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プールの外注

 プールの授業があった。今年度から、学校のプールを使わずに市営プールで授業が実施され始めた。うちの学校ではじめての事だったので、色々と見えない部分があったが、とりあえずは無事に行うことができてほっとしている。
 終わってみれば、自分たちの学校でプールを行うより業務的な負担はかなりなくなった。まずプール担当がプールの水や薬品などを管理する必要がない。監視役の教員のパズルを組み合わせる必要もない。もちろん空き時間で教師が安全管理をする必要もない。さらに実施回数が大幅に減った。プールに実際に入るのは3年生と5年生。しかも年に2回ずつ。細かいところで言えばプール清掃もないし、水位の調整もない。以前どこかであったプールの水を全部抜いてしまったのような事件も起こらない。さらに指導に関しても市営プールのコーチが手伝ってくれる。また室内の温水プールなので天候によって実施の有無が左右されることもない。シャワーの水は温水でとても気持ちよかった。地獄のシャワーは消えてなくなった。
 振り返ってみると教師の働き方と言う面においては、大きな改善だ。今までの水泳指導はあまりにもコストパフォーマンスが悪すぎた。
 しかし、子供側から考えるとどうなんだろうか。6年間で彼らはプールに学校で4回しか入ることができない。市営のプールなので流れるプールを作ったり、大波を起こしたりすることもできない。冷たいシャワーを浴びてキャッキャキャッキャと大騒ぎし、「地獄のシャワーはもう浴びたくない!」とブルブル震えながら叫ぶこともないのだ。
 コスパを考えれば、プールの外注と言うのは間違いなく良かったと思う。元にも戻りたくはない。しかし、なんだか寂しいなぁと言う気分にもなっている自分がいる。これからどんどん学校現場のあり方は変わっていくことが予想される。変化しなくてはいけないと思う。ただその変化のプロセスを大切にしたいとも思える出来事だった。

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