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大統領選の討論がもし関西弁でめっちゃカジュアルやったら…。

この記事は、9月26日に行われた大統領選挙の公開討論会について、npr.orgの全文書き起こしを元に、特に言い合いになった部分を関西弁かつカジュアルに訳したものです。意訳している部分もあったりしますが、公開討論の面白さ(いや、不毛さ?)を知ってほしいためですので、ご了承ください。
※司:司会、ト:トランプ、ヒ:ヒラリーです。

<経済政策について>

司:どうやったらアメリカで仕事増えますかね?なんで自分の方が大統領なったほうがいいと思いますか?
ト:お金持ちと会社がいま国外に逃げよるから、引き止めるためにあいつらの税金を下げます。そしたらアメリカの経済が成長して、仕事が増えます。
ヒ:いや、そんなん言うて金持ち優遇したせいで2008年の意味不明なレベルの経済危機起きたんやろ。金持ち優遇でそんなんできひんねんて。
ト:はぁー?お前逆に金持ちからお金取るとかいうてるけど、30年間政治家やってきて、そんなん言うて解決してへんやん。おれは初めて政治家するからできる。
ヒ:うちの旦那(ビル・クリントン)まじそのやり方で1999年にいい感じにしたやん。NAFTAのおかげで製造業の人たちのお給料過去最高になったんやよ?
ト:NAFTAにお前の旦那がサインしたせいでアメリカの製造業はぐちゃぐちゃになったんや。
ヒ:いや、もう、そんなんデータ無視の個人的意見やん…。

<TPPについて>

ト:お前ほんであれやろ、TPP(環太平洋自由貿易協定)承認するつもりやろ。NAFTAくらいやばい条約やのに。TPP賛成やもんなーお前。
ヒ:は、当初反対しとったやん明確に。ほんで現政権で交渉が成立したけど、まだ承認するって言ってないやん。
ト:いや、お前は「最高レベルの貿易協定やー!」って騒いどったで。
ヒ:言うてへん。
ト:「史上最高に良い条件や〜」って言うとった。
ヒ:…言うてへんていうt
ト:ほんで急に「反対しまーす」っていい出した。w
ヒ:まぁ妄想の世界で生きとったらええわ。とりま私が言うたんは、好条件やったら承認するってこと。ほんで交渉が蓋開けてみたら到底承認できるような内容やなかった。だから反対するって言うてん。
ト:…と、いうことはー?オバマ大統領のミスってことですねー?
ヒ:あのねぇ…
ト:オバマ大統領のミスってことですねー?
ヒ:ほんましょうもないから、ちゃんと議論しよ。この国にとって何がいいかどうかを。

<国の債務について>

ヒ:トランプはお金持ちを減税し、でも社会保障はちゃんとするって言うて、アメリカの借金が5兆ドル増えるって計算されてる。これ大問題やろ。
ト:お前の政策も結局1.3兆ドル借金増えるやろ。しかもそれどうせISISの戦いに注ぎ込むんやしな。だってお前のWebサイトいったら「ISISと戦います〜」言うてるしな。ダグラス・マッカーサーはそんなの許してくれるんですかねぇ。
司:ちょっと次の質問行きたいんでいっていいですか。
ヒ:(無視)少なくともあんたよりはISISとの向き合い方わかっとるわ。
ト:敵に作戦ばらしてどないすんねんw
ヒ:ばらしてへんやん。
ト:はぁああ、大変どすなぁ人生かけてISISと闘う人は。

