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プレイリスト

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いつからか特別な存在になっていた 耳の奥に、頭の中に、在る音について
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0414 ビューティフルスランバー

にちようび、西新井駅前に出店しているお友だちのコーヒートラックへ寄る。 ブルータスのドーナツ特集を眺めたり、最近のことについておしゃべりをしたりしているうちに陽はビルの陰に姿を隠し、時刻は17時になろうとしている。 あれ?もうぎりぎりだ、大変大変、 じゃあねと手をふって電車に乗りこむ。 四月の夕陽にでれでれと照らされてつくばへ向かいます。 つくばエクスプレスからぼうっと眺める西の空。 この頃の夕焼けは綺麗でなんだか誇らしい。 淡いオレンジに染まる空の下には連なる家、その

映画と海

あらゆるものを、さしおいて、いちばんにくるもの。 さいごのさいごを、むかえるときに、えらぶであろうもの。 それを目の前にすると、さいごのさいごをむかえるならこれとともにありたい、どうせならいま此処でもよい、と、うっすら思う。 そういう存在のこと。 心の波が呼応する。血液の心臓から押し出されるリズムが呼応する。そのうちに心臓をぎゅっと掴まれている。 それが心地よかったのに、その空間をひとたび出てしまうと全部泡のなかに消えてしまうみたいでいつも寂しい。 そういう時間のこ

1017 潜水日記

まだ波打っている。海の見える街に寄せては返す波が、頭の中で、心の中で。 波を鎮めようとするのだけれど、波がうつくしくて心地よいものだから、また潜りたくなってしまう。 どうしてわざわざこんな仕打ちを自分に与えてしまったのだろうと思う。深く潜らなければ、海を漕ぎつづけてさえいれば、手足を掻いて上がってくる必要も生じなかった。 それでも、潜りたくなるときがあるのだ。 逃げるのとも違う、ただ、自分の乗っている安全な船からよいこらせと降りてしまって、この目と耳にふれてみたくなる

すべての若者たちへ。

すべての若者たちへ。 大学在籍中にメジャーデビューし、アルバム「若者たち」を24歳でリリースしたバンドである。彼らがわたしと同じ歳だったときにはすでに、世間からの認知を得て、いくらかの定まった見方をされていたことだろう。 だからわたしは、「若者」と言うにはやや歳をとりすぎたかもしれない。 しかし、そうだとしても。 「すべての若者たちへ。」という一言の添えられたこの作品から、わたしたちが受け取るべきメッセージというのは、なんだろう? バンドとは。ロックとは。ライブとは。

くじらの泳ぐ海は優しい

「失われた時を求めて」 灰色ロジックが「知らない街」を始めたとき、頭に浮かんだのはそんな言葉だった。 それはもちろん、ライブへ行く途中に読んでいた「羊をめぐる冒険」のなかで、主人公がプルーストの「失われた時を求めて」を持っていながら半分も読んでいない、というような内容が出てきたことに関係しているのだろうし、わたしはその本を1ページも読んだことがないのだけれど、とにかく、それをもってしても、灰色ロジックの音楽はある種の「失われた時を求めて」いる趣があると思う。 それは例え

星降る夜に

バスに揺られながら夢のなか あなたとおしゃべりしていた 目を開けるとオレンジ色の大きな月が目に飛びこんできてバスを降りる オレンジの月を背にピンクの壁をめざし歩く 壁の向こうから漏れる音に胸が高鳴る つくばにて 自虐的で挑発的で でもきっとまっすぐなひとの放った言葉、 灰色ロジックを聴くと風景が思い浮かぶんだって わたしもそうおもう、 わたしもそうだ 歌詞に自分を重ねるわけでもなく、ただ、風景をながめるように音に耳をすませて 目の前の風景や記憶の中にある風景

くじらとチョコレート

はじめて弾き語りのライブにいった ちいさなライブハウスはまるでチョコレート色の水槽だった 水族館の大きな水槽のように深く暗い地下室はしずかな熱でみちている 水槽に赤ワインを数滴垂らしたみたいな色あいで 灯りが照らすのはくじら、 チョコレート色の水槽の中を泳いでいた 深海魚のかたちをしてくじらをみていた くじらはあまりに大きいので 眼の前にあらわれると太陽も星も月も隠れてしまう 光は閉ざされて真っ暗だ くじらの澄んだ瞳に映る光をたよりに泳ぐ うつくしいものだけ

