見出し画像

地方で活きるために心掛けていること #3

こんにちは。五十嵐淳です。

突然ですが、この桜の画像に違和感持ちませんか?よく見て欲しいんですが、松の木から桜の枝が伸びて花を咲かせています。

これは、三戸町の中心地にある城山公園内で初代南部藩主を祀っている糠部神社敷地にある「松生桜(まつおいざくら)」という珍しい木です。恐らく桜の種類はソメイヨシノではないと思います。4月下旬に満開となった他の桜より開花時期が遅れたおかげもあり、平成と令和を満開で彩ってくれました。初めて見たって方、是非来年は三戸町に実物の松生桜を見に来て欲しいです。

今回は、地域資源の磨き方について自分がやっていることを書いてみます。地域資源と言っても、モノやコト、ヒトや風景等、広義で使われる言葉です。よって、全てが当てはまるか分かりませんのが、今回はモノである「りんご」を事例に書きます。

見つけた地域資源の気になった理由を考える

一つ目ですが、自分が見つけた地域資源をなぜ気になったか考えることです。今では、りんご農家さんと一緒に品種や育て方の話しを出来るようになり、ある程度専門的な説明も出来るようになりましたが、三戸町に来るまでりんごは好きじゃなかったです。

それが、三戸町を訪れて初めて食べたりんごの想像を超えるおいしさに衝撃を受け、濃厚なりんごジュースを飲んで感動し、あれ?りんごって美味しいんだと頭に記憶されました。

仙台に戻りスーパーでりんご買って食べたんですが(当時は出張ベースで三戸に行っていたため)、そんなに美味しくない。はじめは鮮度の問題かなと思いましたが、後日三戸でいただいたりんごを食べると現地で食べたおいしさがのまま。これは特別じゃないかと思い色々調べました。

その結果、この三戸町や周辺地域は果樹栽培に適した土地であることが分かりました。具体的には、三戸町は青森県で昼夜の温度差が一番激しい場所で、雪深いイメージの強い青森県の中では積雪が非常に少ない地域。ちなみに直近の4月の下旬で最低気温2度、最高気温20度の日がありました。

昼夜の寒暖差が激しいということは、暖かさで成長し寒さから守るために実を引き締めることを繰り返し甘味が出ると言われています。更に雪が中々積もらないということは、収穫時期を完熟の証拠となる蜜が下りるまで待つことが出来るので、りんごの一大産地となる津軽エリアよりも完熟りんごを収穫しやすい環境にあると言えます。

また、歴史に詳しい方にお話しを伺ったところ、高度成長期位までは、三戸郡のりんごは、三戸りんごが現在の地域ブランドの様な価値商品として扱われて多くの行商が買い付けに来ていたことも分かりました。

このままりんごの事を書いているとそれだけで長文になりそうなので。。。

調べた結果、昔から価値を評価されていて、その理由もひも解くことができた。ただ、今の世に訴求が足りないだけなんだなと結論付けることができました。

地域と地域外の翻訳家を意識する

では、なぜ昔は行商が買い付けに来るほどの価値を感じていた三戸りんごの名前が世に出なくなったというと、恐らく生産量なのかなと。三戸町のりんごの生産量は、青森県内で10番目位。1位の弘前市の1/10程度です。県外のバイヤーや消費者はりんごは青森ってイメージ強いので、結果三戸町の農家さんの多くは、青森りんごとして出荷しています。

個人的には、これもったいないなと思いました。個々の農家さん達と話してみると、他の地域には負けてない味のりんごを作っているって答えが多いんですが、それなら三戸りんごって売りません?って聞くと、「いやー」って。

そこで、二つ目の地域と地域外の翻訳家を意識するです。地域の人たちには少数でもプレミアムフルーツを買いたいところがあることを伝え、地域外の人たちには先程の調べた内容や希少性をストーリーとして伝え、結び付ける役目を担いました。

その結果、前回のブログで書いた様に、地域の方と地域外の方との交流会を開催しました。そこからマッチングを行い、販路拡大に前向きな農家さんとプレミアムフルーツを欲する事業者さんがパートナーとなり、海外の富裕層向けの輸出に繋がっています。

輸出時も書類作成やパッキング等に自分が積極的に関わりました。理由は、他の農家さんもやりたいって手を挙げた際にスムーズに結果に繋がる様に説明したり手順書を作りたいと思ったからです。

この物量マインドに囚われない販路を増やすことで、将来的に三戸りんごという名称が地域に溢れたら嬉しいなと思っています。

誰もが出来そうなことしかしていない

最後の誰もが出来そうなことしかしていないですが、今回の輸出も含めて、クラウドファンディングや商品開発は、特別なスキルを要するものではありません。

やっていることは、地域資源を磨く × 世の仕組みの活用 です。抽象化すると、どこの地域でもやっている。どこの地域にもある。ことばかりです。細分化した時に、この辺りの地域やこの地域資源では初めてだったりというだけで、やろうと思えば誰でも出来そうなことばかりやっています。

これは、自分自身が特別なことが出来ないって結果論もありますが、イノベーションや地域活性事例って、今あるものの掛け算と言われていますよね。自分はあくまで事例作りで地域の人たちが同じことをしたり、別の挑戦をするきっかけになればと思っています。

自分の様な普通の人間でも新しいっぽいことが出来る。なら俺でも、私でも出来る!やってみたい!そんな風に思ってもらえたらと考えています。

それが、自分が地方で活きるために心掛けていることです。これから三戸町や周辺地域は、外の地域の方々との交流も増え、色々と知る機会が増え、それを活かすことで、どんどん盛り上がってくると思います。

是非、この地域に注目して欲しいです。

本日はこれで終わりです。次回は、地域と地域外の翻訳家というキーワードについて詳しく書いてみようと思います。

最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?