<税制政策について>

司:ヒラリーさん、主張する税制について説明してください。
ヒ:今晩終わったら、今日の討論会で起きたことでめっちゃ怒られそうやわ。
ト:そりゃそやろw
ヒ:まぁ、せやな。だからせいぜい意味不明なこと言って盛り上げてくれやディベート。
ト:海外に逃げてる企業を国内に呼び戻すことの何が意味不m
司:トランプさん、ちょっと黙ってください。ヒラリーさんの2分ですから。
ヒ:司会、2分もっかい計りなおしてな。ほんでな、トランプ。あんたの税制読ましてもろたけど、海外にいるアメリカ企業呼び戻すような税制ちゃうやんこれ。だってその部分の税制いじる気ないやん。
ト:おまえちゃんと読んでへんやろ俺の政策!(怒)
ヒ:ちゃうちゃう。海外にいる企業呼び戻すんは賛成できるねんけどな、あんたの税制はそこじゃなくて、もっともっと超ド金持ちへの税制優遇やねん。つまりな、あんたへの税制優遇やねん。そこでこれを「トランプ・ループホール(抜け穴)」と名付けましたよーん。
ト:誰がそんな名前つけてん!(怒)
司:おい!ヒラリーの2分や言うてるやろ(激怒)

<トランプの脱税疑惑について>

ト:脱税疑惑がうるさいから、まぁ監査終わるまで待てや。監査終わったらちゃんと納税申告書見せるから。あ、ちょいまって。やっぱこうしよ。ヒラリーが例の疑惑のeメール見せるんやったら、わいも納税申告書見せるわ。
司:つまり交換条件だと…?
ト:あいつにeメール出させぇや。なんで3万3000件もメール削除してんねん。
司:と、トランプさん言ってますが?
ヒ:出た出た、トランプのお得意技。あのなあ、40年間歴代大統領は納税申告書を提出してきてんねん。なんで金持ちのお前がそれ出せへんねん。理由は、そんな金持ちじゃないか、寄付してないのがばれんのが嫌なんか、それとも実は脱税してるんがバレるんが嫌なんか。どれかやろ?
司:ちなみに、eメールのことも何か話します?
ヒ:あぁせやった。私は個人的なメールの扱いでミスを犯してしまいました。
ト:そらせやろ。
ヒ:もう一度やり直せるんやったらあんなミスは犯せへん。でも言い訳はできひん。責任はとらなあかん。
ト:ちゃうおまえ絶対わざとやん。ミスとかちゃうやん。絶対わざとやってるやん。お前らみんな黙秘権で逃げよったけど。ほんでな、俺の納税申告書の件やけど、まぁ見とったらええわ。俺は金持ちやし、ちゃんとやってることわかるし、なーんもやましいことあらへんからな。

<人種差別問題について>

ヒ:なんやアフリカ系アメリカ人コミュニティとかヒスパニックコミュニティとかが危険いうて、警察のStop and Frisk(警察の職務質問に関する対応。対象が圧倒的に黒人、ヒスパニック系が多く、問題視されていた)は割と有効やったとかいうてるけど、明確にもうこれはあかん政策やったって言われてるんやから。何がコミュニティにとって良くて、あかんかはちゃんと考えやんと。警察のためにもな。
司:えー、では人種問題について、引き続き質問を続けます。
ト:ちょっとヒラリーに返答してもいい?
司:あ、どうぞ。
ト:アフリカ系アメリカ人のコミュニティっていうのはほんまかわいそうでなぁ。政治家に失望させられてんねや。選挙前になったら「良くしたるでー」言うて、選挙終わったら「ほなさいなら」や。特に都心部のアフリカ系アメリカ人コミュニティなんて、委員会作らされて、民主党の票になるための活動させられて。100年も操られとんねや。
司:あのー、トランプさん…。
ト:ほんで今回な、キャンペーンでデトロイトとかフィラデルフィアの都心部の街にいってんけどな、ほんまそういうコミュニティの人らが政治家の言うてることとやってることが全然ちゃうって困っとったわ。
司:あのー、トランプさん…。
ヒ:たぶんトランプは怒ってんねん、ディベートの準備をしてきた私に。さらっときれいにまとめて言われるから。せやで、もちろん準備してきたで。その間あんたは何してきたんやろなぁ。私は大統領になるために準備してきたっていうのに。

