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すずめの戸締まり 新海誠は二代目宮崎駿かもしんない

なかなか時間が合わず観れなかったけれど、やっと観ました。

映画としては主人公と椅子に変えられてしまった相棒のロードムービーで、次々にイベントが発生してポイントで待ち構える中ボスを倒したらまた次のへというRPGみたいな映画でした。
まあそのぶんテンポがよいのでドキドキしながら見ることができて面白かったですね。
劇中の音楽が良かったし、昭和のJ-POPが流れたりしてロードムービー感満載なのもまたよかったと感じました。

以下、若干ネタバレありです。

なぜ主人公が椅子と一緒にネコを追っかけたのか、なぜ椅子(実はイケメン)にあれほど心を寄せたのかってのがいまいち説得力がある表現がなかった気がするので、中盤のクライマックスでなぜ自分が身代わりになろうって思ったのかってのがよくわからんかったですね。そこがちょっと残念。苦労しつつ二人で移動してるなかでもう少し椅子(イケメン)側の感情の動きや二人の間での気持ちのやり取りが描かれてればよかったのにと思いますた。

それから、まあこれは映画を前に進めるために仕方がないんだけど、行く先々で移動手段があっさり見つかりすぎ。それに絡む登場人物はみな魅力的なんだけど、みんないい人すぎの運が良すぎ。時々騙されたりするのもアリじゃないかって思うけど、ヒト巡りの悪さは前作でやってるし、そうするとテーマがボヤけたり上映時間が長くなりすぎるのかって勝手に納得しました。
行くべき先をSNSで知るってのや、電子マネー支払い履歴から主人公の居場所が判明することなんかは、いかにもいまっぽい味付け。
アルファロメオは途中で絶対故障するって思ってみてたら、案の定壊れたのは予想通り。

じーさんの予言で「閉じ師」を主人公が受け継ぐのかって思ってたけどそれはなかったな。
東北へ移動中に突然の雨に降られて立ち寄ったサービスエリアで、主人公と彼女の育ての親の叔母の二人が自分がずっと抱えてきた気持ちを吐露した結果、本心から互いを受け入れて認め合うっていう展開はよかったと思いますね。映画の裏テーマとしては大きな災害の結果、ずっと溜め込んでた主人公と叔母さんのわだかまりが解消されるってのもあったと思います。そういうのもワシ的には好みですね。
相手を許し、認めて受け入れるってのは乃木坂ちゃんたちに通じるものを感じるし。

「ルージュの伝言」が流れたからかもしれないけど全体的にちょっと少し前のジブリ映画の雰囲気を感じました。全体の構成はわかりやすい「ハウルの動く城」みたいだなって思いましたね。大宮崎の後継者は(あまりに偉大な宮崎駿の才能に押しつぶされてか)ジブリからは出てこなかったけど、新海誠という後継者が本格的に登場っていうのを感じた映画でした。

これまでの作品と同じく、実際の風景を素晴らしく美しく描かれてて、そういう点でも見てよかったと思う映画でした。

ラストはこれから二人はどうなるの?って雰囲気は「君の名は…」的でした。

あのラストから想像するのは、はたして主人公は「閉じ師」になるのかな?ってことでした。

後半、語尾がすべて「でした」でした。

おしまい


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