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Day224: 妊娠中の憂鬱な気分と向き合う

妊娠がわかってから224日、もう何度目かわからないですが、深く落ち込む日でした(現在進行形)。
常に落ち込んでいるわけではなく、ふとしたタイミングでやってくるこの憂鬱な気分。
吐き出したいけど、どこに吐き出したらいいのかわからないので、ここに綴ってみようと思います。

マタニティブルー(ズ)っていうけどさ

「妊娠」「憂鬱」で検索をすると、マタニティブルーズという言葉が出てきます。
主に出産後の女性の精神状態を指すようですが、妊娠中の症状についてもマタニティブルーズという、と書いてある場合もありました。

マタニティブルーズは、出産後の女性の30-50%が経験します。マタニティブルーと呼ばれることもあります。出産直後は気持ちも高ぶっていますが、産後数日から2週間程度のうちにちょっとした精神症状が出現します。多くは、ふいに涙が止まらなくなったり、いらいらしたり、おちこんだりする症状がでます。人によっては、情緒が不安定になったり、眠れなくなったり、集中力がなくなったり、焦るような気分になったりします。大抵は症状も一過性であり、産後10日程度で軽快しますのであまり心配することはありません。自然に経過を見るだけで通り過ぎていきますので、雨宿りをするような感覚でやり過ごしてしまいましょう。原因としては、人生の一大イベントを乗り越えた後の気持ちの変化や、思い通りに子育てがうまくいかないことに対するジレンマもありますが、急激な女性ホルモン(エストロゲン)の低下など内分泌環境の変化に伴って症状が現れると考えられています。

日本産婦人科医会 女性の健康Q&A「マタニティブルーズについて教えてください」

こんなふうに誰でもなることだから「あまり心配することはありません」とか書かれてしまうと、何だかな〜、と思うのは私だけではないはず。
人によって置かれている状況はちがうし、この涙が溢れるほど憂鬱な気持ちのトリガーは、もっと真剣に取扱っていただきたいです(← 誰に?って疑問はさておき)。

計画・準備をして妊婦になったわけではない私

本当に突然で、子どもについて考えていなかったわけでもないけれど、真剣に考えていたわけでもない、そんなタイミングでの妊娠でした。
だから、妊娠がわかった時、ものすごい混乱しました。
理由は、予定をしていた台湾旅行に行けなくなる!という超短絡的なもの。

何言ってんの?

と、突っ込まれそうですが、その時はそれが悲しかったんですね。
台湾旅行 = 準備・計画をして楽しみにしていたこと
妊娠 = 青天の霹靂
驚き・混乱・困惑…つまり、全く「心の」準備ができていなかったんです。

計画したことをキャンセルするのは、それが何であれ辛い

私と夫が入籍したのは2019年の秋、コロナ前でした。
元々、結婚式をする予定はなかったので、その分、新婚旅行を楽しもうと2020年の夏に2週間の北欧旅行を計画していました。
その後は、説明するまでもありませんが、コロナが猛威をふるい世界が止まってしまい、旅行はもちろんキャンセル。
また旅行に行けるようになったら…と心に決め、コロナ禍の生活は進んでいったのでした。

そして2023年、海外旅行にも行けそうな雰囲気になり、早速計画したのが台湾旅行。
2週間の北欧旅行とは比べものにならないけれど、久しぶりに気分転換をしよう、と意気込んでいたのでした。

そんな中での妊娠発覚。
医師には「妊娠初期の海外旅行はやめてください」と言われました。
もちろん、「そんなに行きたきゃ行けばいいじゃん?自己責任で。」と、いう声も聞こえてくるし、妊娠中期までは気にせず海外旅行や出張に行っていた、と言う人の話を聞いたこともあったので、実際行ってしまおうかと直前まで悩みました。
けれど、結局行かなかった…
つわりがあって、台湾旅行のメインである食べ歩きが楽しめそうになかったから、この状態で行っても楽しめない、との結論に至ったのでした。

このキャンセルは堪えました。
子どもが生まれたら、旅行に行けなくなる訳ではないものの、確実に夫と2人の時のようにはいかないわけで、それがまるで「自由」を奪われるような気分だったのです。

