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【基礎】見逃すのはNG!-骨挫傷について-

こんにちわ!


本日は骨挫傷についてです。

以前足首の捻挫の患者さんが来られてリハビリが開始になりました。
診察ではレントゲンだけを撮影し、骨折はなかったので痛みが強くない範囲での荷重という指示がでておりましたが、数日経っても痛みや腫脹、皮下出血、ROMなどが変化なく圧痛所見もかなり顕著にみられてました。


今までの経験上であれば捻挫の急性期に骨折もなく患部の安静と患部外からの治療を進めていれば、基本的には痛みや腫脹なども減ってきますが、


「何か違う」と思いMRIをすすめたところ「骨挫傷」がみられました!


本当にすすめてよかったです。
靭帯損傷だけと骨挫傷をともなっている靭帯損傷では当たり前ですが話が異なってきます。

この記事では骨挫傷について簡単に理解できるので、必ず知っておきましょう!


●骨挫傷とは

スポーツによる外傷や交通事故、関節同士がぶつかることなど外部からの衝撃が原因で骨内部に損傷・内出血をきたした状態を言います。

骨が折れているのを完全骨折
折れてはないけどヒビが入っているのが不完全骨折

その不完全骨折までいかず、骨内部に内出血をきたしている状態が骨挫傷となります。

重症度のイメージでいうと

完全骨折>不全骨折>骨挫傷


といった形になります。



冒頭でも話したように

レントゲンでは骨挫傷を見つけることはできませんがMRIでは発見することができます。


●骨挫傷の原因


スポーツ中の転倒やコンタクトスポーツでぶつける・交通事故、過度な力が加わったことによる怪我などの過度な外力が主です。


●骨挫傷の症状


主な症状は
・痛み
・腫脹
・内出血
・運動制限(可動域制限)
・著明な圧痛                など

がみられます。

特に著明な圧痛に関しては触れただけで痛い場合もあります。


●骨挫傷の治療


主な治療は急性期では
・患部の安静
・炎症抑制のためのアイシング・圧迫
・痛み止めやNSAIDsの処方

など疼痛コントロールに焦点をおきます

疼痛・炎症が落ち着いてきたら徐々に患部の可動域訓練(自動 ⇒ 他動)を始めていきます。



●骨挫傷の回復・予後

回復期間は個人差はあると思いますが、一般的には数週間から数か月かかることがあります。

特に急性期の状態でMRIを撮らずに骨挫傷の存在に気付かず、荷重をしすぎたり患部に負担をかけると当たり前ですが経過は悪くなります。


しかし、基本的には適切な時期に適切な治療ができれば多くの場合は完全な回復が見込まれます。



●まとめ

今回は骨挫傷について記載させていただきました。

足関節や膝関節の捻挫などの際にレントゲンしかとっておらず、経過が悪く疼痛や骨に圧痛が著明にみられる場合や改善が遅い際には、一つ可能性として骨挫傷を忘れないようにしておきましょう。


また、骨挫傷は状態や症状の重さによって理学療法士はドクターとの連携が重要になってきます。

どの段階になればどこまで荷重してよいのか?
松葉杖はもうなくしていいのか?

などとドクターと共有しながら適切な治療を提供していき、早期回復・再発予防に取り組んでいきましょう。


骨挫傷だけの話ではありませんが

”適切な時期に適切な治療”

をどのセラピストも意識してやっていきましょう。


ではでは。


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