見出し画像

不祥事防止ってどうやるんだ?

 教員の不祥事が後を絶たないらしい。特に神奈川県は。さらにうちの自治体はその中でも不祥事が多いと管理職から言われた。不祥事防止研修は毎年毎年夏休みに元管理職の方が来てお話をしていただける。さらに今年度は中堅者研修でも同じ不祥事防止についての講義があるそうだ。その事前の机上研修として、県から出ているスライドを見させてもらった。そのスライドには、最近の不祥事の件数や動向、さらには不祥事をした場合、どのような事態になるのか、脅しみたいなスライドがつらつらと並べられていた。
 不祥事を防止するために、「不祥事を起こさないようにしよう」と声を上げているだけの研修に何の意味があるのだろうか?
 課題を解決するときに、その根本的な原因は何なのかと言う分析をしなければ効果のある打ち手は生まれないと思う。

 ということで、僕なりの不祥事の根本的な原因を考えてみた。
 1つ目は現場の圧倒的な疲労感。僕の周りはそうでもないが、SNSなどを覗いてみると、現場の教員の悲鳴が後を立たない。そんな状態で働いているのであれば、精神的に追い込まれ正しい判断ができなくなる人がいてもおかしくはない。
 2つ目は教員の人数不足。僕らの世代は大量採用だった。その世代が今、出産子育ての時期に入っている。すると育休産休の人たちが増える。
 そのときにどうカバーするかと言う対策が全く取られていなかったため、現場ではいろんなところで人手不足が起きている。人手不足により、さらに現場にいる教員たちに負担がかかり、休職の方も増えていると聞く。そうするとますます残っている人たちに負担がかかる。まさに負のスパイラルに陥っている。現場の職員の年齢層など既にわかっているデータだったはずなのに、事前に何も対策を打たなかったことは明らかにしくじっている。
 3つ目は人手不足をカバーするための再任用の方たち。これはあくまでもマクロの話だが、再任用の方たちは前の時代感で働いている方が多い。もちろん新しいものにどんどん取り組んでいる方もいる。僕の校内にもいる。
 しかし、そういった前の世代の考え方で働いている人は現在では不祥事につながってしまう行動をしてしまうことも多々あるのではないだろうか。
 4つ目の原因として教員採用試験の倍率が下がっていることだ。正確な数字は覚えていないが、倍率が2倍を切っているところが多くあると言う行動を見た覚えがある。どっかの話で3倍を切るとその職に対しての資質・能力が欠けた人材が入ってくる。倍率が低ければ低いほど不適切な教員が増えてしまうのは止められない。
 その倍率が減ってる原因としては、メディアの情報があまりにも教職がブラックだと煽りすぎた結果だと思う。ブラックブラックだと報道されることによりさらにブラックになる。
 学校と言う職場が多くの教員にとって働きがいのある場所ではなくなってしまっていると言う現実。
 働きがいがあるとは何かそれは自分の能力が職場にうまく生かされ、自分自身も成長でき、さらに自分の決定が尊重されることになると思う。そのような環境を作るのは間違いなく管理職この管理職のマネジメント、力不足と言うのも、精進につながっている大きな原因の1つではないだろうか

 だとすると、初めにメスを入れるのは、管理職の育成ではないだろうか。職員一人ひとりの力を引き出すという視点があまりないように感じてしまう。
 しかし、これは個人の問題ではないと考える。彼らがどのように人事を受け、どのような育成をされているのか、そこの仕組みに大きな課題があると思う。
 年齢を重ねればなれてしまったり、どんな基準があるのかもわからないブラックボックスの人事だったりとはっきりしないことが多い。見えない仕組みにしてしまっていることがうまくいかない原因なのかもしれない。
 どのようにすれば現状の人材の力を最大限引き出し、学び合い、働き甲斐がある現場になっていくのか?
 この問いについて真剣に考えることが不祥事の防止にもつながっていくと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?