<オバマ大統領のアメリカ出生を長年認めなかったことについて>

:トランプさん、あなたは5年もの間、わが国初の黒人大統領について国内で生まれていないという間違った主張をしてきました。しかし、ここ数週間でその事実を認めました。アメリカ国民がずっと認めてきたことを認めるのになぜそんなに長くかかったのでしょうか。
ト:答えは簡単やでー。もともとこれはむかーし、ヒラリーとオバマが戦ってたときに、ヒラリー陣営のやつがオバマの出生を疑い始めて、それからわいも疑い始めたんや。出生証明書が出てこやんかったからな。でも出てきたから満足や。オバマはアメリカ生まれや。
司:それ2011年の話なんですけど。
ト:わいはISISを倒したいんや。雇用を作りたいんや。国境を強くしたいんや。わいと国にとって必要なことに注力したかっただけの話や!
司:ここは非常に重要なので議論をずらしたくありません。オバマ大統領の出生証明書は2011年には存在しました。にもかかわらずあなたは今年1月まで引き続き出生地への疑念を主張し続けた。何があなたを変えたのでしょうか。
ト:だって誰も気にしてへんかったし、わいに何も圧かけてこやんかったし。っていうかおれがあいつの出生証明書を出させたんやで。その功績讃えろや。昔はヒラリーも疑っとたったのになぁ(白目)
司:すみません、整理させてください。ここでは人種間の溝をどう埋めるかという議論をしています。あなたはアメリカ国民に対して何を
ト:何も言うかいや。あんな、わいがオバマに出生証明書出させたんや。ほんまやったら自分でもっと前に作っとくべきや。ほんでな、人種間の溝の話でいうとな、わいはここ最近ほんまアフリカ系アメリカ人とええ関係つくってきたんやで。
司:えー、クリントンさん何かありますか。
ヒ:いえ。もうただ今の言葉を皆さん聞いてもらえれば。(会場爆笑)

ヒ:まぁ付け加えるんやったら、トランプは人種差別主義者っていうことを言わせてもらうわ。まずトランプは、1973年に人種差別が理由で司法当局に訴えられてるわな。自分のアパートには絶対アフリカ系アメリカ人住まわさんかったから。2回も訴えられとんねんで。まぁでもオバマ大統領とミシェル夫人が言うとったんが偉いわ。「あいつらが低俗にいくなら、わいらは高貴にいこうや」って。最高やわ。

<安全保障について>

ヒ:この辺から「Fact Check」機能(ヒラリー陣営がWebサイトに取り入れたサービスで発言の真偽を事実ベースでチェックする)ちゃんと回してなー!ほんま好き勝手言い寄るから。まず第一に、オバマ政権のイラク政策めちゃくちゃ批判しよるけど、お前もともとイラク侵攻賛成やったやん。
ト:は、誰がやねん。
ヒ:いや、もう何回も言われてんねんからええやん。
ト:は、誰がやねん。
ヒ:お前リビア政策、イラク政策に賛成しとったやんけ。あと言うとくけど、イラク侵攻決めたんオバマ大統領じゃなくてブッシュ大統領な、お前のとこの党の。

(中略)

ヒ:ほんでテロ防ぐためにはNATOとか同盟国とか中東諸国と協力してやっていかなあかんねんけど、お前そういうの絶対無理やろ。あれだけ海外の国バカにして。
ト:NATOとかと協力しなあかんのはわかっとるわ。問題はあいつら全然カネ払わへんやん。NATOなんてコストの73%がアメリカ持ちやで?なんでなん。ちゃんと決められた額払わんかい。

(中略)

司:トランプさん、あなたはイラク戦争に賛成していましたよね?
ト:してへんわ。
司:いやしていたと残っています。
ト:それはマスゴミが勝手に作ったやつや。ほんまあれやな、ヒラリー陣営の最優秀賞は、このマスゴミどもやな。イラク戦争には反対しとったんや!
司:では、なぜあなたの判断は…
ト:イラク戦争には反対でした!ちゃんとインタビュー遡らんかい。ショーンってやつに2004年にインタビューされとって、イラク戦争賛成派のショーンに「お前反対派やねんなぁ」って言われるやろ。わいはショーンのインタビューでちゃんというてんねん。ショーンに聞いてこんかい。ショーンやショーン。その前のインタビューはようわからんけど、ショーンに反対っていうてんねん。
司:私が言及しているものは2002年の発言です。そして質問は、どうしてヒラリー氏とあなたとで意見が異なるのでしょうかというものです。
ト:ふぁーーー、そんなもんそもそもがな、人格的にヒラリーよりわいのほうが優れた気質持っとるからや。わかるやろ。ヒラリーは何億ドルも使ってわいの悪口言うCM流しまくっとんねん。わいはそんなんせぇへん。
司:ヒラリーさん、何かありますか。
ヒ:お、おうふ。


