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0414 ビューティフルスランバー

にちようび、西新井駅前に出店しているお友だちのコーヒートラックへ寄る。
ブルータスのドーナツ特集を眺めたり、最近のことについておしゃべりをしたりしているうちに陽はビルの陰に姿を隠し、時刻は17時になろうとしている。

あれ?もうぎりぎりだ、大変大変、
じゃあねと手をふって電車に乗りこむ。


四月の夕陽にでれでれと照らされてつくばへ向かいます。

つくばエクスプレスからぼうっと眺める西の空。
この頃の夕焼けは綺麗でなんだか誇らしい。
淡いオレンジに染まる空の下には連なる家、その上を流れる電線、その他、広い川または青々とした田んぼ。
それゆけ、北へ北へ。

30分ほど揺られてたどり着いたつくば駅は案外人が多くて、さっきまでの田園風景ははてどこへ行ったのやら、と首をかしげてみる。
しかしもう17時50分、歩け歩け。

きらきらの駐車場を抜けて本屋をかすめて地下へ。


海面に顔をだしたくじらが潮を吹いて海にふたをするみたい。
たっぷり2時間、わたしたちはふたをされたなかに含まれていた。浮遊して、海流にのって、踊る。

モーニング、初めに耳にしたときから大好きな曲、どこにも向けようのない心の叫び、ああここは海底なんだと知る。8月1日、もっと好きになる。

春のうた、忘れたくないもの、なんだろう。たぶんそれは今日という日、春のうたに閉じこめる。

気がつくともう海底からずいぶん離れたところまで浮かび上がっていて、海面をみあげるとぼんやりとした明かりがみえる。

月!
月が波に揺れて歪む。

僕のこと、ピース、白昼夢、ビューティフルスランバー、、
きっと大丈夫。
海から出て、月明かりに照らされて、歩きだす。
2時間浴びていたたくさんの光が幻のようだけれど、夢じゃない。

電車にのって帰る。
鈍行でとろとろと来た道を戻る。南へ南へ。
ああかっこいいバンドだった、ホールで観てるのかと錯覚するみたいだった。

やがて窓の外に観覧車が光の弧を描く。ヨットみたいなビルが夜空を漕ぐ。スタジアムが歌う。

家に帰る。
こくこく眠って、かがよう朝陽に目をこすったりひらいたりして、飛んだり跳ねたりしながら、きっと気がついたら夏になっているのだろう。

ありがとう、きっとまた季節の変わる頃に。



海のふたを 照らす月見て 浮かばれる 今宵の光は春のうた

(一応説明しますがこれは短歌
友人の影響で短歌を詠もうとしてみてる・・てきとう)