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2023/04/10採取記録



出張帰り、帰路のルートを大幅に変更した。
そして度々採集記録を書いているセアカオサムシのポイントに訪れた。

現地で1時間ほど歩く。
大量のコガネムシ類やゴミムシ類と出会うものの、ほとんど進展がない。
ゴミムシの種類こそ増えてきたが、セアカオサムシと同じような環境を好むアカガネアオゴミムシは不思議と1匹も見かけなくなった。降雨後に来てみると違うかもしれない。


今回に関しては、なんとしてでもセアカオサムシを見つけてやろうという気概が足りないように感じた。
このポイントでは今までで6匹の生体を採集しているので、それ以降見つけた個体は観察に留めようと決めていた。
そして「出張帰りにフィールドを歩けるだけでも楽しいし」「たまたま出会えれば儲けものでしょ」と、楽観的に考えていた。余裕が悪い方向に出ている。

ポイントからの帰り道くらいは本腰を入れて探してみるかと心機一転し、脳をありったけ回転させる。
まずGoogle Mapsで過去にマーキングしたポイントを見返すと、セアカオサムシを確認した箇所はかなり限られているように思え、そこに共通点を感じたような気がした。
さらにTwitterでの目撃情報や論文等の記述も合わせて考える。

もしや…?と思い、とある一つの仮説を立てた。
それに沿ったポイントだけを重点的に見て回り始めた矢先、1匹、また1匹、さらにもう1匹と、なんと合計3匹のセアカオサムシを連続して発見できた。

1個体目
1個体目
2個体目
3個体目


単なる偶然かもしれないが、今まで全く見つける事ができなかったセアカオサムシ達は、仮説に基づいたルッキングを行ってすぐに連続して見つかった。
撮影時間を確認したが、およそ5分間の出来事だった。

かなり限定的な環境にしか適用できないものなので汎用性は低いが、もう少し精度を上げるために今後も仮説を検証したいところ。
現時点での情報公開は、この虫の研究をしているであろうフォロワーの妨害になりかねないので控えさせていただく。

また、今回発見したセアカオサムシ達は捕獲こそしなかったものの、その多くが採餌中であったため、その残滓をサンプルとして回収して無水エタノールに投入した物を保管している。前回のサンプルと併せて貴重なデータとなった。
このポイントは有名産地では得られにくい生の情報があまりにも多すぎる。
環境が大きく異なるからかもしれない。
昆虫採集のタグは付けたものの、今回持ち帰ったのはこのサンプルのみなので、採集ではなく採取が適切か。


観察終了後、帰り支度をしていると車の側でマイマイカブリを見つけた。
画像を掲載したい所だが、産地によって体色や体型が大きく異なる種類であり、有識者からはポイントの特定も容易である事が考えられるため、こちらの公開も今回は控えさせていただく。





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