見出し画像

文学フリマ東京にド素人が初出店した

 いつもはレポート記事とか変な企画ばかりしてる私が文学フリマに出た。
 『リトルプレス』って単語がかっこよかったから、少部数の本が出したくて、なんとなく。

 なんとなくだからあいにく、私はそういう本にするような内容を今まで人様にお出ししたことが無い。一緒に出店する仲間はいるが、とにかく不安だ。

 そんな私だったが、どうにか当日を乗り越えた。頑張った。
 これから出店するぞ!って人には不安を少しでも大丈夫にしてもらうために、それと私のことをいつも応援してくださる方には頑張ったんだなぁと思ってもらうために、事前のことから終わった後まで今後のために書き残しておく。

 一応参考までに、私はジャンルを「詩歌|その他」で登録した者です。評論とかジャンルによって売り方違うかもしれないという噂も聞くのでね…


事前にがんばったこと


 不安というのは端的に言うと「手に取ってもらえなかったらどうしよう(不良在庫がたくさんあったらどうしよう)」という不安だったので、自分を落ち着かせるためにいろんなことをした。

①本をクソ早めに入稿した


すべてに等しく私が書いた文字が刷ってウケる

 本当はギリギリまで粘って内容をブラッシュアップすべきなんだけど、11月11日が当日だったのに対して10月の上旬に入稿した。

 というのも、早めに入稿すればするほど安くなるから。どちらにしろ素人はスペース代までは回収はできないので、お財布はあんまり見ない方がいいんだけど、同じものが出来上がるなら安いに越したことはない。サイトを見た感じ予定数超えたら早めに締め切られることもあるし、先に注文(枠の確保)だけはした方が良さそうだった。

 印刷はちょ古っ都印刷工房が他のところと比べて頭一つ抜けて安いので、そこにお願いした。安いけど、他の印刷所とも見劣りしない仕上がりで嬉しい。
 読専のみんなにはハテナだとは思うけど、一応本を刷る人のために私はこういう内容で刷ったよってのを貼っておく。ちょ古っ都印刷工房は送料も無料で色見本をくれるから、早めに頼むんだぞ。

表紙の種類:アラベール スノーホワイト 160kg(ちょっと厚みがあって触り心地がいいやつ)
本文の種類:上質 90kg(ページがしっかりとしていて、めくった感覚が小説よりも強い感じになる)
表紙:PP加工【マットPP】(全体に印刷をするため色写り防止として。触ったときの感覚はわからなかった)
製本方法:くるみ製本
とじ方:右とじ


②手売りしまくった


  実は値段とか踏まえても10月上旬にお願いするのはかなり早い。

 さらに、今回私はキリの良さと沢山刷るとその分安くなるために、今回50部も刷った。これは、まだ実績もない素人が特に東京で雑文を売るにはかなり攻めた数らしい。30部あればちょっと余るかもぐらいだと今回一緒に出た友人が言っていた。

 だから当日に50売るのは最初から考えてなくて、私は先にnoteやらTwitterやらディスコードのサーバーなど、私のことを応援している人にまず片っ端から頭を下げて買ってもらって、感想乞食をしまくった。
 

 そうすると、ありがたいことに割とみんな買ってくれるし、購入してすぐツイッターで読んでくださった感想をツイートしたり、長文でDMに送ってくださる方が沢山いた。感想は印刷していつでも見れるように手元に置いてます。本当にありがとうございます。


緊張でふにゃふにゃになっちゃった(流石にボツ)


 それと今回、この方向性でやるきっかけである現代短歌の申し子である木下龍也先生に「先生が詠まれるような短歌が詠みたくて、拙いながらもリトルプレスを出すことにしました」と別のイベントで一冊献上した。57577ではおさめられてないし、宛名は緊張で目も当てられないほどふんにゃふんにゃだが、いつか「いつか本出したらそれで返してください」と個展で何も知らなかった私に処女作をくださった先生にお渡しできるかもしれないと考えたら、イベントに合わせて早く刷らざるを得なかった。


③しっかりめに電子カタログを書いた


https://c.bunfree.net/p/tokyo37/32020

 意外と読む人が多いという噂を聞いて、電子カタログは書ける欄は全部書いて、中身(渾身のやつ)も載せた。ありがたいことに、気になるというボタンを押してくださった方や、

