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クラスの男子から赤札を貼られた話

小学5年生のときに、テレビドラマ「花より男子」が同学年の間で流行っていた。当時から斜に構えていた私は、「花男ってなにそれ(笑)」という謎のマウントをとり、流行りにはのらないスタンスを貫いていた。

謎のマウントは、当時の小学生高学年女子に流行りはじめた「レギンス」にまで及んだ。「レギンスってなにそれ(笑)」と発言したところ、姉を持つT君から「俺でもレギンスは知ってるけど……」と引いた目で見られたことを覚えている。ただの非常識なアホだ。

話は戻るが、ある日、風邪をひいて学校を休んだ際、友人のH君が連絡帳を届けてくれた。H君は天然パーマで、「花男」の大ファンだった。おそらく松潤演じる道明寺司に憧れていたのだと思う。体調ももとに戻り、翌日「連絡帳届けてくれてありがとう」とH君に告げたところ、


「赤札入ってるの見た?」


と言われた。「花男」を視聴しなかった弊害がここで現れる。私の頭の中に「赤札」というボキャブラリーがなかったため、H君が発した「赤札」についてまったく理解できない。「花札のようなものか」と思った私は「いや、入ってなかったと思うけど」と答えた。

H君は「いや、おかしいな。入れたはずなんだけど」と首をかしげていた。その当時の私は「学校側からの大事な書類かも。家に帰ったら探してみよう」と悠長に考えていたが、帰宅すると同時によくわからない「赤札」の存在はとっくに忘れていた。それ以降、H君と「赤札」に関する話の進展もなかったので、結局「赤札」がなんなのかわからないまま小学校を卒業した。

時は経ち、中学1年生。私立の女子校に進学し、友人と映画「花より男子ファイナル」を観にいくことになった。「花男ってなにそれ(笑)」状態だった私が、ファイナルだけを観るのはいかがなものか。映画を観る前に予習をしておく必要があるのではないか。そうして、私は「花より男子」と「花より男子リターンズ」を視聴することに決めた。

すると「花男」の序盤も序盤。聞き覚えのある単語がでてきた。そう「赤札」である。道明寺司率いる金持ちイケメン軍団「F4」の標的になった者に貼られる、赤い札。そして、それを合図にはじまる、全生徒からのいじめ。牧野つくしを応援する前に、思考が完全にとまった。

かつてH君が言っていた「赤札」とは、この「赤札」ではないのか。

小学5年生の頃に抱いた疑問の答えを、画面上でいじめられている牧野つくしを見て知るとは。完全に点と点がつながった瞬間だった。H君とは別の中学に進学したため、その後の繋がりはなにもなく、「赤札」に関しての連絡をとることもできなかった。

でも、これだけは今ここで言わせてほしい。


おい!!廣渡!!お前、仮にも風邪ひいて休んでる病人の連絡帳に「赤札」なんて入れてるんじゃないよ!!あと「赤札入ってるの見た?」って、嬉々としてリアクション求めんなーーーー!!!

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