だんちともこ

旅行系出版社勤務/旅行者をはじめとした移動者と地域の関係構築研究中/築60年の団地にて…

だんちともこ

旅行系出版社勤務/旅行者をはじめとした移動者と地域の関係構築研究中/築60年の団地にて人の繋がり方実践中/法政大学大学院政策創造研究科修士課程修了(政策学)/旅 民藝

最近の記事

団地の家賃問題と支出減少現象

「団地」というと「家賃が安い」と思っている人が大半だ。「団地に住んでいる」というと、明らかに「ああ気の毒に」という表情を浮かべる人もいる。言わないだけで、蔑んでいるのかもしれない(だから私は団地住まいなことは人を選んでいうようにしている) そんな人に会う度に説明するのが「団地、家賃高いです」。 県営・市営などの公営住宅も団地だし、古いマンションを「団地」と呼んでいる人もいる。私の場合はUR・旧住宅公団だ。 URの団地はたいていが古くなり、「コーシャハイム」というとても素敵な

    • コミュニティの形成過程~交流会からつながる~

      自分の中で優先度高めな団地(地域)コミュニティ。 先日は団地ヨガ仲間と団地内の集会所を利用しての交流ランチがあり体調万全で参加。 各自持ち寄った家庭の味がたくさん集まり、炊き込みご飯とセリとつみれの塩麹鍋はその場で作ってくれる。昔の家庭科を思い出す。疲れた身には何よりのご馳走。 元々このヨガは「コミュニティ少なめな団地で交流の場を作りたい」との思いを持った団地内の牛乳屋さんがはじめてくれたものでもうすぐ一年。今年は団地内で花見をしよう、夏には牛乳の産地である北海道の牧場に行こ

      • 流れに流れる移動社会

        勤務先の事業所が今年移転するめ、移転先から最寄り駅まで歩けるか、確認をしに行った。これまでならそんな面倒なこと絶対しないのだが、足の悪くなった今、徒歩15~20分かかる距離を本当に歩けるのかは、深刻な問題だからだ。 このような身体的な側面から金銭的な面まで「自分の行きたいところへ移動できる自由」があること、「移動自由な社会」であることはかなりの幸せなことだ。 近年の【移住】の意味合いは「よりよい暮らしを求めて」「自分たちがより幸せになるために」住みたい地域に住むこと、すな

        • サードプレイスってなんだ?サードプレイスが必要なくなった時

          団地に引っ越してきてから、カフェや地域に足を運ぶ機会が減った。 私はこれまでばかみたいに旅行をしてきた。コロナ禍以外は年20回ほどは泊りがけで全国各地に行っているから周囲には「全国各地の地域や旅先情報にくわしい」と思われているし、自分もある程度自信があった。コロナ禍においてはちょうど大学院在学時と重なり、研究対象地である神奈川県真鶴町にこれまた月1回は通っていた。修士論文が終わってからも、ことあるごとに訪れている。大好きな珈琲豆屋さんや時々無性に食べたくなるピザ屋さんがあって

        団地の家賃問題と支出減少現象

          一日の中に死守したい時間を持つこと

          一日のうち大好きな、大切にしたい時間ってあるだろうか。 先日TVを観ていたら、所ジョージさんが 「夕飯の時間」を大事にしていて、できるだけ家で過ごす、ということをいっていた。コトコト作っている段階から匂いも含めて大好きな時間だから、出演依頼に対して収録をその時間までに終えることを条件にしている、というようなことを述べていた。 1日の何気ない時間をだいじにする。 さすが、と唸ってしまったと同時に「あ、今のわたしにはそんな時間がある!」とほくほくした。 団地に引っ越す前の何

          一日の中に死守したい時間を持つこと

          利便性について考える①「移動しない自由」の尊さ

          すっかり移住社会、移動社会になり、都市部より地域へ暮らす豊かさが見直されている昨今。 一方で当たり前だけれど、「絶対地方なんかに住めない」という考えの人もいる。 何に重きを置くかはそれぞれの育った環境や価値観、経験値によるもので人それぞれ。 地方出身で、何十年東京に住んでも地方に憧れる私は、考えすぎかもしれないけれど 東京など都市部で育った人の、「地方なんか」という発言に、にとてもざわざわする。 ざわざわする、のは、言葉にしなくても「あんな不便なところよく住めるな」という

          利便性について考える①「移動しない自由」の尊さ

          団地で幸福度が上がった一番の理由

          団地に引っ越してから、確実に幸福度があがった。 築古団地だから住まいのデメリットによるストレスも多々多々ある。でも今のところ、毎日のように「引っ越してきてよかった」と思い、「あーしあわせー」と、心の中で静かに思っている。 条件の悪い古い建物に引っ越してきただけなのに、なぜか? これまで団地で見てきたコミュニティについて記してきた。 私の住んでいるような巨大団地は、人口的にもひとつの村みたいなものだ。ひとつの小さなエリアで、普通の住宅地に比べたらコミュニティがうまれやすい条

