上伊那ぼたん描いてます。

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最近の記事

2024-04-20: 関西新卒時代を振り返る(1)

開放しているマシュマロに、おれの新卒時代に関する質問が数件届いていた。 新卒か。 おれは10年近く前、大手システムインテグレーター(SIer)の新卒採用枠になんとか潜り込んだ。そこは転勤の少ない社風だと、リクルーターから聞いていた。 おれの地元は関東だから、新卒研修後の東京本社配属は確実だと、ひそかにタカをくくっていた。 そんなマヌケに下った辞令は、まさかの関西拠点配属。 世の中、そんなに甘くはない。 現在のおれは関西を離れて久しいが、懐かしい昔日を振り返ろうと思う。

    • 2024-04-15: 最近読んだ本

      最近読んだ本。 といっても、足掛け数ヶ月みたいな本もある。 同じ本でも、遅々としてページが進まない日があれば、わりとスイスイ集中して読める日もあるんだけど、なんでだろう。 『美術手帖「NFTアートってなんなんだ?!」』2021年12月号の美術手帖。なのでちょっと昔の特集。 2021年はNFTバブルの只中で、投機対象としてNFTの注目度が加速度的に上昇していた時期だった。 狂乱の時期が過ぎ、2023年には過熱したブームも下火。 Crypto Punksなどと並び、クリプト

      • 2024-04-07: 兼業漫画家を10年あまりやってみて思うこと

        はじめに私は今年で社会人生活10年目を迎える。 しかし、学生時代から商業漫画家として活動してきたため、兼業漫画家としての活動期間はそれを上回る(学生と漫画家との二足の草鞋を、兼業漫画家と呼びうるのか、いささか怪しくも感じるが)。 兼業漫画家がこの世にどれだけいるのか私は知らないが、「兼業で漫画家をする」ことについてのアウトプットをあまり目にしない気がするので、雑に吐き出してみようと思う。 もちろん全ては私の主観であり、兼業漫画家や漫画家全体を代表・代弁するものではないの

        • 2024-03-20: 最近読んだ本

          3月頭はバタバタしていたため、たいして読めてもいないのだが。 西野智彦『平成金融史』元TBSテレビ報道局長である西野智彦による、副題のとおりバブル崩壊からアベノミクスに至るまでの平成経済録である。 平成金融史を大きく4つの時期に区分し、日銀、政府、省庁、そして各銀行が混乱や不安、困苦の果ての意思決定を繰り返し、泥沼のような経済不況の舞台が展開されていく。 本書において、西野は事実列挙と関係者の談話の記載に注力しており、西野自身の各組織や人物に対する批評は控えられている。

        2024-04-20: 関西新卒時代を振り返る(1)

          2024-03-13: 最近の身近な衣服の話

          月初は相変わらずバタバタしていて、ふと気づけば三月も半ばに差し掛かっている。やば。 本年は閏年とはいえ、やはり二月はその他の月より短いわけで、私のような締め切り業はこの一日二日に随分泣かされる。 「ああ、あと一日あればもっと余裕があるのに」と毎月思う。しかし、再現性のある形で反復的にそんな状態に陥るのならば、無意識下に私自身が左記のような状況下へ、自らを追いやっているに違いない。 対策も特に講じないのだから、修羅場を月々再演してしまうのだろう。反省(しているのか?)。

          2024-03-13: 最近の身近な衣服の話

          2024-03-03: 反AIと特権意識の関係について考える

          はじめに先日、『絵師の立場から言いたい「反AI」の人の態度について』と題して、以下の記事がnoteに投稿されていたことを、遅まきながら知りました。 私もしばしばnoteで言及している画像生成AIについて、それを取り巻く世論や主張に対する意見記事です。 一読して私が「おや」と思ったのは、本稿が生成AIがもたらす数種の課題(以下の拙稿でも紹介した、Ziv Epsteinらの課題区分に認められるような)そのものを主題としていない点でした。 https://note.com/

          2024-03-03: 反AIと特権意識の関係について考える

          2024-02-22: 4コマ漫画界の至宝・海藍作品を語る

          はじめに海藍(はいらん)という作家をご存知だろうか。 2000年に芳文社の「まんがタイムジャンボ」誌上で実質的に商業誌デビューした海藍は、代表作の『トリコロ』で創刊初期から「まんがタイムきらら」を牽引した。 『トリコロ』はきらら系作品として初のドラマCD化を達成し、後に設定資料集も発売されている。黎明期のきらら系作品としては異例の扱いであった。 私見では「まんがタイムきらら」史、ひいては『あずまんが大王』(あずまきよひこ)以降の萌え4コマ文脈を語る上で無視できない重要

          2024-02-22: 4コマ漫画界の至宝・海藍作品を語る

          2024-02-19: ある批判についての記憶

          多少昔の話だ。 ふと脈絡なく思い立ち、とある小説投稿サイトに短いお話をいくつか投稿したことがある。 「お話」と表現するのは、それらが小説と呼ぶにはあまりにも適当な産物であり、私自身を愉しませるという単一目的を掲げた、いわば手慰みだったからだ。日曜大工みたいなものである。 卑しくもプロとして発表している漫画作品群とは何もかも性質が違う。そのため、作者名は適当に命名し、漫画家である”塀”とは完全に切断していた。 1日に1作、夜間の隙間時間でダ―――ッと始まりから終わりまで一気