今、できることをやっておこうと思ったのに

台湾旅行のキャンセルはつらかったですが、そんな私の様子を見兼ねた夫から

子どもが生まれてからだって行けるよ。
これまでとは違うかも知れないけど、違う発見や楽しみ方がでてくるよ。
大丈夫、行こう。

と言われ、その言葉を信じるしかありませんでした(夫には申し訳ないけれど、半信半疑です笑)。

安定期に入り、妊娠したことを周囲に告げるにつれ、お子さんがいらっしゃる方からのコメントが似通っていることに気がつきました。

「今のうちに一人でできること、たくさんやっておくといいよ」
「時間が自由になるのは今のうちだけだから、夫婦でお出かけしておいた方がいいよ」
「子どもができたら、自分の時間なんてないから、趣味の時間を大切にした方がいいよ」

このコメントに対して、「私が男性でも同じこと言うのかな?」と、もやもやした気持ちになったのは言うまでもありませんが、ライフスタイルが変わることは容易に想像できたので、そうだ、海外旅行は無理でも、今できることをやっておこう、と気持ちを切り替えたのでした。
普段と変わらず仕事をし、週末は趣味に励み、友人と食事をしたり、会社が提携する大学の社会人向け講座に通ったり…と、自分なりに「今できること」をやっていました。

予定日の6週間前から育休に入るから、そうしたら近場でいい、夫と旅行にも行きたいな、と(性懲りも無く)予定を立てました。
計画をたて、その楽しみを日々のモチベーションにする、ということに慣れていた、どうしようもない私の習性ですね…
そんなときに突然、【切迫早産】の診断がくだり、私はまたパニックに陥ったのでした。

※ その時のパニックっぷりは下記に記してます

妊娠に対してではなく、自分の未来にブルー

計画したことをことごとくキャンセルすることになり、そのたびにブルーになる私。
それは旅行だけでなく、切迫早産を言い渡される前に「出産までにやろう」「産休に入ったらやろう」と予定していたことにも適用されるわけで、行こうと思っていた美容院の予約のキャンセル、なんてレベルのことでもブルーになるんです。

子どもを持つ = 失うこと ばかりなのか

自分の気分がどうして沈むのかを考えると、決して「子どもを持つこと」に関してブルーになっていないことに気がつきます。
と、いうか「出産後」にまで考えが及んでいない!(← 大丈夫か…自分…汗)
私の気分が沈むのは、私自身が計画したことがことごとく実行できないからで、「子どもが生まれたら【自由】にできなくなる」という考えに取り憑かれてしまっているからなのかもしれない…と、ここまで書き進めて気がつきました。

子どもが生まれたら「●●ができなくなる・しづらくなる」という情報が多溢れていますよね。
それは数多の子どもを持つ人々の経験談に基づいているから、そりゃそうなんでしょうけれど。
逆に子どもを持つことによるポジティブな影響は何なんだ?ってなると、まとまった情報として見えてこないのはなぜでしょう?
子どもを持たない選択をする人が増えるわけだわ、と妙に納得してしまう自分がいます。

計画できない、不確定な未来への不安

もちろんきっかけは「妊娠」ではありますが、憂鬱な気分の原因は「計画どおりに物事が進められない」もどかしさ。
【子ども】という予測不能な人間が、夫と私という2人で築いてきた関係に新たに加わる、そしてその【子ども】は言語でのコミュニケーションも取れなければ、私たちのケアがなければ生きていけない存在なわけです。

嗚呼、まさに未知の世界…

けれど、子どもを産む、と決めた時点で、そうなることは想定できた訳で、だからこそ、出産後の生活についてはある程度「考えたり、思い悩んでも仕方がない」と覚悟のようなものはあるのです。
(※ だから出産後のことはあんまり考えていない、というのは、自分自身への言い訳でしかありませんが…汗)

ただ、気がついていなかったのは、準備・計画して、実行することが比較的容易でなくなるという変化は、【妊娠】と同時に始まっていたということ。
【妊娠】した時点から、その変化を受け入れざるを得ないわけで、もちろん多少の猶予期間はあるものの、やはり「不確定な」未来は始まっているわけです。

この「不確定な未来」という事実を認識し、妊娠224日目の私の心は落ち着きました。
と同時に、もう産んだ後のことから目を逸らさず、考え始めた方がいいんだよな、という意識も芽生えました。
私はかなり、こういった意識が芽生えるのがスローなタイプだと思いますが、それでいいじゃない!と開き直っています。

準備して、計画して、備えることも大切ですが、それに疲れて前にすら進めなくなってしまったら、元も子もない!
のんびり変化を受け入れていく、これが今の私の精一杯なのでした。

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