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面白い人物の紹介 「はまだストアー」


前書き
仕事関係や、個人とでも、毎日、人との出会いやすれ違いがあるのに、その人の話を詳しく聞く事が少ないじゃないですか。
外国人として、日本に来て新しい環境のすべてが面白くみえて、ドイツにいるときより周りのものや人に関心を持って、普通の会話でも世界観の表現として受け取って、とても刺激になりました。
「面白い人物の紹介」というカテゴリーの中、小林市で暮らす人の話しを聞き、共有したいと思います。憧れのアイドルやスポーツ選手ではなく、近くにいる人の話を聞けば、現在の社会や人間のありようについて学べることが山ほどあると思います。

今回は私が住んでいる西小林にある「はまだストアー」の濵田栄子氏と息子さんの濵田真也氏のお話しを聞きました。

自己紹介をお願いします。
栄子さん「私は社長の奥さんになります。嫁いで34年で、その時はお義父さんとお義母さんがおられて、今のこのお店の1/3の大きさでした。昔から地元の小さいお店屋さんでした。私の主人が18歳で、高校を卒業したら店を継いで、まず魚のさばき、刺身などで始めました。この新しい店は平成2年に建てました。」

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お店の強みは何ですか。
栄子さん「お客さんとの距離が近いかもしれません。顔見知り、親戚が多くて、このおばあちゃんは地元生まれで、いろんなところに親戚の人がいて、顔が広いです。」

はまだストアーで流れている音楽について説明してください。
栄子さん「その音楽は若い人向けではなくて、親しみやすい演歌など、昔の曲を流します。お客さんに『ここは音楽を聴きながら、仕事ができるから羨ましい。』と言われます。」

外国人のお客さんの様子についてお願いします。
真也さん「出稼ぎ労働者で、中国やベトナムからの人が多いと思います。以前はフィリピンの方が多かったです。農業関係と食肉関係の大きい会社に雇われている人たちがよく自転車に乗って4-5人で買い物に来られます。」

品物が変わってきたかどうか教えてください。
真也さん「昔からある商品をずっと並べていますが、時代が変わって昔だったら売れたものが売れなくなって、その売っている範囲が少なくなったりしています。例えば、昔はお盆とお正月にお歳暮とかお中元という文化があって、それはどんどん少なくなってきています。」
栄子さん「昔とは全然違いますね。」
真也さん「昔、おばあちゃんが作っていた手間かかるような食べ物なかなか作らなくなってきているのではないですか。例えば、昔だったら、豆腐を一丁で買いました。今は半分の半分ぐらいですね。昔はこれだけ買って、半分は味噌汁に、半分は揚げ物にして、今はもうそこまでしないからですね。」

はまだストアーのスーパー以外の役目についてお願いします。
栄子さん「買い物に来て、いつも会えない人にたまたま会って、
「あー久しぶりって」と言って井戸端会議でずっとしゃべたりしますね。」

最後にお店に関する希望について聞きました。
真也さん「半分半分ですね。希望もありますが、不安の方が大きいかもしれません。世界的に起こる変化のスピードがすごく早いので、この形態のスーパーを後10年先見越すということは全く想像がつかないというところがありますので。そういった意味で、生活基盤であるスーパーがつぶれないだろうかという期待もありますが、変化のスピードにも乗っていけるように頑張らないといけないところですね。」

インタビューを終えて、濵田栄子さんと息子さんの真也さんにお礼を言って、頭の中は聞いたことでいっぱいで、少し物思わしげに市役所に戻りました。今まではスーパーにはお客さんさえいれば、心配はないでしょという少し単純な考え方をしていましたが、南九州の田舎の小さなスーパーを通して、世界的変化の影響や社会的な傾向と問題が明らかになると改めて考えさせられました。昔からすると調理するのにかける時間が減っていくことに伴う食習慣の変化で品揃えがかわりつつあることと、以前フィリピンから働きに小林市に来られる外国人のお客さんが多かったのに、おそらく、母国の労働事情の変化といった理由で、来なくなってきたことなど意識してきました。世界の変化が地元のスーパーという小世界に反映され、時代の推移とともにこのスーパーも変わっていっていると実感しました。

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