          2024-02-19: ある批判についての記憶

          2024-02-17: スペースオペラとモデルガンの思い出

          父が突然、四挺の拳銃を自宅に持ち帰ってきた。 私が小学生の頃の話だから、四半世紀近く昔の話である。 無論、いずれもモデルガンなのである。 しかし、鈍く輝く金色のダミーカートが綺麗に装填されたそれらは、我が家の玩具箱に刺さっていた安価な小児向けエアガンとは一線を画していることくらい、幼い私にも理解できた。 コルトガバメント、ワルサーP38、S&W M13 FBIスペシャル、コルトパイソン。 実に渋いラインナップである。当時、M92Fやシグプロのような拳銃を好んでいた私には

          2024-02-17: スペースオペラとモデルガンの思い出

          2024-02-11: 最近読んだ本

          マジで忙しくてnote書く時間が無かった。 1月末から2月頭は特に厳しくて、そもそも本自体ほぼ読めてないし。 脳がおかしくなりそう。 したがって、読了からかなり時間がたっている本もあるため、かなり印象寄りの感想を手短に書く。ご容赦ください。 平野啓一郎『私とは何か 「個人」から「分人」へ』 小説家・平野啓一郎が自作において展開している「分人」という考え方を、小説でなく新書の形式をもって解説するのが本書。 平野先生の「分人」については、昨年受けたインタビューで少し触れて

          2024-02-11: 最近読んだ本

          2024-01-10: 2023年強く印象に残った漫画ベスト10

          はじめに2023年もいろいろ新旧漫画を読みました。 面白い漫画ばかりですが、10作に絞って、特に印象に残った漫画をご紹介します。 知らない漫画があれば、是非読んでみてくださいね。 2023年ベスト10※紹介順に意味はとくにありません。 平井大橋『ダイヤモンドの功罪』(~4巻) 集英社のWebコミックプラットフォーム「ヤンジャン!」上で連載中の野球漫画です。現時点で4巻まで刊行されています。 主人公の綾瀬川次郎は小学5年生。 天性の抜きん出た身体能力と運動センスを持

          2024-01-10: 2023年強く印象に残った漫画ベスト10

          2024-01-08: 画像生成AIツールの実社会普及における現況と課題への考察

          はじめに年始、カードゲームなどの非電源系ゲームで世界的に有名なWizards of the Coast LLC(WotC)が広告画像に画像生成AIを利用したことを認め、ネットを中心として炎上騒動に発展しました。 WotCは上記の事実を認める前に、画像生成AIの利用を否定するステートメントをX上で一時的に公開しており、WotCのユーザーや既存アーティストに対する倫理観、リスペクトが問われる状況に発展しています。 上記が実態として誰の、どのようなモチベーションによって起きた

          2024-01-08: 画像生成AIツールの実社会普及における現況と課題への考察

          2024-01-03: 最近読んだ本

          あけましておめでとうございます。 三が日から、本邦各地で大規模な災害や事故・事件が発生しており、遭難された方々の心中お察しするとともに、心よりお見舞い申し上げます。 私自身も、微力ながら能登大地震被災地への募金をさせていただきました。 ともあれ、年末年始読んだ本を棚卸しします。すでに結構内容忘れちゃってますが。 休暇中、じっくり本を読むような時間があまり取れませんでした……。 大江健三郎・古井由吉『文学の淵を渡る』大江健三郎と古井由吉の対談集。 両者は年齢的に同世代の作

          2024-01-03: 最近読んだ本

          2023-12-29: 私の本棚紹介

          他人に本棚を見られると、心の中を垣間見られているようで気恥ずかしい気持ちになりませんか? 俺は、なる。 フフ……。 ところで、私の自室には本棚が一台だけしかありません。 別に本棚なんて一台あれば十分だろと言われればそれはそうなのですが。 とはいえ、収入の大部分を書籍購入に充てるタイプの読子・リードマン型人間としては、一台だけだといささか心もとないわけです。 借家住みが長く、引っ越し時に一番重くてウザい荷物が書籍類であることは確定的に明らかなため、経験上物理本は無尽蔵

          2023-12-29: 私の本棚紹介

          【2023年ベストバイ】今年買ってよかったもの

          タイトルは毎年恒例FASHIONSNAP企画へのオマージュです。 禊のようなもの。 色々めんどくさいので写真は基本割愛させてください。 FUMITO GANRYU デニム グラフィティサルエルパンツサルエル好きなんですよ。 一時期リックオウエンスしか履かない時期があったくらい、ここ数年は通年サルエルを履くことが多いです。 サルエルがアンダードレスになるような場所には行きませんし、リラックスした雰囲気が好きなんです。 よく履いていたのは、リックオウエンス、ラフシモンズ、

          【2023年ベストバイ】今年買ってよかったもの

          2023-12-21: 兼業で商業連載をするということ

          2023年もダブルワーク、トリプルワークと、スケジュールが腸重積のように輻輳した兼業の一年でした。 私は大学院に進学した頃から商業連載を始めたので、足掛け10年ほど漫画家を続けています。 開始当初から理科系の大学院生と商業連載の二足の草鞋を履き、修士課程修了後はそのまま企業に就職したので、漫画家のキャリアを通じて兼業作家です。 キャリア初期には、まったく性格の異なる複数の職種に従事していく負荷に混乱し、どの仕事が自身の本業なのか悩みました。実際に、最初の連載作品はそういっ

          2023-12-21: 兼業で商業連載をするということ