朝が来た。

朝6時。
炊飯器がカチャカチャと音を立てて米を炊き始めた。
徹夜仕事を始める前
米をとぎ、7時に炊きあがるようタイマーをセットしていた。

まだ外は薄暗いが、鳥の声や車の音が聞こえ始め
朝が近づいていることを感じる。

作業はちっとも進まない。
猫にちょっかい出したり、スマホをいじったり。

外はどんどん明るくなってきて
カーテン越しにも白み始めた空がわかる。

白米の甘く優しい匂いが部屋にも流れ始め
まもなく炊き上がりそうな気配がしてきた。
まもなく7時になるのか。

作業はぜんぜん進んでいないが、朝陽で空がオレンジ色になり始めた。
ベランダに出て朝陽を背負った工場の煙突をしばらく眺めていると
台所からメロディが聞こえてきた。

7時を知らせる時計のメロディチャイムと
米の炊き上がりを知らせる炊飯器のメロディ音だ。

朝7時。
日は昇り、米は炊けたが
残念ながら
作業はほとんど進んでいない。