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海堂尊「コロナ漂流録 2022銃弾の行方」

海堂尊かいどうたける著「コロナ漂流録 2022銃弾の行方」読了。

ノンフィクションのような社会派小説。

安保宰三あぼさいぞう=安倍晋三
酸ヶ湯儀平すがゆぎへい=菅義偉

などが出てくるので、読み進めるときに脳内で変換は必要。

「紅麴」で問題になった小林製薬の機能性表示食品について、この小説に詳しく書かれているというのをXで見かけたので、読んでみました。


安倍晋三といえば「お友達への利益供与」ですが、機能性表示食品の旗振り役だった阪大の森下竜一氏も安倍晋三のゴルフ仲間で、2012年の安倍内閣で健康・医療戦略室の参与だったとか。

森下さんが創業したベンチャー「アンジェス」はコロナ禍でワクチン開発に名乗りを上げ、株価は跳ね上がり、厚労省から75億円の補助金をゲット。

しばらくして、ワクチン開発は頓挫したと発表され、株価は大幅下落。

小説では、下記のように描写されています。

「高値の頂点での空売りさ。持っていない株を売り、後で買い戻す信用取引という空売りを悪用したんだ。…空売りで怖いのは、買い戻すときに株価が上昇していたら莫大な損害を蒙ることだけど、三木センセは株価が上がるはずがないと確信していた。そりゃそうさ、そもそもそ実際は「ワクチン開発」に着手すらしていなかったんだからね。…」

P273

森下さんは万博にも関わっており、顧問を務める株式会社サイエンスをスポンサーに押し込んだのではないかという疑惑もあるらしい。

株式会社サイエンスといえば、ミラブル。

…「シャワーヘッド」についての情報が、大きなヒントになったんです。あれは「効果性表示食品」と相同の「効果性表示物品」で、治験を途中で放棄したにもかかわらず大々的な宣伝を打って、大ヒットしています。

P285

調べたところ、「効果性表示物品」というのは見当たらなかったので、この真偽は不明…。

ただ、「効果性表示食品」についての話だと思っていたら、万博まで話が行き着いたので、興味深かったです。

万博は五輪とそっくりな構図のようですね。


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