(中略)

ヒ:あのな、核問題の件やけど、お前は他の国が核武装してもええって言うてるねん。日本とか韓国とかサウジアラビアとか。これはな民主党も共和党も平和を維持しようと頑張ってきた政策に明確に反してんねん。核を減らして、なるべく持たないようにしようっていう。そういうことも理解できひんやつにはな、核爆弾もたせられへんねん。ちょっと挑発的なツイートされたくらいでブチ切れるような輩に、核爆弾のコードは指一本触れさしたらあかんねん。
ト:俺が言うてるんはな、日本も韓国もドイツもサウジアラビアも、どいつもこいつもちゃんと守ってる分金払えやいうことや。もし日本がカネ払わへんねやったら、もうアメリカは日本守りませんよいうこっちゃ。
司:次の質問に移りましょう。
ト:ちょい待ちいな。大事なとこやねん。おれが言うてるんは、アメリカさんが逃げてもいいんですかいうこっちゃ。こんなに強いアメリカがどっか行ってもいいんかいな。それが嫌やったらカネ払わんかい。

(中略)

ヒ:あのな、言葉ほんまに気つけえよ。大統領になるっていうのは、ほんまに一言一言大事やねん。日本とか韓国みたいな同盟国侮辱すんなよ。一緒にアメリカの平和を守ってくれるアメリカの同盟国やぞ。讃えんかい



<大統領っぽく見えない>

ト:一個だけ言わせてくれ。ヒラリーはな、大統領になるとか以前に基本的な能力がないように思うんや。だってそうやないかい、過去何年も政治家してきて、何もできてへんねんで?能力ないんやろ、基本的に。
司:トランプさん、ヒラリーさんは民主党の大統領候補に選ばれた方ですが、その方が大統領っぽくないと?
ト:せや、大統領っぽく見えへんねん。スタミナないやろあいつ。
司:とのことですが。
ヒ:120カ国と外交をし、停戦合意も行い、11時間も議会で議論してきてんねんけど、それでスタミナないとか言われたらもうあかんわ。
ト:せや確かに経験あんねんけど、ぜーんぶあかん経験や。イランとの合意も全部あかん経験。こんな経験あと4年も大統領なってされたら困りますわ〜。

ヒ:あんなぁ、ほんならいわしてもらうけど、そういうお前は女のことを豚とか犬とか言うし、妊娠は経営者には不都合とかほざいとるよな?
ト:言ってへん(なお言っている模様)
ヒ:ほんでお前がミスコンでかつて豚って言うた子、あの子なあちゃんと名前あんねんぞ。ほんでラティーノやったけどちゃんとアメリカ人なって今回投票行きよるわ。

ト:人格についていわしてもらいましょ、ほんなら。ヒラリーさんとこは何億ドルもかけてTV広告でわいの悪口の広告流してるやろ。何回も何回もわいとわいの家族侮辱してなぁ。あれわいも別にできるんやけど、人格がそれを許せへんのや。大統領なる人間はこれくらい人格よくなかったらあかんわけや。あー怖い怖い。こんな品格も何もない人に大統領なんてなってほしないわ。

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特に政策論争にはならなかったり、ただの言い合いになったところだけをピックアップして意訳しています。2人はちゃんと討論もしておりますので、そちらのまとめ記事も先に書きました。気になる方はそちらもご覧ください。

では、僕の方は今からテキサスに飛んで、共和党の州へ行ってまいります!

とんふぃ@ソルトレイクシティ(朝7時半)でした〜!






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