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小腹が空いて。

夜明け前。午前4時過ぎ。
徹夜の作業中、小腹が空いてどうにも我慢ができなくなってきた。

こういう時にうちはお菓子の買い置きが無いから困る。何か簡単につまめるものは無かったか、一所懸命いに記憶をたどる。
そんな事に脳ミソ使っているなら早く作業を終わらせて、さっさと眠ればいいのだけれど、そんなことより腹ペコをどうにかしたかった。

そういえば昨日昼用に買ったパンが1つ残っていたはず、と思い出した。目が欲張って余分に購入したものの、結局食べきれなかった分だ。

明かりも点けずにこっそりと食卓へ向かう。流しの手元明かりを頼りに、食卓の上にあるはずのパンを探す。あった。腹ペコすぎて、まるで宝物でも見つけたかの様な高揚感だ。

こんな時間に食べたら太るぞ。いや。まだすぐ寝る訳じゃないから大丈夫だ。そのぶん朝食を減らせばいい。パンひとつくらい太ったって対して変わらない、、、
脳内で色んな言い訳をしながら、パンにかぶりついた。
思い切りかぶりついて、上アゴを痛めた。顎関節も、ゴリッとなった気がする。

半日以上経った、ハード系のパン。
エアコン暖房がよく当たる食卓に置いてあった、ハード系のパン。
すっかりカチコチになっていた。

クランベリーとかレーズンが中にはいっているのだけれど、そんな味よりも上アゴがジンジンする方が気になって仕方がない。
カチコチのパンが口の中の水分をうばう。ぜんぜん飲み込めない。むせ込みそうになり、慌てて麦茶を飲む。また上アゴがジンジンする、、、

パンをひとつ、食卓の片隅でこっそり頬張り20分かかって完食。そそくさと部屋にもどって作業を再開する、、、はずだったのだけれど。

寝ていたネコたちが起きてきて、まとわりつき、しきりに匂いをかぎまくる。起こしてしまったことと一人でつまみ食いしてきたことの罪悪感で、ネコにもオヤツをあげるため台所へ。
トコトコとついてきたネコかわオヤツをぽりぽりと食べ始めたのを見届け部屋に戻ってきた。

空腹感は落ち着いた。
さて、続きをするぞ、と気合いを入れ直した。しかし、いまだ作業再開せず。
なにをしているのかといえば、この記事を書いているのだった。

上アゴがまだジンジンと痛い。
クランベリーの味が鼻の奥の方に少し残っている。