ピアノの上達は利き手に左右される?!
ピアノの上達に利き手はどのように関係するのでしょうか?
今回は、左右というキーワードから物事を読み解く「左右学」からピアノ演奏へのヒントを考えていきたいと思います。
左と右 あらゆるものにあり、優劣はない
左右学を提唱する西山賢一氏は、著書『左右学への招待-世界は「左と右」であふれている』(光文社)でこのように述べています。
あらゆるものに左と右があり、左右どちらかに寄る、勝るわけではないようです。
あなたの利き手はどっち?
そんな左右の話で最も身近にあるのが「利き手」。
人種や時代に問わず、人類は右利きの人が約90%占めているといわれています。
そのため、以前は道具や機械など右利き向けのものが多く、利き手を矯正するような動きもあったようですが、最近は左利き用の道具も増えてきました。
では、あまりフォーカスされない反対の手、「非利き手」は、利き手とどのように違うのでしょう。
「非利き手」の役割とは?
東京大学教育学研究科 教授の野崎大地さんの研究によると、利き手は筋力が強く器用に動くのに対し、非利き手には利き手に合わせて運動を調整できるという、特殊な能力があることがわかっています。
利き手が左右どちらであろうと、利き手と非利き手は別の役割があると、認識しておきましょう。
ピアノと利き手
ピアノの演奏に利き手はどう影響するのでしょうか。
ピアノの演奏では、右手と左手が同じ動きをするよりも、違う動きをすることのほうが多くあります。非利き手は弾きにくいと感じるかもしれません。
右手がメロディ、左手が伴奏という曲は多くありますが、モーツァルトやベートーヴェン、ラフマニノフなど著名な作曲家たちが左利きだったのではないかといわれています。
「利き手」「非利き手」を意識した練習のポイント
利き手ではないほうは、手が動きづらい感覚を感じるかもしれません。
そんなときは、片手ずつ練習をして、「非利き手」を鍛えるといいでしょう。
ただし、前述の東京大学教育学研究科 教授の野崎大地さんの研究にある「両手を協調させて行う複雑な運動が可能になる」のように、「両手の調和」も大切です。片手練習をするときも、もう一方の手を意識したり、部分的に両手にしてみるなど、工夫をして練習をしてみましょう。
くり返し練習の気分転換は、「バスティンプラス」の伴奏に合わせて弾いたり、先生や保護者の方と連弾をしてみたり、楽しみながら練習に取り組んでみてくださいね♪
また、指番号の都合でも弾きづらさを感じることがあると思います。
楽譜の指番号は、右手も左手も親指から番号がふられていますので、左右の指に対する番号が変わってきます。非利き手の指番号に慣れるといいかもしれません。
こうして自身の利き手を理解し、それに合わせた練習法を取り入れたりと、自分のウィークポイントを知って、それを克服することがピアノの上達への一歩へとつながると思いますよ♪