下北沢シェルター0912

心がどうなっちゃうのか、どこに飛ばされちゃうのか、こわくなるくらいすきな音楽がある。 音楽活動にかかわりのない生活をしているわたしにとって、ライブハウスというのはすごく遠い存在であって、いつも会社をでてライブハウスに向かう日は、別に行かなくてもいいかなあ、とかんがえる自分がいる。 そこにいこうといくまいと、明日も会社に来ることには変わりないのだし、あんまり心がうごかされてしまうと会社に行きたくなくなってしまう、それくらい、ライブハウスと会社というのは次元のちがう世界である

いちばんの、その音を

きょうみたバンドの曲をさがして聴いている。気分のいいじかん。 とてもいい夜だった、 頭を悩ませながら働いたほどほどの充実感をたずさえて、雨に降られながら新宿へ、ひさしぶりにたくさんのバンドをみれた気がする。 音のシャワーを浴びたみたいな感覚が脳みそを丸洗いして きょうはじめてみたバンドはどれも本当にすきだった いかにも幸せな夜で ほわほわと会場を行き来して、 それで最後が灰色ロジックだったのだけれど ほんとに、なんでだろうね、ぜんぶぜんぶぜんぶ、ぜんぶ、塗りかえ

人生賛歌を抱きしめて夢をみている

立っていられないくらい眠たくて眠りにつく 泥のように眠って夢をみる、夢をみている 昼間の星は絵に描いたみたいなぽっくりとした雲に見え隠れして 今はまだ手が届きそうにもない 星までのぼっていかなくちゃいけない、そこでしかみられない景色がある なのに星があまりにも多くて 迷子になって雲から宙ぶらりんだ、ゆらゆら揺れてちぎれそうだ 空ばかりみて足下の花を見すごしていないかたしかめる、小さく揺れる花もぜんぶ摘んでから星を掴みたいから 夜になったら月をみる 友だちをもとめて

目玉焼きが笑ってら

胸の前で目玉焼きがわらってる 目玉焼きをのせたトーストとホットコーヒーの描かれたモーニングTシャツ。するりと風にゆれて、朝の雨も風も心地よくかんじる。 7月3日。きのうは人生を目の当たりにしたみたいなライブをみた夜だった。 そそくさと会社をでる、会社はまったく嫌いじゃないけれどそれでも逃げるように階段を駆け下りる18時3分。毎日あの瞬間が気持ちよくて、 遅れて到着した下北沢近松、フロアーはうしろまでひとが入っていたけれどうしろからでもステージはよくみえた。 みたバン

みるたびにすきになる音

ライブハウスに音を聴きにいった。 バンドを観にいった。 つくづく、ライブハウスというのはそこに立って音に耳を傾けているだけで良い、というのがなんだかとても落ち着く空間だ。 かえりみち、木曜22時の下北沢はやけに静かで、さっきまでの音と光は闇に飲み込まれてしまいそうだ。 なんだか、今夜はどうにもあったかい夜だったね、素敵だった、一人でも心地良く笑えた。 フロアライブというのは、曲に感情が入り込みすぎないかわりになんだかあったかい気持ちになって、それもそれでとてもすきだ

ノックアウトフェスについて。

きのうとおとといは下北沢のノックアウトフェスに行った。 お目当ては二月にみた3組、 ユメギワガールフレンドと灰色ロジックと、オーガニックコール。 ユメギワのボンバー頭もきのこ頭もロン毛も健在だったし、「ギターロックがすきだ」と喉から声を押し出すように歌いあげるその姿は強くて勇ましかった。 満員でみた灰色ロジック、張替さんの靴下は見えなかったけれど、あいかわらず「生活の空」で涙がにじんできた。 ベトナムでまいにち聴いていた、オーガニックコールの「此処から」がはじまった

何度でも出会って何度でもすきになる音を

きのう食べたラーメンが胃の中であばれている。 ライブのあとはラーメン、なんて誰が言いだしたんだろう。 12月のつくばぶりに、灰色ロジックをみた。吉祥寺Planet Kにて。 吉祥寺には何度もきたことがあるけれど、ライブをみるのははじめてだ。 ライブハウスにはいるとYUMEGIWA GIRL FRIENDが曲をやっていた。 フロアライブなので真ん中につくられた演奏スペースを囲むようにお客さんが立っている。バンドは輪になって、向かい合って演奏している。ドラムが近くでみられる