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花粉まっただなか

1963年、春先の栃木県日光で多かった症状と日光の杉並木を調査した学者が、その因果関係を明らかにした。そして翌64年に「スギ花粉症」が報告されたという。
それは僕の生まれた年。

もう30年近く花粉症と付き合っているけど、ここ10年ぐらいで徐々に症状が治まってきた。加齢によるものなのか、嫌いだった春がまた好きになってきた。
友人は「ただ薬が良くなってきたからだ」と否定するけど、真偽はわからない。
ちなみに幸いなことに僕はスギだけ。ヒノキやブタクサには何の反応もない。

スギ花粉の辛さ故の思い出は数多い。大事なお酒の席で鼻が詰まってうまく話せず、場をしらけさせてしまう類(たぐい)だけでもいくつか覚えている。
僕の最高のスギ花粉の夜は、12年前の東日本大震災の日、3.11。
あの日、都心の勤務先で「帰宅困難」になっていた妻を迎えに、勤務先からクルマで向かった。電話がうまく繋がらないことを想定して、到着時間も曖昧なまま待ち合わせの交差点だけを決めて向かった。

約束の交差点は代々木公園に面した交差点。停車したクルマから、歩道いっぱいに歩く人の流れの中から妻を見つけて、助手席に乗せた瞬間に、大量のスギ花粉が車内に舞い込んだ。
止まらないクシャミ。マスクの中はびちょびちょ。
幹線道路の渋滞を避けて路地路地を伝い、2時間以上かけてさいたま市の自宅に帰った。

ところで、1月半ばに奄美大島に出かけたのだが、あそこにはスギの木がないらしい。昔植林を試みたが育たなかったそうだ。

あんなに有名な島なのに、まったく観光俗化していない素敵なところだったから、また行きたいと思うけど、花粉逃れで3月頃に行くのがいいのかなと思っている。

あと2週間ぐらいの辛抱か。

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