつの小さなエリアで、普通の住宅地に比べたらコミュニティがうまれやすい条件が揃っている。

しかしよくよく考えてみると、幸福度が上がった要因は、コミュニティの側面は3割程度にしか過ぎない。
圧倒的理由は自然環境にある。窓から見える景色と周辺の環境がとても心地良いのだ。

旧公団の造成であるため、一棟ごとに芝生地があり、空間が広くとられている。木も植えられて緑が多い。広場がある中心地は木々だらけで公園の中に住んでいるようにも思える。
さらに私の場合、川沿いのため、もっと視界が広くなる。そうすると毎日変わる空の色や雲の姿、夜空には満月も三日月も。富士山も見える。その自然の変化を感じられるのがとてもうれしいのだ。
特に感動的なのが夕刻。夕日が沈む時、空一面がオレンジになり、山が見えない日でも富士山のシルエットだけはぽっかり見える。これを見るためだけに家路に急ぐこともしばしば。



川をみるとシラサギやアオサギ、カルガモなどがすいすい泳いでいる。川の両サイドにはランニングする若者やウォーキングの姿。みんな一生懸命生きていて、いとおしい。

そして風通し。
自分の家の前に大きな欅の木があり、春から夏にかけては緑が生い茂り風が心地良い。風通しが良いため、昨年のような猛暑でも昼間は窓を開けてれば冷房知らずだった。

こんな自然環境に満足するのは、私の特性だ。地方の人から見ると当たり前のことだろうし、この感動の仕方は自分でも異常だと思う。引っ越してはじめて「私はこんなにも自然を求めていたんだ」ということに気づき、今後の人生はもっと自然豊かなところに移り住みたいという想いが明確になった。

しかし空の景色に至っては都内のマンションでも見えるだろうし、タワーマンションならなおさら空と近く絶景だろう。
団地だから、良い、とは言えない。

でも、私は引っ越しをしてから確実に体調が良くなった。
私は持病もあり無理が全く効かず毎月のように寝込む日があったのだが、ここに来てからあまり寝込まなくなった。まだまだ虚弱体質だが、なんとなく体力のベースが上がった感じがする。朝もすっきり目覚めることができる。

真冬でも日中は暖房をつけなくてもよいほどの窓からさんさんと降りそそぐ陽の光と、風通しのおかげで、心地よく過ごせている。

それぞれの幸せ感や居心地の良さは、これまでの経験による、何が自分にとって大事の価値観で決まる。人それぞれ。

とはいうものの、自然環境さえよければよいか、というと、やっぱり違う。自然環境がよくても人間関係もなくぽつんといたら、きっと寂しい。前の家と同じだ。

関係が薄くとも、人が見える。近くに大事な人がいる、安心となる存在。
移住先を決めるのも、何をもって心地よいとするか。自然環境と人とのつながりのバランス。人それぞれだけれど、見知らぬ土地での人とのつながり方、もう少し突き詰めていかねば。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?