 私とはまだ知り合いでもないのに、作品ページのスクショを貼って気になる本と紹介してくださった方もいた。非常にありがたい。noteではいつも応援してくださってる方に届くけれど、電子カタログは欲しい本を2000ぐらいあるサークルから掘り出して見つけてくる酔狂な人に届くから、内容は重複してもちゃんと書いた方がよさそう。


当日頑張ったこと


会場の目の前に『物流』があってウケる

 30分ぐらい前から出展者の列はできてた。お散歩してから並んだので、かなり待つかなとは思ったけど、チケット渡して出展者証貰うだけだからけっこうすんなり列は進むしすんなり入れる。

 スペースは家とかにあったものを総動員して作った。これぐらいのクオリティーなら30分あれば余裕で作れる。ポスター下げるやつは1000円するから、ボードに裏ペットボトルで立ててどうにかした。あとは趣味のエサ入れとタブレットスタンドと印刷した値札を適当に配置してターンエンドだ。(この後全部崩壊します)

①無配を配りまくった

 早めに入稿したせいで入れられなかった内容を追加パッチと称して家のプリンターでコピー用紙を100部刷り、道行く人に配りまくった。

 受け取ってくれる人は『無料だから』とか『なんとなく』でもらっていく人が多いが、受け取った途端広げて読み去っていく人もいた。文フリくる奴って本当に活字中毒者なんだ。
 開いて立ち読みしながら去っていく人の中には、特に序盤そのまま踵を返して本を買ってくださる方もいた。割とそういう目的で配ったものではあるけれど、本当に私の文章に400円の価値を見出してくれる人っているんだと毎回ガッツポーズして小躍りしてしまった。

②サインを書いた


SIGNOというキラキラペンを使った

 自分の詠んだ歌とか買ってくれた人の名前とかをキラキラしたペンで書くやつを自分でやってみたくて、書いていいかと全員に名前を聞いた。

 ペンでサインを入れるの自体もかなり楽しかったけど、サインを書くという口実で名前を聞き出せるので、黙って勝手に買っていこうとする知人をあぶり出せるのもデカかった。



③交流をめっちゃした


 文学フリマがそもそも交流の場を目的としているので、知ってる人知らない問わずけっこうお話をした。 

 自分のスペースでは、買ってくださった人がポッケにきっかけの先生の本を入れているのを見つけて「「ア!!!!!!」」と指をさしたり、俺フリーペーパー書いてて今度アレだったらあれしませんか?みたいなフワフワした話をフワフワ聞いていたりした。
 でも、どういう本なんですか?みたいな面接みたいな聞き方してくる奴はみんな買わないでどっか行った。買えよ。(でも興味持って話しかけてくださるのは普通にありがたいです)

 今回規模が大きくて出展者には知り合いから好きな作家、遠めの親戚までいたので、挨拶回りでたくさん本を買ったり、たくさん おはなし もした。好きな作家に出展者のバッジを貼っていると、どこのスペースなんですか?と問いただされて、カタログにマルをつけられたり、手の甲に番号書かれたりもされた。今回はずっとお忙しいのか来れなかったのが救いだったが、大きな会場だと推しが沢山出てくれてうれしいけど、こういうリスクもちゃんとあるんだね。おーコワコワ…

あと、なぜか果物狂いの知り合いの本を買いに行ったら、初めて会った人に「フォロワーのフォロワーのご縁なので、これ飲んで感想ください」と言ってものすごいジュース(法的にジュースと書けないほど濃密の超美味ジュース)を頂いた。こういうのも出会いも文学フリマなんですね。


④のこりを全部通販に回した


掲載の許可をくださってありがとうございます

 前日にいつもエロ同人を買ったりするときにお世話になっているメロンブックス(以下メロブ)から「あなたの本をメロブで売りませんか?」というお声がけのDMが届いた。私の本が、あのメロブに…?

 私の本はエロ本でもないし、萌え二次創作ではないけれど、メロンブックスに並ぶのはあまりにも人生のトロフィーがすぎるので、二つ返事でOKした。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2145694


 自分が書いたものがいつも見てるサイトに入ってるのは、かなりドキドキする。本当はもっと手売りとか文学フリマにまた出して買ってもらった方が売れるんだろうけど、文学フリマは人生のトロフィーを沢山とりにいくために出店するイベントなので、やって損はないと思います。会場で渡したらほぼタダだし。

本当はこれ見てる全員に買ってもらって欲しいけどね!


