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雨の音が許せなかった。

ゲリラ豪雨の夕暮れ。
「良くもまぁ出来たもんだな」とわたしは関心していた。

雨の音に耐えられない時期があった。

不調が真っ只中になると、この地面を叩く水滴の音が、ヘビメタの破壊音と同じように聞こえるのだ。

ギターを叩き割るように、耳に轟く雨音、
わたしはギュッと耳を掴む。

恐怖感から、「雨の音に癒される」っていう母の言葉は信じられない。というか、怯えるわたしは同じものに癒される事実が許せなかった。

入道雲があると、夕立がくるって、わかるから。
夕焼けが赤いと明日は晴れるから。
月が見えても風が吹くと明日は雨かもしれない。

「なんとなく」からのフワッとした知識より、
体感した事が知識になり後に感覚になることは、自分にとって誇りだ。

今日の入道雲は答え合わせするように雨に変わった。
突然の暖かい雨に公園で遊ぶ子供たちは喜んでいる。

「そうそう、びしょ濡れって楽しいよね。」なんて
子供時代を思い出ながら、公園を脇に通り過ぎる。

家に着いて呑気にYouTube見てたら窓が光った。
カミナリだ。

わかっていたけど、なんとなくダルいからの答え合わせの低気圧。

布団を敷いて、キーキーまとわりつく耳鳴りと、頭上にあるシーリングライトに

なんとなく、問いかける。

「今日の雨は怖くないんだよね…」

ドドドドドドドドドドドドドド

でも、やっぱこの雨音はドキッとする。
目を瞑ると、シーリングライトの残像が瞼に浮かぶ。

雨音がうるさい。けど、なんか太鼓の音みたいだな。

ドドドドドって、盆踊りのラストスパートを思い出す。

このドキッとする感覚は、祭りの太鼓のワクワク高鳴る胸と似ている。

そう思った時、雷神さまは太鼓を叩いてる事を思い出す。

答え合わせするように、雷神を画像検索。

「良くもまぁ出来たもんだな」

神を具現化した者を尊敬した。

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