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子育て難易度は所詮ガチャ

子どもによってこんなにも育児の難易度が違うのか、と教えてくれたのは次男である。

長男は3歳の今にいたるまで、本当に育てるのが楽だった。夜泣きは少なく、身体の発達が早く、野菜を好んで食べて食欲旺盛、人見知り場所見知りせず外出先でもご機嫌、1歳過ぎにはベビーサインを操り細やかに意思を伝えてくれ、癇癪も少なかった。新生児の頃から勝手に寝るので、寝かしつけもしたことがない。
2歳の頃、友人の家にお泊りさせてもらったときなど、自分から寝室に向かい自分で布団をかぶって「おやすみなさい。」と寝てしまった長男をみて、同じく2歳の息子を持ち寝かしつけに苦労している友人は「何々!?こんなことってあるの!!」と衝撃を受けていた。

あまりにも子育てが楽勝なので、子どもは2人欲しいなぁ、とかねてからの夫の希望に軽々しく乗り、年子(長男が早生まれなので2学年差)で下の子を授かった。

さて、次男は、というと、難易度MAXとはいかないまでもなかなか難しい子である。

本当にいつ寝たら良いんだろう、と途方に暮れるほど夜通し続く夜泣き、生まれつき肌が弱く肘が擦れて出血してしまうため抱っこ紐を使えない、おすわりできる時期になっても腰が座らず、離乳食を食べさせるときは膝の上で抱えながら、ベビーカーが使えない外出先では常に片手で抱っこしちょっと脇に座らせて何か他のことをといった動作ができない、結局腰が座ったのは他の子がひとり立ちし始める11ヶ月、離乳食はベチャッとした食感を嫌い、硬めのものでないと口にしないという食感ソムリエ、外食中に泣き叫ぶ(これはまぁ、普通の赤ちゃんならそうなる。長男が特殊なだけ。)、気に入らないことがあると五体投地をするかのごとく床に体を叩きつけて激しい癇癪を起こす。
他に、アナフィラキシーを起こす重度のアレルギーがありアレルゲンを含む食物の完全除去を行なっている。

こう書き出してみると盛りだくさんだ。近しい人が見たら身バレしそう。

次男が生まれて長男はどうなったかというと、どうもならなかった。変わらず育てやすいタイプのまま赤ちゃん返りをすることもなく、生まれたての次男にお布団をかけてあげたり(窒息しそうで親は気が気でないが)、オムツ替えのときにはオムツ入れからオムツを一枚取り出して私に手渡すなどして甲斐甲斐しくお世話してくれた。
前世は徳の高い僧なのではないか、とみんなに言われてしまうほどの人間何度目感である。


まったくタイプの違う兄弟を育てて思ったのは、子どもの育てやすさなんて本当に単なるガチャ、ということだ。赤ちゃん返りを防ぐために長男を尊重する、などの工夫はしたものの、基本的に本人たちの性質(=育児難易度)は親がどうこう操作できるものではない。
親の育て方が悪いのではないし、子が育てにくいからといって子が悪い訳ではない。子は子である。どんな性質を持っていようが、子はただ生まれてきただけである。

次男がどんなに難しくても「はいはい、子育てガチャ、難易度『ハード』の子がやることは違うね〜。」ぐらいに思っていたため、頑張っているのになんでうまくいかないんだろう、という思考に陥らず済んだように思う。

ちなみに長男の性格は破天荒タイプである。公園や子育て支援センターなどで知らない人にもバンバン絡みに行き、度を越した社交的さからトラブルに発展しそうになることもある。
絶対に人様に迷惑をかけてはいけない、というポリシーの親ならば、たぶん数分で心が折れるだろう快活さだ。

子育てガチャは、子どもの性質と親の性格がマッチしてようやく難易度『イージー』になる。うまくいかないこと山積の次男育児も、イレギュラーを楽しむ性格の母の前では難易度『イージー』だ。どんと来いヤァ。
やっぱ撤回『ノーマル』ぐらい。

長男も次男もめちゃくちゃに可愛い。

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