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やっぱり田舎の古いものは、可能性に溢れているよね #0090

先日、祖父が100歳で他界してしまい、その関係で長野は上田まで行っていました。祖父にはずいぶん可愛がってもらったので、残念なこと限りなしでしたが、100歳まで生きたら大往生と言って良いでしょう。最後まで頭はハッキリしていたので、本当に大したものだと思います。

さて、そんなこんなで久しぶりの上田。
実は庄内に来る前に祖父の面倒も見ながら住んでいたことがありました。新しいお店もずいぶんできていて、移住者が多そうなのは、さすが東京が近いだけあるなーと言う感じです(新幹線できる前はずいぶん遠く感じたものだが)

その中で、改めて感じた「古いものの良さ」がありましたね。


長野はけっこう都会だよね

子供の頃は、千葉から上田に行くのは車でも電車でもえらく遠く感じた(電車は碓氷峠で汽車を加えて走っていた)が、今は新幹線も高速も整備されて、だいぶ近く感じるようになりました。
東京都軽井沢区と言われるように、長野までは「東京圏内」という感じがしますな。
わたくしが住む庄内も、飛行機で羽田から50分なのですが、やはり空路だと遠さを感じる気がします。街を歩いていても、鶴岡と人口は2,3万人しか違わないのに、ずいぶん人通りも車通りも多い気がするし、移住者の新しい店も結構できていて、街が「動いている」感じがします。

特に「ルヴァン」を代表とするような、古い蔵を用いた店舗も多くて、古い道具や建物をうまく使っています。(ちなみにルヴァンの甲田さんは叔父の同級生!)ルヴァンで修行して近隣にオープンしているパン屋も多く、特に「穀蔵」なんて古い蔵で石窯を使って焼いていて、材料にもこだわっていてスバラシイです。

今回は時間なくて、ルヴァンくらいしか行けなかったよ、、
甲田さんには会えたよ!

「バリューブックス」などの全国区の企業も何気に多いし、かなり成功しているカルチャー系の人も多いです。そういえば知人のパン屋も自分の店舗を持って、さらに虎ノ門に2号店をオープンしたと言っていました。

じいちゃん宅で見つけたものたち

以前から祖父宅には、なかなかいい感じの古いものがたくさんあって、これをうまく使いたいなーと思っていたわけです。だいぶ片付けはしたのですが、今回を機に家の中は一旦リセットしよう、ということになりました。改めて箪笥やらを整理することになったのですが、これがなかなかいいものがあったのです。
この辺は自分たちのお店用に使いたいなーーと思います。

なかなか立派なショーケースと引き戸の棚
箪笥類は写真撮り忘れた、、
ばあちゃんの裁縫箱
小道具の数々

上田の近所で、いい感じにリペア&販売をしているご夫婦(こちらも住んでいる時お世話になりました)にキレイにしてもらって、これはかなりいい感じに直してもらいました。
ちょっとした小道具なんかも、インテリアとして置いておくにはちょうどいい感じです。こういうものが、もっと見直されるといいなーとは思っています。

いいものは海外に流出してしまうのですよ

庄内でもそうなのですが、古い家の取り壊しの際など、いい家具がたくさん出てきます。これら、ほとんどが廃棄されて、一部は海外に流れてしまうとリペア業者の方が言っていました。何しろ、普通の「こけし」がイタリアでは一体5万円で取引されるとか聞いたことがあるので、このままだとガンガンいいものは流出してしまうと思われます。
考えてみれば、日本でもフランスやイギリス、北欧のアンティークは高値で取引されているわけで、その逆が行われているだけですな。

デンマークで日本の古道具を販売している知人も、日本の「いいもの」はやっぱり海外の方が高値で取引される、という話をしていました。特に細部までこだわった繊細さやデザインは評価が高い、というのは納得できる話です。
まあしかし。残念っちゃ残念です。やはり「モノ」は湿度や温度など、その土地にあってこそ引き立つ、または実際に使えるものであると言えるわけです。

古い家、古道具は可能性あるよなー

田舎に住んでいて改めて思うのは、やっぱり古民家や古道具って可能性あるよなーということです。
その辺をうまく体現した場所の一つが、これも長野の「リビルディングセンター」だと思います。(言わずと知れた、ですけど)

ここは「レスキュー」と称して、古い家の解体現場に出向いて古道具や古材を集め、それらを販売しています。床板や壁板も販売しているので、DIYを本格的にやりたい人にもありがたい存在。
カフェや商品開発、店舗のデザインなど多角的に活動しているので、経営的にも地方で古いものに関わる良い事例だと思います。
元々わたくしは古道具好きだったので、こういったところでよく古い家具などを仕入れておりましたが、こういうの好きな人は特に地方には多いですよね。

前段で書いたように、取り壊しなどで出てくる家具類や家そのものを長く使っていく、と言うのはサステナブルだとも思うわけです。本当にスジのいい人って、古いものと新しいものをうまく組み合わせる人だと思うしね。
いいものを残していく、という点においてまさに「レスキュー」と言う表現はピッタリだと思います。庄内でもこう言う活動したよね、と知人と話しているところではあります。

古民家については、レストランや民泊、ホテルの需要はこれから地方でどんどん増えると思います。中途半端なホテルではなく、エッジの利いた、他の人には体験できないことをしたい人は増えてきている実感です。(自分もそうだったし)

庄内の辺りでも、1泊3-4万の一棟貸しなんかも増えてきました。オーシャンビューやマウンテンビューなど、他では体験できない場所で、古民家に泊まる、と言う体験はとても非日常的で面白いと思います。その時に古い家具類などは、世界観を作る上でもうまく使えると思うんですよね。
この辺は、東京からの「遠さ」を価値にできる部分だよなー。

そのためには、泊まりやすい「断熱古民家」と「歴史アクティビティー」的なものは必須だと思っていて、こっちに注目する人が増えて欲しいな、と言う感じですかね。

と言うことで、古いものにまつわる雑感の数々でした。
やりたいことはたくさんあるなーーと思う次第ですよ。

ではでは!

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