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旅情のまにまに

笑ってしまうほど強欲な先輩と旅行へ行った。昭和スタイルの父ちゃんが、がははと笑っているのを想像してほしい。とにかく欲が強い、我が強い、人目を気にしない。

身の丈に合っているものをいかに正確に、他人にたよらずに選びとるか、ということに頭を尽くしているわたしからみると、笑わずにはいられない。気持ちよいくらいのまっすぐな強欲さ。欲張りというのでもない、なんとなく、強欲、という言葉が似合う。お得であることと達成感を得られることに終始している。

おかげでわたしは毎日へとへとで、22時くらいに寝ていた。(その間先輩は部屋のベランダでビールをあけている)

ジェットコースター4.5days。こういう旅行をすると刺激的だ。たまにはわるくない。ひとりでは絶対にみられない景色を見られる。


そういうわけで、山口島根旅行第2弾、

川棚温泉長門湯本温泉温泉津温泉湯の川温泉、の順に毎日温泉につかって、肌をぷかぷかにして、毎日海をみて波の音に耳をすませて、大国主神に素戔嗚尊、天照大神、古事記に出てくる国譲りの話にすこしばかりくわしくなって、神在祭のさなかの出雲大社で日本中の神様にお詣りをして、

日本海で釣られたのどぐろやらふぐやらを食べて腹を風船のようにふくらませて、スリリングな電車乗り換えに息を切らして、岩場をのぼって手を汚したり灯台のてっぺんで恐怖にさわいだりして、筋肉痛になって帰ってきた。


さて、そうとなればいよいよである。わたしはわたしのカレーをつくる。

カレーと言えば、温泉津(ゆのつ、と読む)という温泉街でスパイスカレーを食べたのだけれど、温泉津には妙に東京っぽいしゃれたお店がたくさんあって、お店のひとにきいてみたらほとんど移住者ということだった。

以前は下北のカレーフェスで出店していたという店主さんのカレー、美味しかった。地域で採れる野草をブレンドしたお茶も。お茶のブランド名「小生活(こなまいき)」も。

本と喫茶のゲンショウシャ、ポークビンダルーとダルの2種盛り


旅というのは日常に区切りをつけてくれる。
古いものを棄てて、新しいものを身につけて帰ってくる。

来年はどこだろう、宍道湖スタートの城崎温泉あたりか、あるいは倉敷広島あたりか。外国もいいんだろうけれど、日本もまだまだたのしい。

トップの写真は山口の元乃隅神社。

夜の長門湯本温泉
出雲大社の本殿裏

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