スバルへの独り言

先日、現行BRZと現行WRX S4を路上で見て思った。
スバル三鷹事業所沿いの天文台通りなので、スバル車目撃は珍しい話ではない。

しかし、現行のVBH型WRX S4は珍車と言われてもおかしくないほど、見掛けない。三鷹なのに。

それと同時に、見た瞬間の印象の違いに、我ながら違和感を覚えた。

マフラーを社外品に変えたBRZは、「お、元気だね。いいなぁ。」と言う印象。先代よりグラマラスになった現行BRZは性能だけでなく見た目もなかなか良くなった。

対してWRX S4は「へー、珍しいな」位の印象しか無かったのだ。ただただ、それだけだ。

何に違和感があるかと言うと、同じシチュエーションで先代の両車を見た時は異なる印象になるからだ。

先代WRXと現行WRX

時計の針を5年前、2018年に戻す。
BRZ、WRX S4共に先代型だ。

先代BRZはマスコミが色々持ち上げるが、まぁ普通の安普請なFRクーペ。好きな人を止めはしないが、特に速いクルマというわけでもない。
個人的にはあまり魅力を感じない。

一方、先代WRX、VAG型WRX S4といえば。
お、速いしいいね〜みたいなイメージ。

なぜそう思うのか。
それはWRX STIの存在があったからだ。

当時クルマ好き誰もが思い描くスバルの速いクルマのイメージは、VAB型WRX STIだろう。GC8型インプレッサWRX STIから連綿と続く、国産車最強軍団の一員だ。

1989年登場のBC型レガシィRS搭載から30年に渡って使い続けられたEJ20ターボ。そのエンジンが搭載された最終完成形とも言うべきVAB型WRX STIはスバルのフラッグシップとして揺るぎない存在だった。

それと見た目は変わらないが、エンジンは新世代のFB20型直噴ターボ300馬力にCVTと言う構成かつ、構成部品はレヴォーグとさほど変わらない先代VAG型WRX S4は、その成り立ちに反してVAB型WRX STIのサブセットな印象。

ほんとはMTのSTIが欲しいが、様々な事情でやむを得ずオートマのS4にした、と言われても納得できる雰囲気。
要はハードコアなWRX STIの存在が、WRX S4のイメージを引き上げていたわけだ。

対して現行VBH型WRX S4はどうか。
2.4Lに拡大されたFA24ターボエンジンは275馬力。カタログ上では先代VAG型S4を下回る。もちろんオートマのCVTのみだ。
MTのWRX STIは無い。

するとどうだろう、コレはレヴォーグのセダン版にしか見えない。

確かに、WRX S4は先代も現行もレヴォーグのセダン版である事に変わりは無いのだが、先代の様なハードコアセダンのWRX STIが無い分、現行WRX S4はレヴォーグのイメージに引っ張られる。

そうなると、同じなら便利なワゴンボディのレヴォーグの方が良くない?わざわざイキってセダンにせんでも、って感じになってしまう。

更に言えば、レヴォーグは最近レイバックってSUV版も出てきた。コレ見ちゃうと現行VBH型WRX S4は、樹脂製の黒いホイールフレアもあり、視覚的にSUVセダンにすら見えてくる。もはやワゴンやSUVと同列な雰囲気だ。

イキってWRX S4に乗る事が恥ずかしくなるくらいに。

本来ならセダンとワゴンの性能差は明らかである。
レヴォーグはワゴンであることからボディ剛性およびその用途における荷重変動に対応する為WRX S4と比べて明らかに能力を落として旋回特性をアンダー傾向にしてるだろう。
限界性能は現行WRX S4がずっと高性能であるのは間違いない。

限界性能は当然現行WRX S4がずっと高性能であるのは間違いない。

にも関わらずそう言うイメージにならない。

どう見ても商品性アピール失敗と言わざるを得ない。
現行VBH型WRX S4開発者が不憫でならない。

S4やレヴォーグにSTIバッヂ付けたりしてるが、そんなんはSTIの価値を落とすだけだろう。

コスメティックだけ弄ったAMGラインだのMスポーツだのSラインだのとスポーツブランドを安売りするドイツ車と変わらん。
スバリストは冷めるだけだ。

それじゃねーんだよ。

スバルにはVABの様なガチのWRX STIが必要なのだ。

早よVAB後継のWRX STIを出せ。
今や歴代ハードコアなWRX STIを知るスバリストが興味あるのはヤリスGRやカローラGRだぞ。
何してんねん、スバル。

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