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東海道の旅Ⅲ

これまで長いこと書いてきた旅もこれで最後だ。当時の写真や地図を見て、思い出しながら書いている。自分の振り返りにもなってちょうどいい。まだまだ夏休み期間のイベントごとを書いていきたい。それぐらい楽しかった。健全な大学生だったと。

大磯から小田原。何回でも言おう。長い。遠い。小田原についたのが22時過ぎ。このころには足は引きずり、根性だけで歩いていた。近くにあったガストで遅めの夕食。すこし贅沢にドリンクバーの注文。しかし、一度座ってしまうと根性だけで動かした足は甘えを覚えて言うことを聞いてくれない。あのときのドリンクバーに行く姿勢は傍から見ればいかに滑稽だっただろうか。一歩ずつ確実に歩くさまはファミレスにいるような人の面をしていない。さて、夕食も食べ終わり、小田原で一泊しようかと携帯をみる。まるでホテルも満喫もない、、、本当に小田原なのか?あの小田原城で有名な小田原なのか?しかも、駅が近くにある。完全に予想をはるかに超えてきた。この時の私は憔悴していた。だが、諦めるのはまだ早い。前日同様にラブホがある。調べてみると1時間辺り歩くとそこにはラブホ街がある。そこに賭けてみる。このときは稀代のギャンブラーだぜと心を奮い立たせる。
結果はものの見事に全滅。全敗。さて、いく当てがない。彷徨った。箱根の峠までには一泊しておきたいところである。いったん箱根に向かうことにした。

当てもなく着いてしまった箱根。一度、箱根には来たことがあったため、懐かしの箱根湯本に夜中12時の挨拶を交わし、野宿の準備を整える。近くに長いベンチがあった。少し硬いが贅沢は言ってられない。おやすみ、、、、

き、、m、、   き、m、、i、、  き、、み、、、 きみ、、
起こされた。目の前には1人の警察官。職質だ。初めての職質に憧れと緊張を飼いならし、できるだけ堂々と答える。
警官に言われて知ったこと。今は午前2時。私みたいに小田原に何もなく箱根までくる人は良くいるらしい。私が野宿していたベンチの真後ろは交番だったこと。夜中でもやっている温泉があるということ。神奈川の他に比べたら治安がいいらしい。
この時ほど免許証を持っていてよかったと思う日はない。圧倒的に優しい人でよかった。さっそく紹介してもらった温泉へ向かう。そこの露天風呂付の大浴場で露天風呂に浸かったり、デッキで横になりながら爆睡。8時までお世話になりました。裸一貫・外で夜を明かすことなんて貴重な経験だ。金持ちしか経験できないだろう。もう富豪といっても差し支えない。

さて、峠越えを目指す。途中の休憩所でギブアップ。峠は越えることができず今回の挑戦はここで幕を下ろした。その後、バスに乗って箱根港まで行き、昼食。定食屋で大盛りにしてくれた店主と一杯のレモンサワーに感謝しながら飯を平らげる。そこからバスで三島まで。歩いていくはずの目的地に目を開けるとついている。なんだこれは。魔法か、、

三島から新幹線で京都まで。ビールがうまい。文明の技術と罪悪感と背徳感のすべてを背負い、ビールに流し込む。新幹線で1つの通知が。母からだ。母親コロナになったてよ。

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