やればよかったこと


いろいろはけてスッキリ

 会場では楽しい楽しいと言いつつも、家に帰ってお風呂に入ったら脳内は反省会で一色になる。これはみんなそう。何回も出るのはこういうのを改善していく過程が楽しいってのもあるんだろうけど、できなかった事実は揺るがないからここに刻んでおくね。

・ちゃんとスペースの設営にお金を掛ける


板の裏はペットボトルで抑えてるだけ

 まず、上に載せているスペースはありものでケチケチ作ったせいで、板やら小銭やらが雪崩を起こして他のサークルに迷惑をかけまくった。これはちゃんと戒めの必要がある。

快く撮影許可をくださったやさしい人でした

 それと比べて、隣ですごくハイセンスに装飾されていた出店者さんがべらぼうに人を集めていたので、終わった後に声をかけていろいろ参考がてら撮らせてもらった。これでもほぼ全部100均でそろえたらしい。


 正面のやつは100均のハコに100均のボードを組み合わせて簡単につくったらしく、「けっこう工夫でカバーできますよ」と仰っていた。本当かな。私は絶望的にそういうのはできないから、自信ニキネキは試してみてほしい。


 自信ニキネキじゃなくても、最低でもポスター立てるやつはケチらず買った方が良いぞ。お品書きがA4サイズだと小さすぎてみんな目を細めて見ていたから、目につくという意味では倍のサイズぐらいは最低でも下げられるといいかも。

・ちゃんとした名刺を作る


 今回無配が名刺代わりだし要らないだろうと、手書きのちっちゃいメモ切れみたいなものしか作らなかった。

 しかし、無配はとりあえず無尽蔵に押し付けていたから2時間ちょっとでなくなったし、今日貴方のファンになったから、全部もらえるものくださいって言う一番大切にしたい人に対して、一番メジャーな情報の玉手箱を渡せないのは結構今後に響きそうだなぁとは思った。

 不特定多数に配るものではないけれど、やっぱりあのサイズの名刺はとりあえずで作っておくと持って行ってくださる行ってくださるから、やっぱり大事かも。


・自分のスペースにも見本誌を置く


見本誌ゾーンに置いた本たち、最初と最後で位置が変わっていた

  見本誌を立ち読み専用部屋みたいなのに置くとわりかしみんな読んでくれる。くれるらしいが、正直そこからスペースの番号を覚えてまで来てくださる方はあまりいない印象だった。


 それよりも、終わり際暇になったので急遽、目につくところに見本用の本(はがせるようにメモを養生で貼ったやつ)を置いて、みるだけでもいいから~!と片っ端からちょっと気になってそうな人に口説いたら、打率2割ぐらいで読んでくれた。そこでちゃんとじっくり読んでくれる方はわりかし買ってくれる。最初から置いた方が、無配から立ち読みへの導線がしやすかったかも。

・スペース名はちゃんと他人が読めるようなやつにする

 

アンダーバーみっつでシュ シュ シュと読ませた

 今回スペース名をその場で思いついた適当なやつにしてしまったせいで、関係各所で毎回読解不可能なキラキラネームを伝える辱めを受けた。そんなことして誰も幸せにならん。キレッキレにすんな。
 

さいごに


 どうだろう。これからがんばる方の糧になっただろうか。正直会場が変われば雰囲気も変わるらしいし、楽しみ方は人それぞれなので必法はないとは思う。

 けれど、沢山手に取ってもらって、おはなしできたら、ずっと何もないより良いとは思ったから、今回私の経験を書いてみた。参考になったら嬉しいな。

 今まで戯言しか書かなかった私だったけれど、今回出店したおかげで別のベクトルからファンだと言ってくださる方もできたので、一回は出店してみてほしい。

 それと、私の本も買ってくれるととても嬉しい。最後まで読んでくださってありがとうございました。

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2145694

P.S.キッゾ支払い可にしたけど、誰もキッゾでは支払わなかったです。そりゃそうか。

この記事が参加している募集

文学フリマ

スキを押されたら飛び跳ねちゃうぐらい嬉しいし、お金も人並み以上に好きです。でも、最後まで読んでくれる貴方が一番好きかもしれません(チュッ)