          団地で幸福度が上がった一番の理由

          団地暮らしがタワーマンションのコミュニティについて聞いてみた

          私が団地を選んだ理由の一つは、「コミュニティが生まれやすい、かもしれない」ということ。コミュニティ研究の視点でもあるけれど、引っ越し前の数十年、近所のつながりがなかったことに限界を感じたことにある。 これまでぼんやり寂しいなあとは思っていたけれど、日々が生きているだけで精一杯の数十年であり、そこまで考えが及ばなかった。 だけれどコロナ禍で状況が一変。リピートするお弁当屋さんやカフェなど「お金を払うところに行かない限り、話もできない」という生き方を深く反省した。関係性はなくて

          団地暮らしがタワーマンションのコミュニティについて聞いてみた

          お化け屋敷な団地を素敵にしてくれる存在

          築60年の文化財みたいな昭和団地に引っ越してきて半年。 一長一短ありますが総じて「幸福度が上がった」ことをじわじわ実感しています。 私は地域の移住者と地域の接点を研究しているのですが、研究対象地域としている神奈川県真鶴町では、インタビューした人のほぼ全員が「真鶴に来てよかった」「幸福度があがった」とおっしゃっているのがとても印象的でした。それについては修士論文にまとめています(これもnoteに記していきたい)。 地域を変えライフワークを変えることで「幸福度があがった」なんて、

          お化け屋敷な団地を素敵にしてくれる存在

          高齢化だけではない!団地フリーマーケットに学ぶ

          前回、2023年の最も記憶に残る出来事として盆踊り大会をあげたが、 昨年の私の「楽しい」ベスト5はすべて団地内で起こったこと。 例えば昨年秋に行われた団地内のフリーマーケット。 「人がつながる場と機会」というものに興味がある私は、 団地の住民が出展するフリマを通して、どんな繋がりが生まれるかを知りたく、それに団地内を歩くと「高齢者とU35割(子育て世代への家賃割)を利用したファミリーが居住者の大半」と見える団地に、本当はどんな人が住んでいるか、団地を好んであえて住んでいるよ

          高齢化だけではない!団地フリーマーケットに学ぶ

          盆踊りに見るコミュニティとウェルビーイング

          2023年6月に消極的理由から団地に引っ越してきて半年。 団地暮らし半年の中で起こったことを、当事者・実践者とコミュニティ研究の観点から事例としてまとめておきます。 私の2023年におけるクライマックスは、学会で論文賞をいただいたことでも、仕事で手ごたえがあったことでも、鹿児島や徳島・神山町、高知など様々な地域を訪れて刺激を受けたこと、でもなく、 8月中旬に行われた「団地の盆踊り大会」。 何故思い出深いかというと、盆踊りの帰り道、 「ああ、私、今しあわせだー」と30年くらい

          盆踊りに見るコミュニティとウェルビーイング

          団地と防災と、小さく生きること

          1月1日に起きた大地震。 今私がこれを書いている時も寒さに凍え、現実に呆然としているがたくさんいると思うと苦しさで胸が押しつぶされそうにもなる。 地震・火災がこうも重なると日本古来の神様が私たちに怒って訴えているようにも思えてならない。 いつどこで大地震が起こっても不思議ではない現実。 住まい選びは地盤の良い高台にを選ぶのが賢明であろう。 対して自分は築60年強、すなわち1981年以降の「新耐震基準」前に作られた建物、しかも川沿い。 「そこ住んじゃいけないじゃん」と言われた

          団地と防災と、小さく生きること

          団地コミュニティ「団地ヨガ」の絶大効果②

          団地生活の中で大事にしている時間が、ヨガ後のお茶タイム。 主催している牛乳店のにて数人で1時間ほどのんびりとしていく。どんなに余裕がなくてもこの時間はキープするようにしている。自分にとっては交流が楽しく、とても心地よい時間だからだ。 毎回人も変化、話題もさまざま。介護の話になることもあるし、団地初心者のわたしが部屋のことを相談することも多い。 その際にとても興味深い話も聞く。 いつも親しくおしゃべりするご婦人たちがいて、てっきり団地内の長年の友達だと思っていたら、このヨガ

          団地コミュニティ「団地ヨガ」の絶大効果②

          習慣から解放される

          29日が仕事納めでやっと年末感。 それまでは年末の大掃除は今年はやらなくても、と思っていたけれど、休みに頭が切り替わると、一気に年末モードになり、掃除スイッチが入り、トイレや照明など普段みてみぬふりをしてきた気になるところをシャシャッと掃除している。 年末年始に何をするか、おせちやお雑煮などお正月料理をどこま用意するか、手料理するかは毎年悩む人も多いと思う。 かくいう私は、おせちなどの取り寄せは用意せず、お雑煮やお煮しめ、かまぼこなど自分が食べたいものを作り、買い、ちょこち

          習慣から解放される

          団地コミュニティ「団地ヨガ」の心地良さと効果①

          「団地ヨガ」が今年最終日だった。 2023年6月に団地に引っ越して来て、足もどんどん悪くなり行動範囲も限られる中で、なるべく参加したい、と優先順位を上げできた時間、コミュニティだ。 なぜそんなに大事だったのか。 以前よりヨガはゆるりと続けていて自分のカラダのために継続したく、限りなく近くがいいと思ったのが入るきっかけだったが、いざ入ってみると自分にとっては、とても豊かな時間だからだ。 この団地ヨガは私が引っ越す直前の2023年5月から始まった。団地内に店を開く牛乳屋さんの

          団地コミュニティ「団地ヨガ」の心地良さと効果①